森の踏切番日記

ただのグダグダな日記です/2018年4月からはマイクラ日記をつけています/スマホでのんびりしたサバイバル生活をしています/面倒くさいことは基本しません

『非線形科学』メモ(3)

カオスとフラクタル

スケールフリー・ネットワーク

 

 

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第五章:カオスの世界

◾マクスウェル/アンリ・ポアンカレ/ホモクリニック交叉/保存力学系/散逸力学系/散逸力学系のカオスは軌道が不安定でありながらアトラクターである/乱流/層流/ランダウローレンツ・アトラクター/離散力学系/変換前の値に小さな不確定性ないし誤差があると、変換によってその誤差が必ず拡大される性質➡得られる数列は必ず不安定で非周期軌道になる/すべての軌道は一定の区間に閉じこめられている/カオス➡不安定でありながらどこにも逃れることができない永続的な非周期的運動/リヤプノフ指数➡1回の変換での誤差の平均拡大率の対数➡正ならば軌道は不安定、負ならば安定/

少なくとも正のリヤプノフ指数をもつ決定論的運動であるということが、カオスの最大の特徴だといえます。

リヤプノフ指数はカオス運動ばかりでなく、周期運動や多重周期運動、定常状態についても適用できる概念です。これらの非カオス的な運動が実現可能な運動である限り、リヤプノフ指数は正にはなりえません。リヤプノフ指数が正であり、なおかつ実現されるのは、カオス運動だけです。

軌道が不安定でありながらアトラクターとなりうるのも、カオス運動だけです。カオス・アトラクターはその外部にある状態点をたしかに引きつけるのですが、その内部では自己反発的なのです。

 


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ローレンツ・アトラクタ(Lorenz Lachauerによる)

 

 

◾パイこね変換/ 引き伸ばしと折り畳み/状態点の塊の不可逆的な拡散/

カオス的なシステムでは、初期の微小な誤差が急速に拡大するために長期予測が非常に困難であるといわれますが、それは与えられた長い記号列を生成するような初期条件の選択が非常な精密さを要するために事実上不可能であるということの言い換えにほかなりません。

◾カオスへの道筋/非カオス状態からカオス状態への移行はいつも突然というわけではない/リミット・サイクル軌道が無限回分岐を繰り返した果てにカオス化するルート➡レスラー・モデル/1976年/オットー・レスラー/周期倍化分岐/ファイゲンバウムの普遍定数=4.6692016…

◾ロジスティック写像繰り込み

◾個体群生態学マルサスの法則/現象の複雑さを、ただちに多くの要因がからむことによる複雑さと考えてはならない

BZ反応の実験/流出入のある、よく撹拌された反応槽を用いると、「劣化」しない低次元散逸力学系が得られる/臭素イオン濃度の時間変化/BZ反応におけるカオス・アトラクター/低次元カオス理論の応用➡カオスの制御や秘匿通信

◾カオスと同期現象/離反効果/位相同期/脳内神経ネットワーク

◾高次元カオス(多数の自由度を含むシステムのカオス)/時空カオス(空間的に広がった場に生じるカオス現象)/乱流/化学乱流

 


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ロジスティック写像の分岐

 

 

第六章:ゆらぐ自然

◾ゆらぎ(不規則にゆらいでいる形や動き)/伝統的なゆらぎ概念➡平均値プラスゆらぎ/分散/標準偏差正規分布大数の法則中心極限定理正規分布という特別な関数が個々の具体的問題とは無関係に普遍的に現れる。集団のサイズに対するゆらぎの相対的な大きさが1/√Nに比例した小さな量で表される/ランダム・ウォーク/

しかし、分子のゆらぎが互いに独立でなく、統計的に強い相関をもってくる場合があります。それは物質が相転移点に近づいた場合です。

◾一次相転移➡転移点(たとえば転移温度)を境にして物理量が不連続に変化する/二次相転移➡転移点自体ははっきりしているが物理量の飛躍がない/ゆらぎの強い相関が問題となるのは、二次相転移の場合/磁性体の相転移(磁気相転移)/相関距離/中心極限定理は臨界点のぎりぎりの近傍まで適用可能➡臨界状況で生じる物質内のゆらぎに対しては中心極限定理は完全に破綻➡自己相似性やべき法則がキーワード/波数/パワースペクトル/ゆらぎのパターンが自己相似性をもつときパワースペクトルは波数のべき乗に反比例する/臨界指数/ウィルソンによる「繰り込み群理論」(1971)

ジップの法則➡文学作品などに現れる単語の出現頻度を高いものから順に並べたとき逆べき法則に従う(k番目の単語の出現頻度はほぼ1/k)/グーテンベルグ・リヒターの法則(地震の強度とその発生頻度との関係)/1/fゆらぎ➡不規則に時間変化する量のパワースペクトルが周波数にほぼ逆比例するようなゆらぎ現象➡クラッシック音楽や心拍周期/フラクタル的な現象/ブノワ・マンデルブロ

◾海岸線のフラクタル性/雲の輪郭もフラクタル/コッホ曲線/フラクタル次元/それぞれの図形は固有のフラクタル次元をもつ/コッホ曲線のフラクタル次元は1.2618…/ボックスカウント法/カントール集合/間欠性

◾ランダム・ウォーク➡ブラウン曲線/自己アフィン/非整数ブラウン曲線

フラクタルな性質を示す自然のパターン➡海岸線、雲、河川や毛細血管の枝分かれパターン、稲妻やひび割れ、銀河団の分布構造など枚挙にいとまがない/

では、これら現実のフラクタルはどのような物理的プロセスによって形成されるのか、そこに個別的な対象を超えた普遍的なメカニズムが存在するのか、そして、なぜ自然はこれほどまでにフラクタル構造を“好む”のか

形成史/フラクタル構造の科学がダイナミックな過程を考察すること抜きには十分な深まりを見せることができない/DLA(Diffusion-Limited Aggregation:拡散に律速された凝集)/金属葉

べき法則で記述されるような特徴的なスケールをもたない対象➡スケールフリー・ネットワーク/ランダム・ネットワーク(ランダム・グラフ)/

たとえば、知人関係によってつながる人間社会のネットワークを考えてみますと、他国のまったく見ず知らずの人と意外に少ないステップの人間関係をたどってつながることができるという経験事実があります。

※世界人口とほぼ等しい65億の頂点からなるランダム・ネットワークを考える場合、各人がランダムに選ばれた100人と知人関係にあるとすると、知人の知人は1万人(重複はないとする)、その知人は100万人、その知人は1億人、その知人、つまり、5ステップで全人口をカバーできる。

※Aさんの知人の一人をBさんとし、Bさんの知人の一人をCさんとするとき、AとCが知人なら、三角形ができる。これをクラスターとよぶ。このようなクラスターが豊富に存在し、少数ステップで誰ともつながるようなネットワークをスモールワールド・ネットワークとよぶ。(ランダム・ネットワークより現実的)/ワッツ・ストロガッツモデル(1998年)

◾現実のネットワーク/スケールフリー性のあるネットワーク/アルバート・L・バラバシ/ハブ=多数のリンクをもつ少数の頂点/バラバシ・アルバートモデル(1999年)/優先的選択 

 


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コッホ曲線

 

 

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スケールフリー・ネットワークの一例

(バラバシ・アルバートモデル)

※出典:Keiichiro Ono(Wikipedia

 

 

 

🔘マンデルブロ集合

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フラクタルな図形 

 

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拡大イメージ(Wolfgang Beyer による)

 

 

🔘マンデルブロ集合の拡大(YouTube

(Gaurav Vohra)