😺昨夜は土曜ドラマ[夏目漱石の妻]第1回を視聴したが、なかなかの出来映えで楽しく視聴した。猫の俳句のエピソードも出てきたし、新妻に対する金之助のツンなセリフも出てきたし、原作のエピソードを上手く使ってドラマを構成しているなと思った。登場人物の中では、出番は少なかったが正岡子規が印象に残った。この後子規は、漱石英国滞在中に死んでしまうのだが、二人は真の心の友であったのだなあと思いながら見た。次回も楽しみである。
🐱吾輩はドラマを見て感想を書く習慣が無いので、このくらいにしておこう。ドラマはめったに見ないのである。
※明治31年頃の夏目金之助
😺新潮日本文学アルバムの『夏目漱石』に熊本時代の写真が掲載されているのだが、一枚は「昼寝する漱石」(むっちゃだらしない)で、もう一枚は縁先での夫妻の写真で、これには九州男児のいかつい書生と老女と猫(玉)と小犬と一緒に写っているが、この写真の金之助の髭は八の字にビローンと伸びている。なんかコントっぽい。鏡子夫人はきりっとした女性である。
※右側の老女(とく女)が抱いているのがネコの玉
🐱長谷川博己の髭も結構ビローンとしているが男前は何をしても様になるなあ。
😺漱石の孫娘である半藤末利子によると、昨夜のドラマ第1回の金之助の新妻に対する、
「俺は学者で勉強しなければならないのだから、お前なんかにかまってはいられない。それは承知していてもらいたい」
という発言を受けて現実の鏡子はこう答えたそうである。
「よござんす。私の父も相当に本を読む方でしたから少々のことではびくともしやしません」
豪胆な人であったらしい。また、実際に中根重一はかなりの読書家であったらしい。
🐱鏡子の実家の家族構成を紹介します。
中根重一、妻・豁子(かつこ)、長女・鏡子、次女・時子、長男・倫(ひとし)、三女・梅子、四女・豊子、次男・壯任(たけとう)
三女の頃までは、かなり裕福だったようだが(中根邸跡が新宿区矢来の新潮社)、四女の頃には没落したそうだ。時子は鈴木禎次(松坂屋や三井銀行などを設計した建築家)と結婚、梅子は奥村鹿太郎(貿易商)と結婚し、二人は裕福な暮らしをしたそうで、半藤末利子 によると、
幼少時から亡くなるまで、鏡子、時子、梅子の三人は、人に頭を下げたり気兼ねしたりする必要のまったくない境遇にいた。
漱石は四女の豊子がお気に入りでよく可愛がっていたらしい。機嫌の悪いときでも、豊子が遊びに来るとニコニコして機嫌が直ったそうだ。漱石の機嫌が悪いときは、鏡子夫人は豊子をよく呼びにやったらしい。以上、『漱石の長襦袢』(半藤末利子:文春文庫)からの受け売りでした。
😺写真で見る限り、大塚楠緒子は楚々とした美人である。漱石は鏡子におれの理想の美人だと豪語しているが、恋愛感情があったかどうかは分からない。楠緒子は明治43年36歳で病死。美人薄命な人だった。漱石は
ある程の菊投げ入れよ棺の中
という追悼句を詠んでいる。
漱石の恋の相手としては他に、井上眼科の女という謎の女性がいるが、いずれも推測の域を出ない。
😺次回放送までに、漱石の鏡子への手紙とDV漱石をまとめてみたいと思う。よければ読んで下さい。
📄関連日記
😺昨夜のブラタモリを見て、広島に京都の市電が残っていたのには驚いたが、被曝した車両が現存しているのにも驚いた。焼け跡の中を健気に走る路面電車の映像は感動的ですらあった。来週の「宮島でブラタモリ」も楽しみである。🐥