ETV『サイエンスZERO』2018/02/11放送
あなたの知らない土星の真実
偉大な写真家 探査機カッシーニ
(1)リングの秘密を探れ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
地球から12億km以上も離れたこの土星に誰よりも近づいた探査機がいます。
※地球から土星までは 1.18光時。光の速さで約1時間11分かかる距離。
Cassini-Huygens (NASA・ESA)
13年にわたって巨大ガス惑星の素顔を撮影してきました。
地球外生命はいるのかなど
その役割を終えました。
カッシーニが新たにひもといた土星の秘密とは何か? その最新情報です。
モアレ
カッシーニ追悼番組?
1997年10月15日打ち上げ
2004年06月30日軌道投入
2017年09月15日運用終了
惜しい方を亡くしました。
ありし日のカッシーニさんです。
高さ6.8m、幅約4m。重さ5.8t。
ちなみに名前の由来となったジョヴァンニ・カッシーニ(1625-1712)は、イタリア出身のフランスの天文学者で、パリ天文台初代台長。土星の4つの惑星や土星の輪に隙間があることなどを発見しました。
国立天文台の小久保英一郎教授
この写真は有名だよなあ。真後ろに太陽がいます。
上の写真じゃなくて、下のね。
土星の環の中でもっとも明るいB環(リング)
太陽光が環に対して真横から射すときに撮った写真。
すご~い
面白~い
カッシーニは数多くの写真を届けてくれました。
あるある
30万kmにも及ぶ巨大な嵐です。
ガス惑星である土星表面に高温の渦が発生し、気温の急激な上昇も見られました。土星の嵐は20年から30年に一度しか発生しないため貴重な記録となりました。
オーロラが太陽の活動に反応してダイナミックに動く様子を初めて間近で記録しました。
土星から見た地球(July 19, 2013)
地球とその下に月
最後のミッション「グランド・フィナーレ」では研究者の悲願でもあった土星本体とリングの間を通すことになりました。
ダイブは全部で22回。
最後は土星の大気に突入させます。
事前の予測では本体とリングの間は、その周囲と同様に氷などのチリが高速で飛び交う極めて危険な場所とされていました。
時速12万kmで移動する機体がチリと衝突するときに発するノイズを分析。
そのまんま
カッシーニ行きます!
気のせいかエアロスミスの曲が聞こえてくる!
Don't wanna close my eyes
Don't wanna fall asleep
'Cause I'd miss you, baby
And I don't wanna miss a thing…
中でも注目されているのは…
これまで土星のリングは太陽系が出来た直後、45億年前に本体と共に誕生したと考えられてきました。
しかし、イタリアの研究チームは、リングの年齢が土星本体よりもずっと若い可能性があると指摘します。
重力によって速度が変化し、そこからリングの重さを推定できます。
イタリアの研究チームが特に注目したのは
Bリングの重さを計算すると
想定よりも軽い
太陽系外から飛来する物質も取り込み
しかし、カッシーニの計測した重さから年齢を導くと…
せいぜい1億から2億年だというのです。
(左上に写っているのは衛星テティス)
2億年より前の土星の想像図
恐竜「土星デカすぎね?」
カッシーニが残した観測結果は太陽系の定説を覆すものでした。
驚きですね!
土星じゃな~い!
どうして新しいって分かるの?
どんどん汚れていっている。
つまり、あまり汚れていないんです。
大人になると汚れてしまうという考え方。
太陽系の進化を考えるときに影響がある。
カッシーニの気分て…
意外と薄いんですね。
環の直径が10万kmあるのに対して、厚みはなんと数10m以下!
プロペラ?
実際に見つかっている。
プロペラ構造(Cassini Legacy: 1997-2017)
面白~い!
次の記事へと続きます
後半は「地球外生命を探れ!」