大河ドラマ『真田丸』最終回
その1「腐縁」
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五月六日夜
◾とある尼寺
※尼僧と真田信之
尼僧「まことに申し訳なき事ながら何分小さな尼寺ゆえ」
尼僧「実は、もう一方見えられまして」
尼僧「もしよろしければ、相部屋をお願いできましょうか?」
※信之と本多正信
正信「いや、ご無沙汰を致しております」
信之「驚きました」
正信「大坂から江戸へ帰るところでございましてな」
信之「さようでござったか」
正信「山道の半ばで行き暮れてしまいまして」
正信「たまたま目についたこの山寺に一夜の宿を求めた次第で」
信之「いや、相部屋も知った顔なら楽しゅうござる。さあさあ、ご遠慮なく!」
正信「おお~! では…」
🐱あり得ない展開だけど、この組み合わせは笑えるな。正信は、わざと後を付けてきたと考えることも出来るな。
正信「んご~、んご~」(寝息)
😽最後まで、どうでしょう。
🐱さんざん悪知恵を働かせてきた正信が何にうなされているのだか。
◾大坂城内・ダメ田十勇士
ダメ田十勇士「🎵坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いたぜ!」
😽こいつらこんな所で何してんだ?
ダメ田十勇士「あっ、真田様!」
😽アントラーズの選手達「あっ、監督!」
才蔵「いよいよ大戦(おおいくさ)ですな」
😽小笠原「いよいよ決勝ですな」
清海入道「徳川家康なんぞ、蹴散らしてやりましょう」
😽曽ヶ端「レアル・マドリードなんぞ、蹴散らしてやりましょう」
幸村「頼りにしてるぞ」
😽石井監督「頼りにしてるぞ」
佐助「さあ、今夜は早く寝ろ!」
😽柳沢「さあ、今夜は早く寝ろ!」
鎌之介「大丈夫です、必ず勝ちますから」
😽柴崎「大丈夫です、必ずゴールを決めますから」
十蔵「そうだ、負ける訳がねえ」
😽金崎「そうだ、負ける訳がねえ」
伊佐入道「勝つに決まっとる!」
😽昌子「勝つに決まっとる!」
幸村「お前達、明日の戦、負けると思っているようだな」
😽石井「お前達、明日の決勝戦、負けると思っているようだな」
鎌之介「勝てる訳ねえ」
😽柴崎「勝てる訳ねえ。敵はロナウドだけで年俸が60億円ですぜ? わしら全員合わせても20億円にしかなりませんぜ?」
甚八「だけど、わしら、死に物狂いで戦いますから」
😽植田「だけど、わしら、死に物狂いで戦いますから」
六郎「真田様のためなら、命なんぞ惜しくないです!」
😽ファブリシオ「サポーターのためなら、命なんぞ惜しくないデース!」
幸村「私は命が惜しい。だから、明日も決して死なん」
😽石井「年俸の事は口にするな。私だってジダン程もらってはおらんのだ。だから、明日も決して負けん」
幸村「必ず、ここへ戻ってくる」
🐱本人は死ぬ気だろうな。
才蔵「みんな聞いたか?」
一同「はい!」
幸村「命を惜しめ、そして、必ず勝て!」
ダメ田十勇士「承知しました!」
😽博多華丸「アタックチャーンス!」
幸村(佐助に)「急ごう!」
(😽誰?)「大したお方じゃ」
◾大坂城内・厨
※与左衛門。幸村、佐助がやって来る。
佐助、筵を捲り上げ、与八の死体を発見。
幸村「もっと早く気付くべきだった」
幸村「お前は常にここで我らの策を耳にしていた」
佐助「徳川の間者か?」
😽だからそんな所で作戦会議をする君らが迂闊なだけでしょ。
与左衛門「信長公の下で台所番を務めておった。その後は太閤殿下。徳川に仕えた事などないわ」
😽1983年の大河ドラマ『徳川家康』では服部半蔵だったけどね。徳川に仕えてたけどね。
幸村「では何ゆえ?」
与左衛門「娘は太閤に手込めにされ、それを苦に命を絶った。妻も一緒だ」
与左衛門「以来、わしは、ずっとここにいる、秀吉と大坂城がこの世から消え去るのをこの目で見るまで」
幸村「事情はともかくお前を生かしておくことは出来ぬ」
与左衛門「役目は終わった。この城も明日で終わりじゃ」
与左衛門、串で腹を突く。
与左衛門「うっ!」
黙って見つめる幸村と佐助。
ニヤリと笑って倒れ込む与左衛門。
🐱この爺さんには、そんな設定があったのか。執念深い爺さんだな。さり気なく大坂城もからめてきたしな。この爺さんが死んだら誰が城に火をつけるのだ? この爺さんの正体はジョン・マクレーンだぞ。ダイ・ハードだぞ。簡単には死なないぞ。しかも、服部半蔵で、偽ルパンだぞ。
五月七日
◾大坂城内・評定
幸村「本日はお味方総がかりで参ります」
勝永「我が毛利勢と真田勢が天王寺に陣取り」
勝永「敵を引き付けまする」
ミサスキー「その間、この明石率いる騎馬衆が」
ミサスキー「背後へと回り込み、敵を挟み込みます」
幸村「岡山口は大野治房殿の軍勢が受け持たれる」
治房「承知!」
幸村「そして、満を持して秀頼公御自らご出馬頂きます」
秀頼「いよいよか」
治長「豊臣家の御馬印千成瓢箪が揚げられたるを合図に全軍一斉に敵に襲いかかりまする」
幸村「必ずや家康の首、取ってご覧にいれまする」
😽やっとまともな作戦が出てきたな。
😽ババアがいないと話がまともに進むなあ。
◾大坂城内・茶々
※茶々と幸村
茶々「このごろ城と共に滅びる夢をよく見ます」
😽若い頃に二度の落城を経験したことによるトラウマですな。
茶々「死ぬる時は誇り高くありたいもの」
幸村「世の中に誇り高い死などございませぬ」
😾この意見には賛成できんな。死に様は生き様を象徴するものだと思うな。死に方を間違えた結果、人生台無しになることもあると思うな。終わりよければ全て良しということもあると思うな。
幸村「お上様には誇り高く生きて頂きたい」
茶々「死ぬのは怖くありません」
幸村「燃える城の中で喉を突き、血まみれになって息絶えるご自身のお姿をお考えになったことがございますか?」
幸村「秀頼公のお首が三条河原にさらされるさまを思い描いてみた事がございますか?」
茶々(取り乱して)「ああ~!うわ~!」
幸村(抱きとめて)「申し訳ごさいませんでした」
😽まず相手を動揺させるのは、詐欺師の手口であるな。
茶々「私の親しい人は、皆、死んでいく…」
😽戦国時代は、そういう時代ですよ?
幸村「茶々様は長い間、悪い夢を見てこられたのです。それも間もなく終わります」
😽死神「死ねば楽になれますよお」
幸村「左衛門佐が連れ戻して差し上げます」
😽カンペキに詐欺師の手口だな。こういうのにコロリと騙されるおなごもいるのであろうな。
幸村「お上様にお願いしたきことが」
茶々「出来ることですか?」
幸村「これより、家康の首、取って参ります。家康が死ねば戦は終わります」
😽すでに、家康が死んで戦が終わる段階ではないですな。
幸村「そこからは、豊臣と徳川が、この先どう折り合いをつけていくかの談判となります」
😽家康は、殺る気満々だってば。
幸村「また戦になれば次は必ず負けます」
茶々「左衛門佐がいれば勝てる」
幸村「・・・」
茶々「死ぬつもりなのですね?」
幸村「戦に勝ったあとなら、よりよき和議の案を突きつける事ができます」
😽考え方が甘いのではないか。
幸村「大坂城を捨てる代わりに、豊臣家を四国全土の主として認めさせるのです」
茶々「分かりました」
😽幸村は、本気で言っているのだろうか。そうだとしたら、ただの無能だな。そうでないなら、罪な男よなあ。
幸村「そして万に一つ」
幸村「私が家康を打ち損じ徳川の兵が城に攻め込んできた時は…」
茶々(取り乱して)「ああ!」
幸村「万に一つと申しました」
幸村「その時は和睦の使者として千姫様を秀忠のもとへお遣わし下さい」
茶々「千を?」
幸村「姫様なら必ず方々をお救い下さいます。くれぐれもお忘れなきよう」
幸村「望みを捨てなかった者にのみ道は開けるのです」
😽希望的観測で言われてもなあ。気安めにもならんなあ。
😽あ~あ、期待させちゃったあ。
😽このドラマでは、本来なら大野治長が担う役割の一部を幸村が担っている訳だが、治長が無能だから、代わりをする幸村が無能に見えてくるのだろうな。
😽千姫を淀殿・秀頼の助命嘆願の切り札にするのは、従来なら治長の案なのだが、相手が豊臣家を滅ぼす決意を固めた後では、遅すぎるというものだ。本来の幸村の考え方ではないだろう。
◾大坂城内・幸村
※真田昌幸の位牌の前に高梨内記が坐っている。堀田作兵衛は、幸村の戦支度を手伝っている。
幸村「父上は、今の私を見たら何と言われるかな?」
内記「もちろん、お喜びになられるでしょう」
幸村「私という男がこの世にいた証しを何か残せたのか」
内記「人のまことの値打ちというものは己が決める事ではございません」
幸村「誰が決める?」
内記「時でござる。戦国の世に義を貫き通し、徳川家康と渡り合った真田左衛門佐幸村の名は日の本一の兵(つわもの)として語り継がれるに相違ございません」
幸村「どんな終わりを迎えてもか?」
内記「大事なのはいかに生きたかでございますゆえ」
六文銭を掌にのせ見つめる幸村。蝉の声。
内記「早蝉ですな」
作兵衛「ええ、今年は陽気がいいんで、先走ったやつが出てきたんでしょう」
幸村「では、私もひとつ、せわしなく鳴いてくるか」
蝉の鳴き声。
幸村「行ってまいる!」
😽「時が決める」というよりも、世間が決めることだろうな。
😽「どんな終わりを迎えても」というのは、全てが失敗した場合も想定しているのだろうな。
◾有働「五月七日早朝」
😽有働「ここ横浜日産スタジアムでは、間もなくクラブワールドカップ・ジャパン2016決勝が始まろうとしております」
😽有働「アントラーズの先発メンバーは、曽ヶ端、西、植田、昌子、山本、永木、小笠原、遠藤、柴崎、土居、金崎」
有働「それに対し徳川方は、松平忠直・本多忠朝を主軸にして、数段に及ぶ陣を構える」
😽有働「それに対してレアル・マドリードの先発メンバーは、ナバス、カルバハル、バラン、セルヒオラモス、マルセロ、カゼミロ、モドリッチ、クロース、バスケス、ベンゼマ、そして、ロナウド」
😽有働「間もなくキックオフ!」
😽有働「望みを捨てなかった者にのみ、道は開ける!」
😽有働「歴史を塗り替えろ!」
😽大助、なぜ白目?
※明石全登の陣
祈りを捧げるミサスキー御一行
ミサスキー「あ~めん」
😽有働「サポーターが祈りを捧げております!」
※大坂城内・秀頼
治長「茶臼山の様子を見て参ります」
鎧を身につけた秀頼「戦場で会おう」
😽有働「オーナーも闘志満々です!」
◾大坂城内・茶々
きり「落ち着いていらっしゃるんでほっと致しました」
茶々「この戦勝ちますゆえ」
きり「はい、左衛門佐様がそうおっしゃっていました」
きり「あの方が勝つと言えば勝ちます」
茶々「ずっと気になっていました。二人はどんな間柄?」
きり「ひと言では説明できませんねえ」
きり「腐れ縁?」
きり「お上様の番でございますよ」
😽理想の男女関係、腐れ縁。
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😽有働「そして、ASKAは不起訴となった」