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森の踏切番日記

人生LARKしたい

夏目漱石の孫娘(妹)

MY LIBRARYーーーーーーーーー

 漱石長襦袢

 半藤末利子(文春文庫)

 ★★★

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🐱半藤末利子は昭和10年(1935)、東京生まれ。父は漱石の門下生だった松岡譲、母は漱石の長女筆子。夫は昭和史研究家の半藤一利。母筆子や親戚から聞いた漱石の逸話が収録されている。漱石没後の夏目家の生活や晩年の鏡子夫人との交流なども書かれていて興味深い。特に、巻末に収録されている松岡筆子の手記『夏目漱石の「猫」の娘』は娘の立場から描かれた真の漱石鏡子夫妻の姿が描かれていて貴重である。

 

🐱筆子の手記には、恐かった頃の父漱石も描かれてはいるが、正月に子供達とカルタとりをする漱石や息子達と相撲を取る漱石など子供達と戯れる漱石も描かれている。また、夏目家に初めてお風呂がついた時や初めて電燈がついた時のエピソードも語られている。

 

🐱夏目家に初めてお風呂が取り付けられた日は、家中で大騒ぎで漱石も右往左往していたそうだ。お手伝いから「旦那様、お湯がわきました」と報されて、早速湯船に飛び込んだ漱石は、「ひゃっ、冷たい」と叫んで、素っ裸で部屋に飛び込んで来たそうだ。誰も、お湯を下の方から掻き回さなければならない事を知らなかったのだ。素っ裸で飛び跳ねる漱石を見てみんなで大笑いしたそうだ。さすがの漱石も一緒になって腹を抱えて笑ったということだ。

 

🐱筆子の手記によると、鏡子夫人は「大体が細かい神経を持たない人」で特に料理には無関心で雑な味付けだったらしい。ある日漱石が「今晩のスキヤキは美味しかった」と褒めると、それから毎晩すき焼きを出し続けるような人だったそうだ。

 

🐱鏡子夫人は、

「夏目は食い意地が張っていて相当に美味しいもの好きでしたのに、私が無頓着の方でしたから気の毒なことをいたしました」

と語っている。鏡子夫人を反面教師とした筆子は料理に凝りまくったそうだ。

 

🐱半藤末利子は他に新潮文庫から『夏目家の福猫』を出している。内容が重複する部分もあるが、夏目家の逸話、父母の思い出、漱石関連の自身の経験談が収録されている。

彼(漱石)を恐ろしい人に変えたのは神経衰弱という病気であって、頭が妙な膜で覆われていない時の生の漱石は、稀にみる心の温かい物解りのよい優しい人だった、とも母(筆子)はよく言っていた。

 

🐱鏡子夫人は、

「お父様はね、とても親切にいろんなことを教えて下さったんだよ。情け深い方だったんだよ」

と子供達によく語っていたそうだ。

 

 

 

漱石の長襦袢 (文春文庫)

漱石の長襦袢 (文春文庫)

 

 

 

夏目家の福猫 (新潮文庫)

夏目家の福猫 (新潮文庫)

 

🐱★★★

 

 


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🐱半藤一利漱石関連図書。

 

 


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後列左より、松岡筆子、松岡譲、夏目直矩

前列左より、夏目栄子、愛子、恒子

 

 

 

📄関連日記

 

 

 


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🐱夏目家の食卓に出たというサツマイモの天ぷらを作ってみた。夏目家ではサツマイモを千切りにしていたそうなので、かき揚げ風にしてみた。おいしくいただきました。🐥