九月の読書録04ーーーーーーー
偽文士日碌
角川文庫(2016/08/25:2013)
1609-04★★★★☆
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😸筒井康隆のブログ「笑犬楼大通り 偽文士日碌」に『新潮』、『yom yom』に発表された日記を加えた、筒井康隆日記シリーズの最新作。今回は、2008年6月27日(金)から2013年1月9日(水)までの、およそ四年半にわたる日記が収録されている。筒井康隆の日記シリーズは『腹立半分日記』からずっと愛読している。本書は著者の年齢で云うと74歳から78歳までの日記ということになるが、老いてますます盛んである。日常を記録しただけなのに面白さが半端じゃない。これは作家の日常生活に対する興味というだけではなく文章の巧さによるところが大きいのである。無駄な語句がひとつもない。素人のブログとは格が全然違います。当たり前やけど。
🐱それにしても忙しい人だ。月に二回東京と神戸を往復し、東西でテレビに出演し、もちろん執筆もし、本をたくさん読み、文学賞の選考をし、パーティーに出席し、たくさん人に会い、たくさん酒を飲み、たくさんおいしい料理を食べ、たくさん談笑し、たくさん煙草を吸い、薬を飲み、マッサージにかかり、親戚と会い、墓参りをし、家族で出かけ、旅行をし、例によって不審者が出没し、賞をもらい、本を出し、アキバでサイン会をし、ブログもし、舞台で朗読をし、コンサートに出かけ、展覧会に出かけ、テレビで映画を観賞し、孫の相手をし、たまには腹を立て、たまには鋭い警句を吐き、その上新聞小説の連載である。多少の身体の不調を訴えることもあるが、おおむね健康である。恐るべき七十代である。相変わらず愛妻家だし。
🐱登場する著名人も多彩である。大江健三郎、丸谷才一、桐野夏生、川上弘美、京極夏彦、堀晃等の作家はもちろんのこと、中川翔子、芦名星、優香、磯山さやか、安めぐみ、相内優香等のタレント・女子アナ、山下洋輔等のおなじみの人々、筒井日記おなじみの編集者達、いとうのいぢ、エビジョンイル、川口淳一郎、前田日明、等々。
🐱この間、世間的にも色々あった。北京オリンピック、リーマンショック、政権交代、東日本大震災、金正日、祇園暴走事故(あの会社は結局倒産したな)、米軍基地問題、尖閣諸島問題、ロンドンオリンピック、等々。
😿多くの著名人の訃報もあった。赤塚不二夫、井上ひさし、小松左京、今敏監督、日高敏隆先生、森毅先生などの方々。
🙀今回も読みたい本が色々出てきた。どうしましょう。🐥
「太田が悪い」
関連図書ーーーーーーーーーー
ダンシング・ヴァニティ
新潮文庫(2011/01/01:2008)
★★★★★
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1606-03★★★★
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