土曜ドラマ[夏目漱石の妻]視聴
第3回「やっかいな客」
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🐱昨夜の「夏目漱石の妻」第3回も見応えあったなあ。今回は、かなりドラマオリジナルの展開があって、原作のエピソードをうまく使いながらもドラマ独自の解釈を見せていた。その辺りを中心にドラマを見て思ったことを書いて見ようと思う。
😸まず、池辺三山。赤星昇一郎ですか? そっくりやないかい。よくもあんなにイメージの合う人がいたものだ。漱石自身は池辺と対面した時、懐が深い所も含めて西郷隆盛を連想したそうだ。そんな感じがよく出ていた。
🐱千駄木から西片町に引っ越す時、鈴木三重吉が猫を屑籠に入れて運んだのだが、暴れられておしっこをかけられたというエピソードは事実。漱石が新しい本棚を買いに行ったのも事実。こういう細かいエピソードを拾って漱石ファンを喜ばせる所が心憎いなあ。
😺「ポンポンポンポン子供を産みやがって」というセリフは少しベタ過ぎるかな。昔の人がいかにも言いそうな言葉だ。
🐱塩原昌之助が漱石に金を無心しに来た時期は事実と異なっている。また、『道草』とも異なっている。ここからドラマ独自の展開が始まる。ドラマにはドラマの見せ方があるというものだ。
🐱漱石が養父母から我がままに育てられたのは『道草』にある通りである。漱石は、それが自らの人間形成に大きく影響したと自己分析している。ただ、漱石は子供ながらも養父母の底意を見抜いていた。漱石の文章からは養父母に対する同情は全く見られない。
🐱現実の漱石は実の父母からも養父母からも人並みの愛情を受けることは無かった。現実の漱石は「淋しい」人だったのである。ドラマは敢えてその部分を変えている。ここから、このドラマが何を描こうとしているのかが見えてくる。
🐱ドラマの塩原は因業で強欲だが善良な部分も残っているように描かれていたと思うが、現実の塩原は、若い後家と浮気をしたのがばれて離婚したゲスの極みである。そんなこんなで金之助を育てられなくなって手放したに過ぎない。金之助をネタに夏目家から金を取りたかっただけなのだ。
🐱『道草』の養父は、もっとジワジワと真綿で首を絞めるように主人公に迫っている。ドラマは短い時間で決着させないといけないので、ああいう描き方になるのだろう。竹中直人が期待通りの怪演で、やってくれました。
🐱このドラマの主役は尾野真千子だということを雨の中で竹中直人と対峙するシーンで再認識した。このドラマでは、塩原との問題は鏡子が解決しなければならないのだ。(ちょっと違うとは思ったけれども)
🐱このドラマの演出はベタなくらい分かりやすいことに徹しておるな。第1回の夫婦で手を握り合いながら寝るシーンとか。今回の雨の中で対峙するシーンも、これしか無いという演出だったな。
🐱竹中直人がキセルをごそごそするシーンは『道草』と重なる部分があって興味深かった。細かい技を見せますなあ。
🐱「互に不実不人情に相成らざる様」という書付から「不実とは見て見ぬ振りをすること。不人情とは昔を忘れること」という言葉を導き出した所が今回のエピソードの焦点だったかな。
😺俳優陣の演技の上手さは今更言うまでも無いが、津田寛治ですか? あと、本田博太郎? ぴったりの演技するよなあ。
😺まあ、なんにしても贅沢なドラマだよなあ。そして、いかにもNHKらしいドラマだよなあ。良くも悪くも。
🐱山田房子と荒井伴男のターンは、爽やか青春路線なのかと思ったのだが、さっきNHKのホームページを確認したら、次回、黒島結菜に悲劇が!
🐱大塚楠緒子が次回登場する。しかも何故か壇蜜。次回は尾野真千子VS壇蜜なのか?
🐱次回もかなりドラマ独自の展開が見られそうで、どうなるか予測がつきませんな。如何にして漱石ファンの裏をかくか、次回も楽しみである。
📄関連日記
😽NHKって壇蜜が好きだよね。お偉方にファンでもいるのか? フフフ。🐥