森の踏切番日記

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まとめ読み『デート・ア・ライブ アンコール』(1)~(6)

9月の読書録06~11ーーーーー

 デート・ア・ライブ アンコール

 (1)~(6)

 橘公司

 ファンタジア文庫

 (2013/05/25~2016/12/20)

 ★★☆

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今年の7月に『デート・ア・ライブ』の第1巻から第12巻までをまとめて読んだのだが、8月に最新巻が出たので、残りも一気に読んでしまうことにした。そこで、9月に第13巻から第15巻までを読んだのだが、それに合わせて『アンコール』シリーズもまとめて読んだ。

デート・ア・ライブ アンコール』シリーズは、おもにラノベ雑誌に掲載された「デート・ア・ライブ」の短編に書き下ろし作品を加えた短編集のシリーズである。本編のストーリーとは直接関係のない、日常的なユルい話ばかりなので、本編とは別になっている。

 


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TOKISAKI Kurumi

 

 

アンコール[2013/05/25]

雑誌『ドラゴンマガジン』に掲載された「十香ゲームセンター」「折紙インポッシブル」「四糸乃ファイヤーワークス」「琴里バースデー」「八舞ランチタイム」と書き下ろしの「狂三スターフェスティバル」が収録されている。

この中では、「折紙インポッシブル」が、鳶一折紙の変態ぶりが遺憾なく発揮されて良かった。デレた時崎狂三が見られる、書き下ろしの「狂三スターフェスティバル」も印象に残る。

他愛のない話が多いが、「四糸乃ファイヤーワークス」のお尻ペンペンの場面だけ異様に浮いている。あとがきによると、編集者のアイディアらしい。もしかしたら、ラノベ雑誌の編集者はアタマがおかしいのではないかな。

 


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Yoshino

 

 

アンコール2[2014/05/25]

雑誌『Newtype』に掲載された「士道ハンターズ」、『ドラゴンマガジン』に掲載された「未確認サマーバケーション」「未確認ブラザー」「天央祭コンテスト」、『ドラゴンマガジン』の付録小冊子として発表された「精霊キングゲーム」、書き下ろしの「エレン・メイザースの最強な一日」が収録されている。

前作よりパワーアップした本書でも、「未確認サマーバケーション」「精霊キングゲーム」と折紙が暴走する作品が面白い。折紙の変態キャラは、本編の制約がない短編の方が書きやすいのだろう。書き下ろしの「エレン・メイザースの最強な一日」は、エレンが天敵である亜衣麻衣美衣の三人娘に散々な目にあう話だが、本編で一度やったネタなので二番煎じだし、よくある展開だし、突っ込みが足りない。

 


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TOBIICHI Origami

 

 

アンコール3[2014/12/25]

ドラゴンマガジン』に掲載された「美九オンステージ」「士織ペナルティ」「七罪ティーチング」「真那リサーチ」、Amazonの全巻購入特典リーフレットの「キャットカフェ・ア・ライブ」、書き下ろしの「精霊メリークリスマス」「狂三サンタクロース」が収録されている。

この中では、書き下ろしの「狂三サンタクロース」が良かった。以前登場した眼帯時代の狂三のほかに、包帯時代や甘ロリ時代のいろいろこじらせている狂三も登場して楽しませてくれる。

他の精霊はキャラが単純なので、どうしても言動がパターン化されてしまうのだが、狂三の場合は、「分身体」が過去の狂三を投影した存在なので、狂三本体と分身体の会話は、狂三の性格が重層的に表現されることになる。それにより、キャラが複雑になることで面白味が出てくるのが良い。

キャットカフェ・ア・ライブ」はショートストーリーだが、狂三の猫好きキャラは、その後の本編の展開にも活かされているので見のがせない。 

 


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アンコール4[2015/08/25]

デート・ア・ライブ』アニメ一期のブルーレイ&DVDに付いていた特典小説「十香ワーキング」「四糸乃ハイスクール」「折紙ノーマライズ」「狂三キャット」「真那ミッション」「琴里ミステリー」と書き下ろしの「十香リバース」が収録されている。

特典小説の方は、時系列的にはアニメ一期で描かれた時期が終わった辺りまで、本編でいうと第4巻までの設定になっている。

特典小説だからか、他愛のない話が多くて小説としての完成度は高くないのだが、「狂三キャット」だけは出来が良い。本編では、妖艶で冷酷なキャラとして描かれている時崎狂三が、迷い猫のためにムキになるところが可愛げがあって微笑ましい。

この特典小説は、2013年の発表であり、『アンコール3』の「キャットカフェ・ア・ライブ」も同じ頃に書かれたものと思われる。どちらが先に書かれたのか知らないが、この時期に狂三の猫好きキャラが固まったようだ。

「狂三サンタクロース」も狂三の可愛げのあるところが描かれていて、分身体は狂三の深層心理を表現しているように思われる。こうした『アンコール』シリーズで描かれた狂三の本編とは異なる一面は、本編にうまくフィードバックされて、本編の狂三の造形に良い影響を及ぼしていると思う。

 


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TOKISAKI Kurumi

 

 

アンコール5[2016/05/25]

ドラゴンマガジン』に掲載された「折紙カウンセリング」「令音ホリデー」「白銀アストレイ」「白銀マーダラー」「精霊スノーウォーズ」と書き下ろしの「精霊ダークマター」が収録されている。

この中では「令音ホリデー」の出来が良かった。ありがちなネタだが、展開が面白かった。私生活は謎に包まれている村雨令音だが、ますます謎が深まるばかりである。

「白銀マーダラー」もありがちだが、アニメにすると面白いネタ。書き下ろしの「精霊ダークマター」も、ありがちな闇鍋エピソードだが、闇といえばあの精霊ということで、彼女も割とかまってちゃんだったりする。この巻は全体的に手堅くまとめたという印象。

 


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MURASAME Reine

 

 

アンコール6[2016/12/20]

ドラゴンマガジン』に掲載された「精霊ニューイヤー」「二亜ギャルゲー」「精霊アニメーション」「精霊オンライン」「精霊オフライン」と書き下ろしの「六喰ヘアー」が収録されている。

この中では「二亜ギャルゲー」が良かった。新しいアイディアではないが、展開が面白かった。この巻は、全体的に低調な印象。こういうネタには飽きてしまったというのもある。

二亜は短編向きのキャラだが、二亜が加わったことによって、方向性が変わってしまったようだ。ていうか、こういう方向へ誘導するために二亜を投入したと云えるか。

「六喰ヘアー」は、無理あり過ぎだろう。

 


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