森の踏切番日記

人生LARKしたい

『カオス』に関するメモ

八月の読書録04ーーーーーーー

 カオスー新しい数学をつくる

 ジェイムズ・グリック

 上田睆亮監修/大貫昌子

 新潮文庫(1991/12/20)

 1608-04★★★☆

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🐱1987年に米国で出版されベストセラーになり、1991年に日本語版が出版された。文庫本で500ページを超える大作である。

🐱カオスは研究者によって定義が微妙に異なるそうだが、簡単にまとめると「決定論的非線形力学の不規則で予測不可能なふるまい」というような意味で確率論的偶然性とは異なり、初期値鋭敏性により決定論的に予測不可能な現象である。本書は初期のカオス研究に携わってきた研究者達の当時ほとんど周囲から理解されなかった苦難の道程を紹介し、カオスの全貌を解説している。ここでは気になった人物や語句をメモしておく。

 


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第一章:バタフライ効果

◾エドワード・ローレンツ(気象学者)/バタフライ効果/非周期性と予測不可能の間の関係/初期値に対する鋭敏な依存性/非線形方程式/対流/ローレンツの水車/ローレンツ・アトラクタ/(1960年代はじめ)

 

第二章:革命

◾トーマス・クーン(科学史家)/パラダイムシフト/振動子/スチーブ・スメール(数学者)/アンリ・ポアンカレ力学系/カオス≠不安定(不規則性が安定)/ファン・デル・ポール/スメールの馬蹄/1968年

木星の大赤斑/フィリップ・マーカス(天文学者)/コリオリ効果/安定したカオス/自己組織系/1980年代はじめ

 

第三章:いのちの満干

エコロジー/ロジスティック差分方程式/ジェームズ・ヨーク(数学者)/ローレンツ「決定論的非周期的流れ」(1963)/ヨーク「周期3はカオスを意味する」/ロバート・メイ(生物学者)/集団生物学/1975年

 

第四章:自然のジオメトリ

◾ベンワー・マンデルブロ(数学者)/スケーリング/カントール集合/ノアとジョセフ効果/フラクタル/コッホ曲線/シルピンスキーの絨緞/メンジャー・スポンジ/自己相似性/(1970年代)

 

第五章:ストレンジ・アトラクタ

◾乱流/ハリー・スウィニー(実験物理学者)/相転移/ジェリー・ゴラブ(物理学者)/相転移と流体の不安定性の相似/流体力学/デービッド・リュエル(数理物理学者)/フロリス・ターケンス(数学者)/ストレンジ・アトラクタ/安定性、低次元性、非周期性、フラクタル/上田睆亮、(ジャパニーズ・アトラクタ)/オットー・レスラー(基礎医学者)/ポアンカレ写像/ミシェル・エノン(天文学者)/球状星団/重力熱力学的崩壊/銀河系の軌道/散逸系/「混合」/1970年代

 

第六章:普遍性

◾ミッチェル・ファイゲンバウム(物理学者)/混沌の中の秩序/ピーター・カラザース(物理学者)/ロスアラモス研究所/ケネス・ウィルソン、レフ・カダノフ、マイケル・フィッシャー/相転移/スケーリング/くりこみ群理論/フラクタル/自己相似性/単純観念/非線形性/二次差分方程式/非推移系/概非推移性/氷河期/等比級数的収束/4.6692016090/普遍性の発見/倍周期分岐/回帰的/自己言及性/1976年

 

第七章:実験者

◾アルベール・リブシャベール(低温物理学者)/1977年/小箱の中のヘリウム/非線形的フィードバック/乱れそめ/レイリー・ベルナール対流/形というものの普遍性、規模を通じた類似性、流れの中の流れにある回帰の性質/ピエール・ホヘンバーグ(物理学者)/写像から流体の流れへの飛躍/散逸はたくさんの矛盾した運動を含む複雑な系を消耗させ、結局はさまざまな次元のふるまいを一つにしてしまう/コンピュータ・シミュレーション

 

第八章:カオスのイメージ

◾マイケル・バーンズレー(数学者)/1979年/ジュリア集合/ジョン・ハバート(数学者)/ニュートン法マンデルブロ集合/複素平面力学系複素解析法/複素力学系フラクタル引力圏境界/ジェームズ・ヨーク/パイトゲン(数学者)とリヒター(物理学者)/相転移/偶然性/カオス・ゲーム/コラージュの定理

 

第九章:力学系集団

ロバート・ショウ、ドイン・ファーマー、ノーマン・パッカード、ジェームズ・クラッチフィールド/ジョセフ・フォード/カオス的混合/リヤプノフ指数/クロード・シャノン情報理論」/冗長度/エントロピー/1977年/「ストレンジ・アトラクタ、カオス的ふるまいと情報の流れ」/水滴/1979年

 

第十章:内なるリズム

◾ベルナルド・ヒューバーマン/1986年/目の動きのモデル/ガイア仮説/「ひな菊の世界」/生理学/力学系としての心臓/生物学的力学/概日周期(体内時計)/ベルソフ・サボチンスキー反応/カオスの中の秩序/モード・ロッキング/カオス的調和/カオス的流れ

 

第十一章:カオスとその彼方

◾氷の結晶/六方向の不安定性/非線形的で不安定な自由境界問題/熱の発散の不安定性と表面張力の安定性の混合/パターン形成の法則は普遍的/雪の結晶は非平衡現象/量子力学的カオスの未解決問題/「進化とはフィードバックのあるカオスだよ」

単純な系が複雑なふるまいを生み、複雑な系が単純なふるまいを生むこともある。なかんずく最も重要なのは複雑さの法則が、それぞれの系を構成する原子の詳細とは一切関係なく、すべてに普遍的に通用するということだ。

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カオス―新しい科学をつくる (新潮文庫)

カオス―新しい科学をつくる (新潮文庫)