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森の踏切番日記

人生LARKしたい

『いまさら翼といわれても』の感想

3月の読書録04ーーーーーーー いまさら翼といわれても 米澤穂信 角川書店(2016/11/30) 1703-04★★★☆ ──────────────────────────── 本書は、著者の人気シリーズである〈古典部〉シリーズの現時点での最新作となる連作短編集である。前作『ふたりの距離の概…

『ビブリア古書堂の事件手帖7』の感想

3月の読書録02ーーーーーーー ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ 三上延 メディアワークス文庫(2017/02/25) 1703-02★★★☆ ──────────────────────────── ビブリア古書堂に迫る影。太宰治自家用の『晩年』をめぐり、取り引きに訪れた…

『少年と少女と、/サクラダリセット6』の感想~All You Need Is …

3月の読書録01ーーーーーーー 少年と少女と、 サクラダリセット6 河野裕 角川文庫(2017/02/25:2011) 1703-01★★★☆ ──────────────────────────── 本書は、2011年12月に角川スニーカー文庫より刊行された『サクラダリセット6 BOY, GIRL and ──』を修正し…

『青の数学2』の感想~数学よりも女心の方が難しいぞ

2月の読書録03ーーーーーーー 青の数学2 ユークリッド・エクスプローラー 王城夕紀 新潮文庫(2016/11/01) 1702-03★★★ ──────────────────────────── 数式(まほう)は解け、 僕の青春が始まる。 数学オリンピック出場者との夏合宿を終えた栢山は、自分を…

『青の数学』~その答えは42

MY LIBRARYーーーーーーーーー 青の数学 王城夕紀 新潮文庫(2016/08/01) 1608-05★★★ ──────────────────────────── その数式(まほう)が、 君の青春を変える。 雪の日に出会った女子高生は、数学オリンピックを制した天才だった。その少女、京香凛(かな…

『片手の楽園/サクラダリセット5』の感想~TRUE BLUE

2月の読書録02ーーーーーーー 片手の楽園 サクラダリセット5 河野裕 角川文庫(2017/01/25:2011) 1702-02★★★☆ ──────────────────────────── 本書は、2011年5月に角川スニーカー文庫より刊行された『サクラダリセット5 ONE HAND EDEN』を修正し、改題し…

徳川家康は偉大な凡人か?

BOOKーーーーーーーーーーーー 家康 (一)自立篇 (幻冬舎単行本) 作者: 安部龍太郎 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2016/12/21 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2月5日(日曜日)の朝…

荒ぶる虎のごとき生涯『光圀伝』

MY LIBRARYーーーーーーーーー 光圀伝(上・下) 冲方丁 角川文庫(2015/06/25:2012) 1508-09★★★★ ──────────────────────────── 竹内栖鳳《雄風》(京都市美術館所蔵) 🔘光圀伝・上 「なぜあの男を自らの手で殺めることになったのか」老齢の光圀は、水戸・…

『さよならがまだ喉につかえていた/サクラダリセット4』の感想

1月の読書録04ーーーーーーー さよならがまだ喉につかえていた サクラダリセット4 河野裕 角川文庫(2016/12/25:2010) 1701-04★★★★ ──────────────────────────── 本書は、2010年12月に角川スニーカー文庫より刊行された『サクラダリセット4 GOODBYE is…

『珈琲店タレーランの事件簿5』の感想~鴛鴦茶は飲んだことがない

1月の読書録02ーーーーーーー 珈琲店タレーランの事件簿5 この鴛鴦茶がおいしくなりますように 岡崎琢磨 宝島社文庫(2016/11/22) 1701-02★★☆ ──────────────────────────── アオヤマが理想のコーヒーを探し求めるきっかけとなった理想の女性・眞子。11年…

『機械仕掛けの選択/サクラダリセット3』の感想

1月の読書録01ーーーーーーー 機械仕掛けの選択 サクラダリセット3 河野裕 角川文庫(2016/11/25:2010) 1701-01★★★★ ──────────────────────────── 本書は、2010年9月に角川スニーカー文庫より刊行された『サクラダリセット3 MEMORY in CHILDREN』を修…

『魔女と思い出と赤い目をした女の子/サクラダリセット2』感想

11月の読書録09ーーーーーーー 魔女と思い出と赤い目をした女の子 サクラダリセット2 河野裕 角川文庫(2016/10/25:2010) 1611-09★★★☆ ──────────────────────────── 本書は2010年3月に角川スニーカー文庫より刊行された『サクラダリセット2 WITCH, PICT…

後藤又兵衛という漢

12月の読書録03ーーーーーーー 後藤又兵衛 麻倉一矢 学陽書房人物文庫(2013/05/08:1994) 1612-03★★☆ ──────────────────────────── この本は、ブックオフ・オンラインでたまたま見つけた。108円だったので、ついでに買って読んでみた。元々のタイトルは『…

『貴族探偵対女探偵』の感想~かさしのふこのもも

12月の読書録02ーーーーーーー 貴族探偵対女探偵 麻耶雄嵩 集英社文庫(2016/09/25:2013) 1612-02★★★☆ ──────────────────────────── 本書は2010年に刊行されて、2013年に集英社文庫化された短編集『貴族探偵』に続く貴族探偵シリーズ二作目となる短編集で…

『祈りの幕が下りる時』の感想 ~親は子のために何をすべきか

12月の読書録01ーーーーーーー 祈りの幕が下りる時 東野圭吾 講談社文庫(2016/09/15:2013) 1612-01★★★☆ ──────────────────────────── 本書は、言わずと知れた東野圭吾の「加賀恭一郎」シリーズの十作目にあたる。吉川英治文学賞受賞作である。 明治座に…

『城塞』下巻再読・大坂城炎上

『城塞』再読(17) 司馬遼太郎『城塞』の再読もようやく最終回になりました。 岡山口の戦い ◾岡山口の総帥は、大野主馬であった。兵力は二万余。対する将軍秀忠率いる東軍の兵力は六万、先鋒の加賀前田軍だけでも一万五千の兵力であった。 ▶主馬は、旧真田…

『城塞』下巻再読・真田幸村の最期

『城塞』再読(16) 司馬遼太郎『城塞』下巻を再読しております。いよいよ運命の日がやってまいりました。 目指すは家康の首! ただ一つ! 慶長20年(1615)5月7日 ◾真田幸村の主力は茶臼山の南谷に布陣している。真田軍には大谷刑部吉継の長男吉治もいた。…

『城塞』下巻再読・道明寺の戦い

『城塞』再読(15) 司馬遼太郎の『城塞』下巻を再読しております。今回は、ついに夏の陣開戦です。 ◼元和元年(1615)4月30日、大坂城軍議 ※すでに惣濠を失った大坂城では、要塞戦の強味を発揮することができない。「人々の口は重かった」(長宗我部盛親談…

『城塞』下巻再読・樫井の戦闘

『城塞』再読(14) 司馬遼太郎の『城塞』下巻を再読しております。今回は、大河ドラマ『真田丸』に先駆けて、大坂夏の陣前哨戦を振り返ります。 ◾元和元年4月25日、徳川方先鋒を務める藤堂高虎隊と井伊直孝隊が、それぞれ淀と伏見を進発する。対する大坂方…

『城塞』下巻再読・家康再征

『城塞』再読(13) 司馬遼太郎『城塞』下巻を再読しております。大河ドラマ『真田丸』に先駆けて、今回は、夏の陣に至るまでの過程を振り返ります。 ◾家康は、自分の寿命がいつまでもつのかということで気の焦りもあり、事を急いでいた。冬ノ陣の和睦直後に…

『城塞』下巻再読・和睦後の幸村

『城塞』再読(12) 司馬遼太郎の『城塞』を再読しております。今回から、ようやく下巻に入ります。 徳川家康にとって冬の陣における講和は、あくまで表向きのことであり、大坂から引き上げるとすぐに大坂方を追い込むべく悪謀をめぐらせているのだが、その…

『城塞』中巻再読・家康の悪謀

『城塞』再読(11) 司馬遼太郎『城塞』中巻を再読しております。今回は、講和会談の経過から講和後の状況まで、家康の悪謀をざっくりと振り返ります。 ◾12月17日、家康、後水尾天皇の仲介を拝辞。 家康からしてみれば、今さら朝廷に出しゃばって欲しく無い…

『凶器は壊れた黒の叫び』感想  ~やさしい魔女の夢と幸せ

11月の読書録05ーーーーーーー 凶器は壊れた黒の叫び 河野裕 新潮文庫(2016/11/01) 1611-05★★★☆ ──────────────────────────── 本書は、『いなくなれ、群青』、『その白さえ嘘だとしても』、『汚れた赤を恋と呼ぶんだ』に続く、階段島シリーズの第四弾で、…

『城塞』中巻再読・家康大筒作戦

『城塞』再読(10) 司馬遼太郎『城塞』中巻を再読しております。今回は、家康による神経戦と和平交渉をざっくりと振り返っておきます。 大坂冬の陣のこの年は、近年にない厳冬が続き、野陣を張る関東方将士の困苦は筆舌に尽くしがたいものがあったようだ。…

今更ながら読んでみた

11月の読書録04ーーーーーーー 小説 君の名は。 新海誠 角川文庫(2016/06/25) 1611-04★★★ ──────────────────────────── 今更ながら、『小説 君の名は。』を読んでみた。映画の方は観ていない。予告編の映像はチェックしたが、それ以上の情報はインプット…

『猫と幽霊と日曜日の革命/サクラダリセット1』の感想

11月の読書録03ーーーーーーー 猫と幽霊と日曜日の革命 サクラダリセット1 河野裕 角川文庫(2016/09/25) 1611-03★★★ ──────────────────────────── 本書は、2009年6月に角川スニーカー文庫より刊行された『サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SU…

炬燵して語れ真田が冬の陣 蕪村 ~真田丸の攻防

『城塞』再読(9) 司馬遼太郎『城塞』中巻を再読しております。今回は、大河ドラマ『真田丸』に先駆けて、真田丸の攻防戦を振り返りたいと思います。 真田丸の攻防 ◾11月29日、博労淵の戦い、野田・福島の戦いに敗れた大坂方は、翌30日、大坂城惣構えに撤…

真田丸「築城」

『城塞』再読(8) 司馬遼太郎『城塞』中巻を再読しておりますが、真田丸の攻防戦の前に、真田丸の形状問題について振り返っておきましょう。 ◾真田丸「築城」 大坂城の弱点は、平坦な上町台地が続く城南にあり、秀吉も気にしていた。そのため堀をつくり、…

『城塞』中巻再読・冬ノ陣

『城塞』再読(7) 司馬遼太郎『城塞』中巻を再読しております。今回は冬の陣の戦況を振り返りたいと思います。だんだん面倒臭くなってきたので、ざっくりといきます。 ※11月18日、家康、秀忠と茶臼山で落ち合う。家康は、 「まともに攻めれば、まず五年は…

『城塞』中巻再読・城の中の人たち

『城塞』再読(6) 司馬遼太郎『城塞』中巻を再読しております。今回は、淀殿・秀頼に仕える主な家臣たちについて、簡単に振り返っておこうと思います。 ◾片桐且元(市正) ※弘治2年(1556)生まれ 。片桐家は元々は浅井家に仕えていたようだ。16歳で、秀吉…

『城塞』中巻再読・軍議は踊る

『城塞』再読(5) 司馬遼太郎の『城塞』中巻を再読しております。今回は、大坂冬の陣開戦までの徳川方の動きと大阪城内の対応を振り返っておきます。 豊臣秀頼 司馬は、家康の対大坂政略について、 かれが後世、悪人然とした印象を庶民に植えつけてしまっ…

大坂城防衛戦隊ロウニンジャー

『城塞』再読(4) 今回は、大河ドラマ『真田丸』第42回「味方」の復習を兼ねて、司馬遼太郎『城塞』中巻に合わせて、牢人五人衆について見ていこうと思います。 ◾明石全登(あかしてるずみ) ※明石氏は、もとは播磨国明石郡の国人で赤松氏に仕えていたが、…

真田幸村書状原本100年ぶりに発見される

『城塞』再読(3) 今回から、司馬遼太郎『城塞』中巻に入ります。中巻は真田幸村の大坂入城から始まるので、大河ドラマ『真田丸』第41回「入城」の復習を兼ねて、真田幸村の九度山退去を振り返っておきます。 ◾慶長5年(1600)12月、真田昌幸・幸村親子、…

『城塞』上巻関連年表

『城塞』再読(2) 司馬遼太郎『城塞』上巻に関連する出来事を時系列に沿ってまとめておこうと思う。NHK大河ドラマ『真田丸』を視聴するにあたって復習のため真田家の動向も加えておこうと思う。 (引用はすべて『城塞』より) ◾慶長5年(1600)9月3~8日、…

司馬遼太郎『城塞』上巻再読

『城塞』再読(1) NHK大河ドラマ『真田丸』も真田幸村が大坂城に入城したようで、いよいよ大坂の陣が始まる。『真田丸』の内容はだいたい想像がつくので今まで視聴しなかったのだが、大坂の陣をどのように描くのかは興味がある。 絶賛愛読中の新聞小説『家…

悲しみだけは、解決がない。

10月の読書録03ーーーーーーー ηなのに夢のよう 森博嗣 講談社文庫(2010/08/12:2007) 1610-03★★★☆ ──────────────────────────── 本書はφ、θ、τ、ε、λに続くGシリーズ六作目になる。今回の事件は、地上12メートルの松の枝に、首吊り死体がぶら下がってい…

『坑夫』と『海辺のカフカ』

「夏目漱石の妻」関連図書ーーー 坑夫 夏目漱石(新潮文庫) ★★★☆ ──────────────────────────── 本作品は、明治41年(1908)1月1日より4月6日まで「朝日新聞」に連載された。『虞美人草』に続く朝日新聞社入社後第2作目にあたる。本作品の成立事情につい…

テネシーワルツと「君の名は」

10月の読書録01ーーーーーーー 黒百合 多島斗志之 創元推理文庫(2015/08/28:2008) 1610-01★★★☆ ──────────────────────────── テネシーワルツと「君の名は」(アニメじゃないよ)、この二つの共通点は昭和27年(1952)のラジオ。当時は、まだテレビ放送が…

『道草』再読(2)

「まだ中々片付きやしないよ」 健三は留学から帰って来た直後の頃を回想する。(2年前になる) 妻の父は内閣が変わった煽りを受けて失職した上に相場に手を出し失敗し貯蓄を使い果たしていた。 娘は実家の離れで切り詰めた暮らしをしていたが、彼には娘を援…

『道草』再読(1)

「夏目漱石の妻」関連図書ーーー 道草 夏目漱石(新潮文庫) ★★★★★ ──────────────────────────── 『道草』は大正4年(1915)6月3日から9月14日まで朝日新聞に連載された漱石49歳の作品である。完成された作品としては漱石最後の作品となる。これは、漱石の…

人生いたるところに夏休みあり

九月の読書録07ーーーーーーー 聖なる怠け者の冒険 森見登美彦 朝日文庫(2016/09/30:2013) 1609-07★★★ ──────────────────────────── 吾輩は猫のごとくゴロゴロするのが好きな怠け者であるが、この小説の主人公の小和田君も筋金入りの怠け者である。小和…

「客観的になった方が、安全だよ」

九月の読書録05ーーーーーーー λに歯がない 森博嗣 講談社文庫(2010/03/25:2006) 1609-05★★★★ ──────────────────────────── 本作は『すべてがFになる』から『有限と微小のパン』までのS&Mシリーズに続くGシリーズ5作目にあたる。S&Mシリーズでは大学生…

行けど萩行けど薄の原広し 漱石

九月の読書録02ーーーーーーー 二百十日・野分 夏目漱石(新潮文庫) 1609-02★★★ ──────────────────────────── 夏目漱石は明治39年(1906年)9月、「新小説」に「草枕」を発表後、10月、「中央公論」に「二百十日」を、翌明治40年(1907年)1月、「ホトトギ…

「わたしは、中宮様の番人だ」

八月の読書録08ーーーーーーー はなとゆめ 冲方丁 角川文庫(2016/07/25:2013) 1608-08★★★★ ──────────────────────────── 『枕草子』をもとに、清少納言の「心ふるわす」生涯を描いた歴史小説。自分がイメージする清少納言像に近い描かれ方だったので気持…