森の踏切番日記

ただのグダグダな日記です/2018年4月からはマイクラ日記をつけています/スマホでのんびりしたサバイバル生活をしています/面倒くさいことは基本しません

尾道でブラタモリ(1)

ブラタモリ』#73尾道(1)

~なぜ人は尾道に魅せられるのか?


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今回は、タモリさんと近江ちゃんが石段から転がり落ちて体が入れ替わります(嘘)

 

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尾道出身のアナウンサーといえば、キクちゃんこと、西山喜久恵


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そして、山本モナ


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近江アナは、尾道は初めてとか。


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尾道が舞台の映画といえば、


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やっぱり、これか。


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それと、これだな。それほど出来の良い映画だとは思わないが。原田知世の白ブルマだけが印象に残っている。


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大林宣彦監督の尾道三部作といえば、『転校生』、『時をかける少女』、『さびしんぼう』。


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さびしんぼう』は、観てないなあ。


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尾道が舞台の小説といえば、


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林芙美子の『放浪記』


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志賀直哉の『暗夜行路』


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どちらも、読んだことないな。


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今回は、神さまになった中学生は出てこないのね。


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福石猫とかも出てこないのね。


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尾道について知っていることはこれくらいしかないな。


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内田百閒の「鹿児島阿房列車  前編」(『第一阿房列車新潮文庫)に尾道が少しだけ出てくる。

 

🔎大宝山千光寺Google マップ
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昭和26年の夏、鹿児島へ向かう途中の内田センセは戦前に見た呉線の車窓の風景をもう一度見たいと思って、乗り換えのため尾道で下車した。


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三原から広島までの山陽本線は山中を通るが、呉線は海岸に沿って通っている。内田センセは、小雨に煙る瀬戸内海の眺めにうっとりしたそうだ。頸の筋が痛くなるほど白砂青松の浜が何時間も続いたという。その景色をもう一度見るためにわざわざ遠回りをするというのだからヒマな人だ。


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乗り換えのために一時間待つことになった内田センセと付き添いのヒマラヤ山系君は、時間つぶしのために尾道の街へ出てみる。


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駅の前の広場のすぐ先に海が光っている。その向こうに近い島がある。小さな汽船が島の方から這入って来たところである。潮のにおいがして、風が吹いて、頭から日が照りつけた。


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駅のすぐ前の海に面した広場に小さな見世物小屋があった。蛇女とか蜘蛛娘などの看板が出ていた。


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二人は、小屋の前を通り、海辺まで出てみて、引き返した。内田センセは、観光名所などには自分からは決して行かない人なのだが、一時間という時間つぶしは中途半端で持てあましたのか、見世物小屋に這入ってみる気になった。


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白粉を塗った若い女の胴から下が蛇だというのが蛇女。乳の辺りから下は木毛(瀬戸物や果物の箱詰めに保護のために入れるやつ)を散らかして隠されている。盛り上がった木毛の中から張り子の尻尾がのぞいている。女は頻りに瞬きしてこちらを見ている。


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蜘蛛娘は、高い所へ宙に吊した梯子の途中に腹ばいになった若い娘。やはり白粉を塗っていて、一点を見つめた目が光っている。肩の辺りから先は張り抜きの蜘蛛の胴体になっていて蜘蛛の脚を方々に出している。


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娘の肩から先はどこに隠したのか、恐らく鏡を使っているのだろうが、どこにどう使ってあるのか、内田センセには見極めることが出来なかった。


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蛇女には大別して、蛇を生のまま食べたり蛇を体に巻き付けたりするパターンと体が蛇とか皮膚が鱗とかの変化パターンの二つのバリエーションがある。内田センセが見たのは後者の例のようだ。


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お代は一人三十円、二人で六十円だったそうだ。内田センセは、おやおやと思った。


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思ったよりも高かったようだ。ちなみに、当時のタバコ(ゴールデンバット)が一箱30円だったそうです。一人タバコ一箱分。


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わずか一時間の滞在で尾道を後にした内田センセは、念願の景色を見て堪能した。ところが、忘れていたことが一つあった。


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呉線は隧道がうるさいほど沢山あるのだ。当時は、勿論蒸気機関車である。窓を開けていると、煤煙が巻き込まれるのだ。内田センセは、うんざりした。


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見世物小屋は全国を巡業していたのだろうが、この話を読んでから尾道というと見世物小屋を連想してしまう。内田センセが堪能した呉線の風景は、今もうっとりする眺めなのだろうか。今は煤煙の心配もないし、一度行ってみたいと思う。

 

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ハトにエサをやるタモリさん。ハトの餌、一袋30円。


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朝早いので、ハトがいない。


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我が家には、朝早くからハトが来るけどな。


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朝早くから、グルグル啼いてうるさくてかなわない。


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しかも、台所の換気扇に入りたがるし。


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そうそう、ブラタモリだった。


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大坂での米相場(先物)の情報を伝書鳩を使って入手していたそうな。


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他にも、紀伊国屋文左衛門が考案したと云われる旗振り通信や狼煙通信なんかもあったらしい。


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幕府は米飛脚を保護するために、これらの通信を禁止していたようだ。


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尾道の商人たちは、寺を隠れ蓑にして掟破りをしていたそうな。


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幕府は、伝書鳩を捕まえるためにハヤブサを放ったという話もあるそうだ。


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タモリ「町ぐるみですね」

 


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昔は新聞社でも伝書鳩を使っていたことを説明している森田氏。

 


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西国街道だった。


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ご名答。


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前回は出女で、今回は荘園。


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倉敷地といいます。


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次の記事へと続く

 

 

 

📄この記事の前

🔘箱根関所でブラタモリ(1) - 森の踏切番日記

🔘箱根関所でブラタモリ(2) - 森の踏切番日記

 

 

 

 

 

 

 

『文庫版 書楼弔堂 破暁』の感想~虚実の淡いに浮かび上がる物語

5月の読書録02ーーーーーーー

 文庫版 書楼弔堂 破暁

 京極夏彦

 集英社文庫(2016/12/25:2013)

 1705-02★★★★

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文庫版 書楼弔堂 破暁 (集英社文庫)

 

明治25年(1892)5月23日、東京の外れで日々無為に過ごしていた高遠彬は、奇妙な書舗と巡り合う。店の名は書楼弔堂。奥行きのある店内の左右の壁面は三階まで全て書架で、古今東西書物で埋められている。平台にも夥しい数の本が積まれている。店の主人は元僧侶で、明治維新廃仏毀釈の煽りを受けて還俗し、本屋を始めたらしい。本書の終わりの方で明らかになるが、主人の名は龍典という。

本の中身を売っているのではなく、本を売っております

この主は「本は墓のようなもの」だと言い、「移ろい行く過去を封じ込めた呪物」だとも言う。書名は戒名のようなものなのだそうだ。

 

本を読むという行為と本を所有する行為との違い。ただ情報を得るだけなら本を所有する必要は無いし、本である必要すらない。だが、好きな本は手放せない。もう読み直さないかもしれないが、手元に置いておきたい。私は、子供の頃から本棚の本の背表紙を眺めるのが好きだった。

 

主はまた、「ただ一冊、大切な大切な本を見付けられれば」仕合わせだと言う。

本当に大切な本は、現世の一生を生きるのと同じ程の別の生を与えてくれるのでございますよ。ですから、その大切な本に巡り合うまで、人は探し続けるのです

とはいうものの、「その一冊」にはなかなか巡り合うことが出来ないから、本は「集めるものではなく集まってしもうもの」なのだそうだ。

 

私は、未だ「その一冊」には巡り合っていないので、この感覚はよく分からない。色々な本から色々な影響を受けているけれども、これこそが人生の道標となるべき本であると確信した本は無い。引き算していって最後に残る本はあるが、それが「その一冊」であるという確信がない。読まないでも手元にあると安心できるお守りみたいな本は何冊かある。若いうちに「その一冊」に巡り合える人は、確かに仕合わせだと思う。

 

この店の主人もまた、「その一冊」に巡り合えないまま本が集まってしまい、そうやって集まった本を供養するために、本を売る商売を始めたのだという。

売るのが供養でございます

だから、弔(とむらい)堂なのだ。読まれぬ本は只の紙屑、それでは本は成仏できないということらしい。

本書は、この風変わりな店に己のための一冊を求め訪れた人生に迷える人々と主人との対話を高遠彬が見聞する物語である。

 

 

「探書壱 臨終」で訪れた客は、臨終のその前に読む本を売ってくれという。この客は衰え弱っていて死期が近づいているようである。ここでは、浮世絵について語られる。明治時代の半ばにあっては滅びゆく江戸文化である。客は幽霊を見てしまったことがあり、それが原因で神経を病んでしまったことがある。主人はこの客にある書物を売る。その書物が何であるかと客の眼の状態を知った高遠は驚く。この最後の浮世絵師と呼ばれる客は、17日後の6月9日に臨終を迎える。享年53歳。

本書の時代設定を明治25年においたのは、著者がこの客を描きたかったこともあったに違いない。まことに京極夏彦らしい人選である。著者のこの客に対する解釈が興味深い。明治時代は、日本が近代化する過程で色々なものを捨てた時代だが、ここでは捨てられた側が描かれている。

 

「探書弐 発心」では、高遠が丸善でたまたま知り合った神経質そうな書生に書楼弔堂を紹介する。彼は尾崎紅葉の弟子だという。彼はお化けが好きなようだ。怪を好むという。弔堂の主人は、この書生との対話から彼の真実を照らし出すのだが、どこまでが事実に即しているのかよく分からない。

この書生は、巡り合うべき「この一冊」にすでに巡り合っている。彼が求めた本は意外なものであり、求めに応じた主人が売った書物がこの書生の作品の題材となる。もちろん、これは虚構である。

本書には、この世は虚実が半々だと書かれている。物語は、事実を記述するものではなく真実を照らし出すものであろう。また、たとえ事実を書き留めたとしても、それは最早物語に過ぎないというのが京極夏彦の立場である。これは物語であり、どこまでが事実かということは重要ではないだろう。著者が考えるところの真実が照らし出されればそれで良いのである。

この書生も京極夏彦らしい人選であり、時代設定を明治25年におけば、当然取り上げるべき人物である。彼は明治6年11月4日生まれなので、この時は18歳ということになる。

日本の近代文学が確立する過程において、まず新しい文体を作り出すことから始めなければならなかったのだが、その辺りの日本の文学事情が詳しく描かれていて興味深かった。

 

「探書参 方便」では、哲学館の設立者が客として訪れる。この年この客は34歳である。著者が最も取り上げたかったのはこの客ではないだろうか。彼に弔堂を紹介したのが勝安芳というのも面白い。この年勝安芳は69歳である。弔堂の主人は勝と知り合いらしい。

客は、日本の近代化のために大衆を啓蒙したいという大志を抱いているが、お金がなくて困っているという。そこで主人は、客に大衆に向けて本を出版し講演会を開けと助言する。本書では明治時代の出版業界について詳しく書かれているが、明治時代は本が商品となった時代でもある。

そして、この客に売った書物鳥山石燕の『畫圖百鬼夜行』である。ここで主人が述べる妖怪・化け物考は、京極夏彦ファンにはお馴染みの論考であり、特に『妖怪の檻  妖怪の理』に詳しいが、それをこの客に語るというのが面白い。これがきっかけで、客は後に「妖怪学」を広く世に問い、「妖怪博士」と渾名されることになるという。勿論、フィクションであるが、著者のこの客に対する理解が分かって興味深い。

勝海舟のべらんめえ口調は懐かしい感じがする。小学生時代に『べらんめえ大将』という勝海舟の伝記を読んだことを思い出した。

また、この話の冒頭に不思議巡査の異名を持つ矢作剣之進が登場する。

 

世に無駄な本などございませんよ

本を無駄にする者がいるだけです

 

「探書肆 贖罪」では、高遠が鰻屋で中濱萬次郎と出会う。中濱萬次郎は鰻の蒲焼きが好物だったという逸話があることを踏まえた導入である。彼は土佐弁の男を連れていた。

「死人でございますき」

何故だかぞっとした。

死人と云うなら、この男は幽霊と云うことになるだろう。

探書壱の客が幻視し、探書弐の客が憧憬を抱き、探書参の客が否定した「幽霊」が探書肆で登場するという趣向である。

中濱は、勝安芳の紹介でその男を書楼弔堂へ連れて行く途中なのだが所在が分からないということなので高遠が案内する。勝海舟ジョン万次郎といえば咸臨丸仲間である。この年中濱萬次郎は65歳。土佐弁の「幽霊」は、確かに勝海舟ともジョン万次郎とも縁のある人物である。この年54歳であるはずだが、この男は慶応元年に死んだはずである。ところが、この「幽霊」が中濱を刺客から守ったという話は慶応4年のことなのである。著者はそこからヒントを得てこの物語を創作したものと思われる。

中濱萬次郎の人物造形は、如何にもと思わせるものがあり好感が持てた。また、主人と中濱が語る勝海舟の評価が興味深い。幕臣でありながら新政府にも重用された勝海舟は、何かと毀誉褒貶が激しいのだが、著者の勝海舟に対する見解は、私もそれに近い考えを持っているので共感する。

土佐弁の「幽霊」は、司馬遼太郎がその作品で色を付けた影響が大きいのだが、京極夏彦は、新たな解釈を見せてこの「幽霊」の人物像を浮かび上がらせることに成功していると思う。

本書の中では、意外な人選ということもあり最も印象に残る物語だった。特に、著者の幕末観が分かって興味深かった。

 

人に人は救えない、だが本は人を救うこともある

 

「探書伍 闕如」の客は、探書弐の客の紹介である。この年22歳。この客については詳しいことを知らなかったのだが、誰もが幼少期に親しんだおとぎ話を再生させた人物である。本書のここまでの流れから見れば意外な人選だが、確かにもっと知られてもよい人物であり興味深く読んだ。彼もまた、近代日本文化の一側面を作り上げた人物と云ってよいだろう。

人生において逃げると云うことは決して卑怯な行為ではない、後ろ向きの人生に欠如を感じる必要はないという人生観には共感する。大勢と同じ向きを向く必要などない。前向きに進もうが後ろ向きに進もうがたどり着く先は同じだと思う。もっとも、人生の場合は立ち竦んだままでも時間が勝手に押し流してくれるけれども。

探書弐の客も探書参の客も探書伍の客も歴史の主流に名を残した人物ではないが、それぞれ独自の世界を築き上げ歴史に名を留めたという点では共通していると云える。

この話の冒頭の高遠と丸善の店員の会話は、人間関係が錯綜して話せば話すほどこんがらがっていって、まるで落語のような感じがして面白かった。文体も本書の全体を通して明治を意識した文体になっていて効果的である。

 

逃避というのは、生き延びるためにする行為なのでございます。

努力すれば成る等と云うのは愚か者の戯言。為てみるまでは判らない等と云うのは痴れ者の譫言にございます。

人は在るだけで満ち足りておりましょう。

 

「探書陸 未完」では、弔堂の主人が書物の買い付けのため珍しく外出する。高遠も手伝いにかり出されるのだが、向かう先は中野の寺の間の坂道を上ったところにあるあの神社である。書物の売り主は中禅寺輔。京極堂の祖父のようだ。しかも、彼が売りたいという書物の殆どは菅丘李山の蔵書である。輔の父親と李山が懇意にしていたそうだ。こうなると小夜がどうなったのかも気になる。小夜はこの年37歳前後のはずである。

中禅寺家は市井の陰陽師であり明治時代には滅びゆくもののひとつである。ここでは、時代の変化に応じて宗教の役割も変化していくべきである事が語られる。これは、探書参で語られた明治の仏教界の現状とも関連している。ここで語られる主張は京極ファンには馴染みのものであるが、明治時代の文明開化の文脈の中で語り直されている。

弔堂の主張と京極堂の主張は当然のことではあるが似通っている。京極堂が龍典に影響を受けたという物語を想像したくなるし、京極堂の蔵書は弔堂の蔵書を引き継いだのではという想像をしたくなる。

 

ないものをあるとしなければ、私共は立ち行きません。

伝統と云うのは、守るものではなく続けることです。続けるためには変えなければならないのです。

 

本書の語り手である高遠彬は、35~36歳。旗本の家に生まれたが元服前に瓦解を経験し武家という意識がない。かといって、急激に変わりゆく明治という時代にも馴染めない狭間の世代の人間である。彼は何処へも向かえず立ち竦んでいる人であるように思われる。そのような彼に弔堂は英国の有名な未完の小説を薦める。

 

決められないのなら、決めなければいいのですよ

 

この未完の小説は弔堂の主人の知り合いである夏目金之助に進呈するつもりのものだったという。本書で夏目金之助が客として現れることはなかったが、本書の後半には夏目漱石の影が感じられるような箇所がある。例えば、探書陸の蒸気鉄道に関する言及は、明らかに漱石を意識していると思われる。探書伍の落語的な会話も漱石を意識した感じがする。それが印象に残った。

 

本書の全体を通して、明治時代半ばの過渡期にある近代国家としては未完成の日本の一側面が浮かび上がってくる。これは虚実半々の物語ではあるが一面の真実が語られているように思われた。本書の語り手である高遠彬は、虚実の淡いに浮かび上がった幽霊のような存在であり、本書の物語が語り終えられると消えてゆくのは当然のことであろう。

 

 

 

文庫版 書楼弔堂 破曉 (集英社文庫)
 

 

 

 

 

 

 

箱根関所でブラタモリ(2)

ブラタモリ』#72箱根関所(2)

~鉄壁!箱根の関所はなぜ破れない!?


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「山の神」もビックリ

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続いては
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箱根駅伝5区山登りのゴール地点付近。


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江戸時代に新たにできた町。


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江戸方面から箱根を越える場合。朝、小田原発。箱根宿で昼ご飯。三島もしくは沼津まで歩く。


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幕府はあえて険しい道を東海道に指定した。


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尾根筋(黄)と谷筋(赤)


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尾根道は水はけがよく見晴らしもいい道だが、谷道は暗くてぬかるんで歩きにくい道。


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実際に歩いて体験。


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とろろそば。ます釣場。


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すぐにえぐれてしまう。


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歩きにくい石の道。


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かなりの急傾斜。しかも、雨。


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排水構造。


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側溝もあった。


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夜中に一人で越えたくはないな。


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江戸時代の工夫。


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箱根は険しいというイメージ効果。


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森田氏の疑問にお答えしましょう。


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向かったのは東海道沿いの町、畑宿。


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なんか、キャラの濃い人出てきた。


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割と新しいんやね。


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板を重ねて切る。


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組み合わせる。


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矢羽根を挟み込む。


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様々な柄を作り組み合わせて、


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複雑な幾何学模様を生み出す。


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さらに、ここからが職人の腕の見せ所。


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薄く削って木箱などに貼る。


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特別製。


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石川「削ってみませんか?」

タモリ「削ってみます!」


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なんでもやる人やなあ。


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結構重い。力む森田氏。


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顔、真っ赤。大丈夫?


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タモリ「これ力いりますね」


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リベンジ。


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今度は、割とスムーズにいったけれど。


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石川「まだちょっと力が平均にいってないかもしれない」

タモリ「難しいですよ、この力入れ具合」


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一人だと大変なので。


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二人用カンナ、初めて見た。でかっ!


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タモリ「今度、近江ちゃんが引っ張って」


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近江ちゃん、もっと自信を持って。


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ついに完璧!


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もう、どうでもいいや。


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不審者を報告する義務があった。


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裏関所は知ってた。


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関所守り村は知らんかった。


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箱根に限らず、江戸時代の日本は一種の監視国家だったものな。


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やだねったら、やだね。


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タモリ「いろんな発見がありました」


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成功した関所破りは記録に残らないのでは、という疑問は解消しなかった。


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人間というものは、駄目となったら色々知恵を絞るものだしなあ。


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特に幕末期には、どうだったのだろうか。鉄壁を維持できたのか、ちょっと疑問。

 

 

🐱次回は
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🔘尾道でブラタモリ(1) - 森の踏切番日記
🔘尾道でブラタモリ(2) - 森の踏切番日記

 

 

 

 

📄関連日記

🔘箱根でブラタモリ - 森の踏切番日記

🔘京都・祇園でブラタモリ(1) ~祇園町南側どす - 森の踏切番日記

🔘京都・清水寺でブラタモリ(1) ~清水の舞台から? - 森の踏切番日記

 

 

 


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歌川広重東海道五十三次 箱根」

 

 


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Hakone--around 1867 by Beato.箱根宿、宿場の入口に関所がある。外国人が多いせいか、イス式の輦台が見える。1867年頃、撮影F・ベアト | HATENA | Pinterest | Japan, Japanese and Japanese landscape

 

 

 

 

 

 

箱根関所でブラタモリ(1)

ブラタモリ』#72箱根関所(1)

~鉄壁!箱根の関所はなぜ破れない!?


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デオンナ・ツリハゲウィッグ

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近江「すごい雨ですよ」

タモリ「今日は、もう、一日雨ですよ」


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三週間ぶりのブラタモリ

 


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箱根といえば関所。


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タモリ「有名無実だと思ってたんだ」


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関所破りは、記録に残っているだけで、約250年で5件だったそうな。


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成功したら、記録に残らないのでは?


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「箱根八里」といえば


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🎵箱根の山は天下の険 函谷関も物ならず


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やだねったら、やだね?


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森田氏熱唱🎵


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タモリ「小学校のときの騎馬戦で歌ってました」


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滝廉太郎作曲だったのか。

その「箱根八里」の歌詞の中にも


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「一夫関に当たるや万夫も開くなし」


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と、箱根の関所の鉄壁さが歌われているというお話でした。


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昔の歌は歌詞の意味がよう分からん。


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近江「怒られるのかと思った」


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普段、近江ちゃんは色々怒られているのか?


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尋問したり、弓・鉄砲で威嚇したり。さらに、


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一番長い所で二百十一間(約400m)。


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前回の案内人・萬年氏がワンポイントリリーフ登板。


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一番狭いとこ。


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タモリ「直線といえば断層」


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北側の延長線上にある。


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カライ神社。


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大好きな話題で盛り上がる森田氏。


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横ずれ断層で崖は普通出来ない。


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実は、縦にもずれた。


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2つの断層が横に動くと隙間ができて真ん中が沈み込む。


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な~るほど。


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続いては、江戸方面から関所へ。


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役人「改めろ!」


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役人「女! 行ってよし」

近江「はい」

近江「びっくりした」


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「入り鉄砲に出女」て、習った。


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七人中三人が釣ハゲ女。


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一人が、釣ハゲ髪ぼさぼさ。


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昔の女性は髪を結い上げていたのでハゲやすかった。


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あらためババア。


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旅人「おいらは、男だい!」


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改婆「見せなっ!」


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女が男装してないか股間を確認する改婆。


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スパイて。これは本気で言ってるのか?


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参勤交代。懐かしいなあ。習ったのは、小学時代だったか、中学時代だったか。


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出女にだけ厳しかった。


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ところが、関所では手形が必要という誤解が当時からあった。なんで?


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手形を忘れて江戸へ帰る。


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いくらなんでも、そこまではしなかっただろう。


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🐱次の記事へと続く

 

 

 

📄この記事の前

🔘箱根でブラタモリ - 森の踏切番日記

 

 

 

 

湊かなえ『リバース』の感想

5月の読書録01ーーーーーーー

 リバース

 湊かなえ

 講談社文庫(2017/03/15:2015)

 1705-01★★★

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🐱湊かなえにはあまり興味がなくて、これまでに読んだ小説は『少女』だけ、湊かなえ原作の映像作品も全く見ていない、という湊かなえ初心者です。『少女』は、そこそこ面白かったので、ドラマ化を機会に本書をちょっと読んでみようかなという気になりました。(ドラマの方は見ていません)

🐱本書の読後感としては、確かに結末は意外性があって驚きましたが、感嘆するという程ではなく、どちらかと云えば拍子抜けしました。まあ、そこそこの作品でした。

🐱イヤミスというだけあって、確かに人間の嫌な面を抽出して濃縮してデフォルメしていますが、人物の造形が類型的なので、さほど後味の悪さは感じませんでした。ストーリー自体は、あまり興味をひくものではないし、地味な作品という印象でした。

 

🐱以下の感想にはネタバレも含みますので本書を未読の方はご注意下さい。

 


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🐱本書の主人公の深瀬和久は、社会人3年目の平凡なサラリーマン。取り柄といえば、コーヒーを淹れるのがうまいことくらい。彼女いない歴は年齢と同じ長さ。地味でダサダサで超ネガティブでウジウジとした性格。

🐱そんな彼が、唯一ともいえる憩いの場〈クローバー・コーヒー〉で知り合った越智美穂子と付き合い始めて3ヶ月、彼女のもとに『深瀬和久は人殺しだ』とだけ書かれた匿名の手紙が届く。

🐱深瀬には思い当たるふしがあった。大学4年の夏、ゼミ仲間(広沢・谷原・浅見)と高原の別荘を訪れた夜に、深瀬の唯一の友人・広沢は一人遅れて到着する仲間・村井を車で迎えるために台風による大雨の中出発したが、車ごと崖下に転落して死亡した。飲酒していた広沢に運転を押し付けたことの責任を問われることを恐れた彼らは、暗黙のうちにその事実に口をつぐんでいた。

🐱思い切ってこの事実を美穂子に告白した深瀬だが、美穂子とは疎遠になってしまう。やがて、他の三人にも告発状が送られたことが判明し、さらに、谷原が何者かに駅のホームから突き落とされる事態となる。

🐱深瀬は、実は自分は広沢の事をほとんど何も知ってはいなかったことに気がつき、広沢の事をもっとよく知るために、彼の関係者に話を聞いて広沢の過去を遡ることにする。

 

🐱というのが本書の前半のあらすじなのだが、この段階で告発状を送ったのは誰なのか予想がついてしまう。広沢の事故について事件性をほのめかす描写もあるが、事件性の有無についても予想がついてしまう。これらは、それほど重要ではない。

🐱ゼミ仲間の谷原、浅見、村井は、それぞれ嫌な面を持っているが、他人とは本来不愉快な存在なのだから、いちいち拘泥しても仕方が無い。深瀬は、他人との関わり方が不得手であるが故に他人を意識しすぎる傾向がある。自分の中に彼のような一面が無いとは云わないが、自己否定的な性格が強調され過ぎていて、共感できない。

🐱人間というのは、いざとなったら自分がかわいいものであるし、死んだ人間よりも生きている人間の方が大切だと思うものだと思うので、彼らの行為は理解できる。結局のところ、この世は広沢のような人間が損をするようにできているのだ。彼は断ろうと思えば断ることが出来たのだし、あまり同情しない。

 


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🐱本書の後半は、深瀬が広沢の過去を遡って得た結論とは何か、ということになる。

🐱深瀬が話を聞いた広沢の知人の中では、広沢と同級生だった女性が印象に残った。正義感は強いけれども直球しか知らない面倒くさい女性である。その彼女が広沢を「透明」だと評したことが印象的だった。「透明」ということは「色彩を持たない」ということである。

🐱大人(たいじん)の雰囲気を持った人というのは、確かにいて、そういう人は存在感だけで他を威圧することが出来るのだけれども、実は雰囲気だけの張り子の虎のような人もいる。広沢という人間は、そういう人間のように感じた。彼はそういう自己を自覚し、そこに欠落を見出していたように思われる。

🐱広沢と高校時代から親交のあった「地味男」が登場したあたりから話がつまらなくなってくる。この地味男は、主人公の相似形である。自分によく似たキャラと対峙するほど不愉快なことはないが、それだけのことである。

🐱男が同性に対して抱く嫉妬心や劣等感は、生物学的に見れば、生存と生殖のために必要な本能的なものだから、あるのが自然だと思う。それをただ暴いてみせただけではつまらない。事件の真相と絡んでいなかったのが残念だった。

🐱広沢のカノジョを主人公が勘違いしたのは解せない。一目瞭然なのに。そこに主人公の脇の甘さのようなものでも感じればよいのだろうか。

🙀この先はネタバレ要注意です。

 


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🐱そのカノジョというのが、実は越智美穂子なのだが、結局彼女は何をやりたかったのか、中途半端な感じがする。

🐱本書の人物造形は、男性よりも女性の方がうまいなと思ったけれども、越智美穂子に関しては、少し甘いのではないかと思った。

🐱この小説は、「主人公が実は真犯人で、しかも当人がその事に気が付くのは最後の場面」というお題が与えられて書かれた作品なのだそうだ。ということで、広沢が死んだ原因を作ったのは、深瀬和久自身だったのだが、これでは過失致死にもならないだろう。不運が重なった事故でしかない。確かに意外な結末ではあるのだが、カタルシスは全くない。なるほどねえ、と思うだけである。

 


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🐝蕎麦の花とミツバチ

 

 

🐱文庫版の解説でも指摘されているが、興味深いのは、本書の終章後の主人公の心理である。彼は、どちらかと云えば自分は他の三人よりも罪が軽いと考えていた節がある。事故の秘密も仲間と共有していた。それが、故意では無かったとは言え全く自分の責任で彼を死に至らしめたのであり、その事に気が付いたのは本人だけなのである。彼の性格では、この秘密の重さに耐えかねて自滅するに違いない。ドラマ化するならば、そこまで描いた方が断然面白くなると思うのだが、どうだろうか。🐥

(ドラマは結末を変える可能性もあるか)

 

 

 

 

リバース (講談社文庫)

リバース (講談社文庫)

 

 

 

 

 

 

『おんな城主直虎』第17回の感想 その1

大河ドラマ『おんな城主直虎』

第17回「消された種子島」その1


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中野直之(矢本悠馬)は「種子島」と呼ばれる武器を取り寄せ、井伊直虎柴咲コウ)の前で実演する。その威力に驚いた直虎は、種子島を鍛冶の村・井平で生産しようと考える。

その頃、龍潭寺で手習いを始めていた虎松(寺田心)は、家臣の息子たちと「五目並べ」に興じていた。周りの子供たちが気を使って手加減していることを知った直虎は、激怒する。周りが手加減しなくなり、負けが続いた虎松は、ショックで寺に来なくなってしまう。

 

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方久に無理を言って、取り寄せてもらった種子島


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百聞は一見にしかず。


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桔梗に連れられて龍潭寺にやって来た虎松。


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ニカッ✴


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子供に怖がられるリバース傑山


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傑山、ショック。


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直之の弾籠め講座は、ためになったけど長くなるのでカットします。


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バーン


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銃声にビビりまくる虎松。今回の二つのテーマをまとめて上手く説明しているなあ。


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世間知らずの田舎の尼様は、種子島を存ぜぬか。


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今回は、種子島の方のエピソードは見応えがあったけれども、虎松の方のエピソードはやや不満でした。


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最低50丁は欲しいな。


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まさか「消されたルパン」じゃないよね。

 


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火縄銃一丁が高級車1台分くらいの値段だと考えればよいと何かで読んだことがある。


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あるある。


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直之は、戦になった時のことが心配。


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この時期の家康でも、入手に苦労したとか。


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当時は、弾用の鉛も弾薬も輸入に頼っていたしね。


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まったくその通りでございます。


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こういう発想をするところが、この女子の怖いところじゃ。


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それができれば、皆やっとるわい。


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直之は乗り気だが、方久は乗り気ではない。


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でも、やらずに諦めちゃ駄目だよね。

 


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こちらは、駿府小野政次


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当然の指摘か。


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自分が後見したいと見せかけて


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直虎の身の上が心配とか。

 


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鍛冶の村・井平へやって来た直虎一行。


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刀鍛冶の五平


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五平「やってみなければ分かりませぬな」


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堺や紀州の根来・雑賀は、独占しているからうま味があるのにね。


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すっかり、直虎ペースに巻き込まれた方久。


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六左は、蚊帳の外。

 


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どエスさんも甥には優しいのね。


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目がキラキラしてる。


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子供はすぐにこういうのを見つけるからなあ。油断ならんよ。


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政次(これは…)


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物知り伯父さんを尊敬してるのね。


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甥の前では知らぬ振りをしてたのね。 

 


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探りを入れる政次。


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政次(奥山殿は何も知らぬか)


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毎回、政次の場面ではカラスの鳴き声が入りますが、今回は特に激しくカラスが鳴いていたように思うのですが気のせいでしょうか。

 


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龍潭寺南渓和尚を訪ねた直虎。南渓和尚は留守のようで。


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接待五目並べ


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子供のうちからこんなこと覚えちゃいかんよ。


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正論ですが、もう一つ考えが足りない。

 


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方久は、手堅いビジネスをするタイプね。


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リスクの高い事業には、あまり手を出したくないのね。


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瀬戸村を視察する直虎。


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又吉が三河の間者という展開は、有るのか無いのか。


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🐯次の記事へと続く。

 

 

 

 

 

📄この記事の前

🐯『おんな城主直虎』第16回の感想 その1 - 森の踏切番日記
🐯『おんな城主直虎』第16回の感想 その2 - 森の踏切番日記

 

 

 

 

 

宇宙138億年の謎を楽しむ本

4月の読書録04ーーーーーーー

 宇宙138億年の謎を楽しむ本

 佐藤勝彦・監修

 PHP文庫(2017/02/15)

 1704-04★★★

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🐱本書は、1999年11月にPHP研究所より刊行された『最新宇宙論天文学を楽しむ本』をもとに大幅に加筆・再編集したもので、文庫オリジナル作品である。前作のサブタイトルは、「太陽系の謎からインフレーション理論まで」だったが、本書のサブタイトルは「星の誕生から重力波暗黒物質まで」となっている。

 

🐱本書の基となった『最新宇宙論天文学を楽しむ本』は、天文学宇宙論の入門書として書かれたもので、太陽系や恒星・銀河に関する基本的な知識から佐藤勝彦先生のインフレーション理論を中心とした宇宙論までを解説したものだったが、21世紀に入ってからの天文学宇宙論の進歩は目覚ましいものがあり、昨年の「重力波の直接観測」の発表を受けて、ようやく改訂されることになったようだ。というのも、「重力波天文学」の誕生は、インフレーション理論の実証という面でも非常に重要だからであろう。

 

🐱本書は、前作の天文学宇宙論の入門書として書かれた部分は、そのまま受け継いでいるようである。それに、今世紀の天文学宇宙論の成果を加筆して編集し直したようである。全体的に平易な内容で数理的な話題にはあまり踏み込まずに解説されている。少し物足りない感じがするのは否めないが、天文学宇宙論の入門書としては、おすすめ。

 

🐱今更こういう入門書を読むのは、基本的な知識を整理して確認するためで、そういう意味では役に立った。特に、最近の天文学宇宙論の成果が簡潔にまとめられている点が良かったと思う。これ一冊で十分という訳にはいかないが、時々こういう本を読むのも悪くはない。

(以下の画像は、本書に収録されているものではありません)

 


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1章・重力波が切り拓く新たな天文学

🌟本章では、まず最新の話題として重力波を取り上げている。基本的な情報は十分にまとめられているが、理論的な説明はほとんどなされていないので肩すかしを食らったような感じを受ける。量的にも20ページ程度しかない。

🌟ここで注目すべき点は、原始重力波である。原始重力波を観測できれば、インフレーション理論を裏づける決定的な証拠になるといわれていて、宇宙がどのように誕生したのかを検証できるのである。

🌟本章の大半は、天文学の歴史は望遠鏡の歴史ということで、ガリレオから始まる天体望遠鏡の歴史を紹介している。特に、すばる望遠鏡についての解説が詳しいのが良かった。他には、電波望遠鏡ハッブル宇宙望遠鏡ガンマ線バーストスーパーカミオカンデなど、おなじみの話題が多い。

 

 
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2章・母なる太陽と地球の兄弟たち

🌟本章は、太陽系と太陽についての基本的な解説である。最近のNASAJAXAの探査計画や各惑星のプロフィールも紹介している。特にJAXAの「はやぶさ」や「あかつき」などの活動について詳しい。

🌟各惑星の数値データなどをいちいち覚えたりはしないので、こういうのを読むと新鮮な驚きがある。たとえば、金星の公転周期が225日であるのに対して、自転周期は243日だという。つまり、金星の「1日」は「1年」よりも長いということになる。何か不思議な気持ちになる。

🌟本章での注目点は、やはり、太陽系内に地球外生命体が存在するかであろう。NASAは、地球外生命体の発見に熱心な印象を受ける。有力候補は、木星の衛星エウロパとガニメデ、それに土星の衛星エンケラドスのようだ。

 


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3章・星の誕生から死まで

🌟本章は、星の一生など恒星に関する基本的な解説が中心で、お馴染みの内容である。注目点は、系外惑星太陽系外惑星)の発見であろう。1995年に系外惑星が初めて発見されてから、およそ20年で3500以上の系外惑星が発見されている。

🌟当初は、木星のような巨大惑星は、中心星から遠く離れたところを10年以上の周期で公転するはずだと考えられていたところが、実際は、中心星のそばを数日から数百日という短周期で公転する巨大惑星が存在することが判明したことにより、系外惑星発見ラッシュが始まったのだそうだ。科学の歴史は、思い込みとその打破の繰り返しだという一つの例として興味深い。

🌟本書は、2016年11月末現在のデータが使われているようで、TRAPPIST-1系については触れていない。TRAPPIST-1系の7つの惑星はbからhまでの記号が付いていて、何故aからではないのだろうかと疑問に思っていたのだが、中心星をaとすることが分かった。なるほどね。

🌟NASAは、生命が存在する可能性のある系外惑星の発見にも熱心な印象を受ける。

🌟浮遊惑星も興味深い。想像力を刺激する。

 


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4章・銀河を超えて宇宙の彼方へ

🌟本章は、天の川銀河に関する基本的な解説と宇宙の中での銀河の分布に関する基本的な解説で、お馴染みの内容である。ダークマタークェーサーなどの解説があるが、特に目新しい話題はなく、量も少ない。

 


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5章・宇宙の過去の姿が見えてくる

🌟本章は、宇宙論についての基本的な解説で、佐藤勝彦先生監修の本ではお馴染みの内容だが、よくまとまっていて分かりやすい解説だと思った。もちろん、インフレーション理論について詳しい。ダークエネルギーなどの解説があるが、特に目新しい話題はない。

🌟「夜空はどうして暗いのか? 」という科学の豆知識を集めた本に有りがちな話題が本章の導入で紹介されていたのだが、久し振りに読んで、すっかり忘れていたことを思い出した。

🌟この問いの答えとして、「太陽が出ていないから」は、当然、間違い。宇宙が無限に広がっていて、星の数も無限にあるという定常宇宙を仮定すると、理論的には宇宙全体から届く星の全光量は太陽の明るさよりずっと明るくなるはず。これを「オルバースのパラドクス」と呼ぶ。実際に夜空は暗いのだから、このパラドクスは仮定が誤っていることになり、宇宙は有限であり星の数も有限であることになる。

🌟そして、「宇宙は膨張している」と考えることでも、このパラドクスを解決することができる。これは、時間が有限であることを意味し、遠くの星の光はまだ地球に届いていないと考えることができ、また、膨張による赤色偏移によって可視光が赤外線に引き伸ばされる星もあるはずであり、夜空が無数の星の光に満たされることはないということになる。

 

 

 

 

 

 

 

📄関連図書

🐱特殊相対性理論一般相対性理論宇宙論について、数理的な話題にはあまり踏み込まずに解説している。相対性理論に関する一般向け解説書の中では、平易な内容で分かりやすい方だと思う。数式も一応載っている。特に、双子のパラドクスについて一般相対性理論まで踏み込んで解説している点が良いと思う。宇宙論の内容は本書とあまり変わりない。アインシュタインの生涯を紹介した章もある。相対性理論の入門書としておすすめ。

 

 

🐱量子論について、一般向けに解説した本で手頃なものは意外と少ないのだが、この本は量子論の発展の歴史を紹介しながら、量子論の基本的な知識について分かりやすく解説している。ただし、1950年代以降の素粒子理論の進展や標準模型の確立の歴史については触れていないし、量子もつれ超弦理論などの新しい話題は載っていないので、この本だけでは不十分ではある。量子論の入門書としてはおすすめ。

🐱本書を含めて3冊とも手軽に楽しめる入門書だと思う。🐥

 

 

 

📄関連日記