森の踏切番日記

ただのグダグダな日記です/2018年4月からはマイクラ日記をつけています/スマホでのんびりしたサバイバル生活をしています/面倒くさいことは基本しません

カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』を読んでみたのだが…

11月の読書録02ーーーーーーー

 わたしを離さないで

 カズオ・イシグロ

 土屋政雄

 ハヤカワ文庫(2008/08/25:2005)

 ★★★★

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カズオ・イシグロノーベル文学賞を受賞しなければ、この小説を読むことはなかったと思います。実をいうと、私向きの小説とは思わなくて、この作品に関してはあまり興味がなかったのです。実際に読んでみて、これは簡単な小説ではないなと思いました。分かりやすい内容であるにもかかわらず、よくわからない部分もあるという不思議な小説だと感じました。

 

この小説は、「臓器提供のためだけに造られたクローン人間がいる世界を考えてみよう」という一種の思考実験です。そういう価値観を持ったパラレルワールドだと考えることもできますし、現実的に臓器売買の問題を暗示していると考えることもできます。何らかのメタファーであると考えてもよいのですが、作者が敢えて設定したこの世界に意味があるような気もします。

 

この小説は、語り手のキャシーとルースとトミーの複雑な三角関係を中心に展開されますが、読み進めていくうちに、細部の一つ一つに何か象徴的な意味があるように思われてきて考えさせられる、読者に過度の想像力を要求する小説だと感じました。そこを丹念に読みこんでいくと時間がかかりますし頭が疲れますので、今回はあまり深く読むことができなかったように思います。

 

作者は、「臓器提供のためだけに造られたクローン人間がいるパラレルワールドが存在するとしよう。あなたはその世界ではクローン人間として生まれたと考えてみよう」ということを読者に要求しているように思われるのです。そういう風にして、この作品世界に没入しないとこの作品は分からないように感じました。

 

特に印象に残ったのは、湿地で座礁した漁船の場面です。あのうち捨てられた漁船の意味するものが何なのか、よくわからかったからです。トミーが描く機械的な架空動物も興味をひきました。

 

「本当の愛」というのも考えさせられます。「本当の愛」とは何なのでしょうか? 「本当の愛」は存在するのでしょうか? 私には分かりません。クローン人間に魂(心)があるのかという問いかけも考えさせられます。クローン人間にも魂があるのだということを自明としない社会というものに対して戦慄させられるからです。このクローン人間に当てはまるメタファーが色々思い浮かんできます。

 

あまり感情を表に出さない語り手の控え目な語り口も、作者が作者なだけに注意深く読む必要があるのではないかと神経を使わされますが、ラストシーンはさすがにじんわりときました。

 

久し振りに厄介な小説を読んでしまったなというのが正直な感想です。しばらく寝かせておいて読み返してみたいと思います。

 

 

 

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

 

 

 

 

 

 

 

カズオ・イシグロの『日の名残り』を読んでみた

11月の読書録01ーーーーーーー

 日の名残り

 カズオ・イシグロ

 土屋政雄

 ハヤカワ文庫(2001/05/31:1989)

 ★★★★

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ずっと気になってはいるのだけれども、なかなかきっかけがなくて読まずにいる作家が何人もいて、その中の一人がカズオ・イシグロでした。

カズオ・イシグロは世界的に評価の高い作家ですし、映画化やドラマ化の度に話題になりましたし、これまでに読む機会は何度かあったわけですが、何か自分の中でもう一押しが足りなくて読んでみようという所までにはいたらなかったのです。

それが、今回のノーベル文学賞受賞の発表を受けて、これで読まなければたぶんもう読むことはないだろうと思って、ようやく読んでみようという気になりました。それで、まず、映画化もされて内容もだいたい分かっている『日の名残り』から読むことにしました。

今は『わたしを離さないで』を読み終えて、『わたしたちが孤児だったころ』を読み始めたところですが、一番興味があるのは『充たされざる者』です。ただ、これは長い小説なのでゆっくりと読むつもりです。

カズオ・イシグロノーベル文学賞受賞理由は「感情に強く訴える小説を通して世界と結びついているという我々の幻想の下に隠された闇を明るみに出した」ということですが、その辺りも心に留めて読んでいます。

この小説については〈The Remains of the Day - Wikipedia〉にていねいな解説があります。以下、そこで取り上げられているテーマに沿って、感想をダラダラと書き留めておこうと思います。

 

 

 

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

 

 

 

Dignity

英国人が最も大切にしている言葉の一つが “dignity” であると、何で読んだのかは忘れてしまいましたが、以前何かで読んだことがあります。この小説を読み始めてすぐに思い出したのがその事でした。この小説のキーワードの一つが “dignity” です。本書では「品格」と訳されています。

主人公=語り手である執事(butler)のスティーブンスが「偉大な執事」(a great butler)の条件として最重要視しているのがこの “dignity” です。彼の語る執事の実態や理想の執事についての言及を読んでいると、それは最早執事だけについて語っているようには思われず、英国人としての “dignity” を語っているように思われてなりませんでした。そして、現代の英国人とって “dignity” は既に過去のものになったのではないかという指摘にも感じられました。

スティーブンスは旅の途中で、執事の「品格」について語り、自分は「偉大な執事」になり得たか自問し、自分に言い聞かせるように肯定的に自答します。こういうときの人間は、だいたいにおいて自信を失っている場合が多いように見受けられます。

日本人の場合は、あるとすれば「品格」というよりは「職分」でしょうか。日本人は「職分を全うする」ことを理想とするところがあるように思います。“dignity” と「職分」とは少し違うように思います。

 

Banter

“banter” には「(悪意のない)冗談、冷やかし、からかい」という意味があります。本書ではおもに「冗談」と訳されています。英国では普通に使われているようです。

主人公は新しい主人である米国人のファラディ氏のために「冗談」を言う練習をするのですが、練習をするという時点で、その冗談は面白くなさそうです。「品格」をアイデンティティとしてきた主人公の生真面目な性格とは真逆な感じがします。

主人公は、最後に「冗談」は「人間の暖かさの鍵」(the key to human warmth)なのだということに思い至ります。それは、気のきいた冗談を言えない自分自身に人間としての暖かみが欠けていたことを認めることでもあります。

この小説は「超イギリス小説」なのだそうですが、敢えて日本的に考えると、経営不振に陥った日本企業が外資系企業に買収されて、米国から社長を迎えたのだけれど、生え抜きの専務は生真面目な仕事人間でジョークが分からないみたいなシチュエーションを想像して喜劇的な感じがします。

 

Social constraints

当時の英国社会のルールでは、この小説のエピソードにあるように、召使いが結婚して子供を望むならば、職を辞さなければならなかったようです。それが、ここでいう「社会的制約」(social constraints)のようです。

結婚は、スティーブンスが理想とする「偉大な執事」とは両立しません。それが、スティーブンスの頭の中から結婚という選択肢を追い出す結果になってしまいました。

これも日本的に考えると、仕事をとるか家庭をとるかみたいなことを連想してしまいます。日本人から見ると、スティーブンスは昭和的な仕事人間とどうしても重なってしまいます。

 

Loyalty and politics

これについては、「六日目──夜」のウェイマスで出会った元執事の老人にスティーブンスが語る言葉に集約されています。

「〈前略〉私は選ばずに、信じたのです。私は卿の賢明な判断を信じました。卿にお仕えした何十年という間、私は自分が価値あることをしていると信じていただけなのです。自分の意思で過ちをおかしたとさえ言えません。そんな私のどこに品格などがございましょうか?」

 スティーブンスが仕えたダーリントン卿は、第二次世界大戦前に英国紳士の立場から対独逸宥和政策のために尽力し、ナチス政権に利用されたあげく、戦後は名誉が回復されることなく失意のうちに自殺してしまいます。ダーリントン卿は紳士としての徳は高かったのですが、時代の変化を読みとる能力がありませんでした。

スティーブンスの考える執事の品格とは、崇敬するに足る立派な主人を選んでその主人に忠義(loyalty)を尽くすことでした。執事が主人の政策(politics)の是非を考えるという発想がありませんでした。結局、スティーブンスはダーリントン卿の品格に心酔し信じたところで思考停止してしまったのです。ダーリントン卿がイギリス社会から否定されたことは、スティーブンスにとっては自分自身の執事のキャリアを否定されたことに他なりません。

しかし、これは仕方の無いことだと思います。誰もが正確に時代の変化を読み取れるわけではないですし、ダーリントン卿は間違えたけれども愚かだったとは思いません。大きな時代の流れの中では、どんな人でも翻弄されてしまうものだと思います。我知らず間違った方向に流されてしまうこともあると思います。

そうした中では、たとえ有能であろうと一介の執事では、いずれにしてもどうしようもないことだったと思います。スティーブンスは自分が選ばなかったことを恥じていますが、彼が主人の考えに反対して説得できるとは思えませんし、彼の性格ではドライに主人を見捨てることも出来ないでしょう。それが彼の執事としての限界でしょう。信じるということは、判断を放棄することに他なりません。

これも日本的に考えると、会社に忠義を尽くす昭和的な仕事人間を連想させます。こちらは会社のためなら法を犯すことも厭わない感じがします。判断停止や思考停止は感覚を麻痺させます。

 

Love and relationship

この小説で主人公が語るおもな人物は、現在の主人であるファラディ氏、元主人であるダーリントン卿、父親のスティーブンス・シニア、元ハウスキーパーのミス・ケントン(現ミセス・ベン)の四人です。

このうち、ファラディ氏は「冗談」に関する悩みとして、ダーリントン卿は「忠義」の末の執事人生の否定として、父親は「品格」の体現者として語られています。

ミス・ケントンについては、現在のダーリントン・ホールの人手不足を解消する最適な人材として語られます。そして、過去の回想の中では「優秀なプロとしての関係」(excellent professional relationship)が強調されています。バトラーは男性使用人を、ハウスキーパーは女性使用人を、それぞれ統括する立場にあるので両者の良好な協力関係は舘の運営を円滑に進めるためにも欠かせません。

スティーブンスの回想を読んでいると、最初は二人が対立しているかのような印象を持ちますが、次第にミス・ケントンはスティーブンスを慕っていることが感じられてきます。しかし、スティーブンスはそれを拒絶しているかのようです。

スティーブンスは、執事の「品格」を追求するあまり、私生活が全く無くなってしまっています。彼は四六時中全的に執事であり続けようとしています。彼は自分の感情が個人的なことで揺さぶられることを恐れているかのような印象を受けます。そうした生活が彼の心を摩耗させたのは無理もないことだと思います。

スティーブンスは、ミセス・ベンとなったミス・ケントンからの手紙から彼女の結婚生活が上手くいっていないこととダーリントン・ホールに戻りたがっていることを読み取ります。そこで、ミス・ケントンに直接会ってそれを確かめるために旅に出るわけですが、途中でそれは単なる希望的観測に過ぎないのでは無いかと気がつきます。現在のスティーブンスは長年の執事人生で、かなり心が弱っているという印象を受けます。心が弱ると希望的観測で物事を考えがちになるものです。

思えば、スティーブンスは孤独な人です。父親の死については語られましたが、家庭的な言及はありません。執事仲間との交際も語られましたが、親友がいるようには思われません。そして、恋愛についても、間違いなく彼もまたミス・ケントンに特別な想いを寄せていたにもかかわらず、自らそれを封印してしまいました。彼から執事をとったら何も残らないようです。

これも日本的に考えると、仕事をとったら何も残らない定年間近の会社人間を連想させます。

 

Memory and perspective

イシグロ作品について語られるとき「信頼できない語り手」(unreliable narrator)という言葉がよく使われるようです。そして、この小説はその代表的な作品とみなされているようです。ノーベル文学賞の受賞理由もこの辺りのことを指しているのでしょう。

人間の記憶は常に正確であるとは限りませんし、時間が経つと曖昧になり変質していくものです。また、自らの過去を他者に語るとき、都合の悪いことを誤魔化したり、思い出を美化したりしてしまいがちです。

人が脳によって認識する世界は人によってそれぞれ異なります。人はそれぞれ脳の中にある異なる世界観の中に住んでいるといってよいでしょう。近い世界観の人もいれば遠くかけ離れた世界観の人もいます。同じ世界に生きているというのは幻想に過ぎません。

スティーブンスは過去を回想しますが、それはスティーブンスの記憶を彼の主観で語ったものであって、正確なものでも客観的なものでもありません。読者は、最初のうちは彼のキャラクターが分かりませんから、彼の言葉を信用するしかないのですが、彼のキャラクターが分かってくるにつれて、その言葉を真に受けてはならないことに気づかされます。そして、彼が誤魔化そうとしたことこそがこの小説のテーマだということが分かってきます。

この小説の場合は、スティーブンスの執事としての「品格」が、彼に本音を語ることをためらわせているのだと理解することができます。ダーリントン卿に関する言及もそうですし、ミス・ケントンに対する想いもそうです。それに、彼自身の「老いによる衰え」があります。

父親に関する回想は「品格」の体現者として尊敬すべき父親像とともに、晩年に衰えて満足のいくサービスができなくなり、最期は仕事中に倒れて亡くなってしまうエピソードが語られます。そこに自身の老いによる衰えが重ね合わされていることは明らかなのですが、彼はそれを認めようとはしません。

彼の潜在意識は、これらのことを既に認めてしまっているのですが、彼の自意識が抵抗しているように見受けられます。彼は過去に逃げ込みたがっています。彼の心はもう疲れ切ってしまっているからです。彼のミス・ケントンに会うための旅は最後の抵抗だったのでしょうか。潜在意識では答は分かっていたのではないでしょうか。

ミス・ケントンに会ってからウェイマスでの語りまでに丸二日間の空白があります。彼のショックの大きさがうかがわれます。ぼう然として何も考えられなかったことを表しているのかも知れません。全ては遅すぎたのです。最初から分かっていたことです。

  

 


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The Remains of the Day (First edition)

 

 

 

Perhaps, then, there is something to his advice that I should cease looking back so much, that I should adopt a more positive outlook and try to make the best of what remains of my day

 

ウェイマスの桟橋で出会った元執事の老人から「夕方が一番いい時間なんだ」(The evening's the best part of the day)とアドバイスされたスティーブンスは、老人と別れた後、桟橋のあかりが点灯するのを待ちながら彼のアドバイスについて検討します。

老人のアドバイスは、後ろばかり向いていないで前を向いて残された時間を最大限楽しめというものです。多くのことや大切なことを無駄にしてしまう人生もあるでしょうが、どんな人生でも自分で否定してしまってはそこまでです。少なくとも彼は彼の人生を彼なりに全力を尽くしてきました。それは恥ずべきことではありません。彼はそのことを確認します。

そして、残された時間を最大限楽しむことに関しては、新しい執事の任務としてジョークの練習に取り組むことに決意を新たにします。執事を取れば何も残らない彼に引退の選択肢はありません。彼もまた彼の父親と同様に死ぬまで執事であり続けるのでしょう。彼にとって今回の旅は現実を受け入れて前に進むために必要なものだったようです。最後まで、より良い執事であることを目指そうとするスティーブンスには “dignity” があるように感じられました。

 

 

この小説を読んで、大きな感動を呼ぶという感じではなかったのですが、じんわりとした共感を覚えました。正統派の小説らしい小説を読んだという印象ですが、今の私にとって必要な小説という感じではありませんでした。つまり、読んで良かったとは思いましたが、今まで読まなかったことを後悔するほどではなかったということです。一度読んだだけでは、読み間違いや読み落としがありそうな構成なので、何年か経ったらもう一度読んでみようかと思いました。

 

 

 

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

 

 

 

 

 

 

 

室蘭でブラタモリ(3/3)

ブラタモリ』#91室蘭(3/3)

工業都市室蘭を生んだ奇跡とは?


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🐻なぜこの坂がムロラン地名発祥の坂なのか?

室蘭でブラタモリ(2/3) - 森の踏切番日記の続き

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それしか無いよね。


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江戸時代の絵図

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草彅「各地に出先機関となる会所が置かれていました」

 


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ロシアに対する警備のため江戸幕府は、松前藩に任せていた蝦夷地支配について、

1799年、東蝦夷地を直轄領とし、

1807年、西蝦夷地を直轄領とした。


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現在の室蘭市には、モロランとエトモに会所があったようだ。

蝦夷地では会所、西蝦夷地では運上屋といったようだ。

 


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「交易」ねえ。

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松前藩時代の実態は巧妙な植民地政策だったと云われている。幕領時代のアイヌ救済、同化政策も不徹底だったと云われている。

幕領時代の蝦夷地全体のアイヌの人口は最大で21000人台、平均15000人台だった。江戸時代の終わり頃から人口が急減した。

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よかったんでしょうね。

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谷中「ずっとまわって函館の方までつながっている」


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近江「交通の要衝だったんですね」


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更に?

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丘の上にアイヌの人たちの集落があった。

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草彅「遠浅の砂浜だったんです」

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しかも、それだけではなかった。

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草彅「十分な水深のある港が必要になりました」

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草彅「時代をこえて良港であり続けたんです」

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草彅「ついに工業化の時代を迎えます」

 

 

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三井グループです。

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勤続40年

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早速、近江アナに質問。

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ここは製鋼所。

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室蘭市には他に、新日鐵住金室蘭製鐵所があります。こちらは北海道で唯一の(鉄鉱石から鉄を取り出すところから最終製品の製造までを一貫して行う)「銑鋼一貫製鉄所」です。

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近江(???)

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近江「鉄を…(???)」



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製鉄の過程なんて普通は知らんよなあ。

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髙田「今まさに作業してます」

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鉄と炭素との合金で、炭素含有量が0.04~2.0%のものを鋼(はがね steel )といいます。製鋼所は、鋼を鍛える工場。

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髙田「赤いのを叩いて形を変えていく作業」

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タモリさんも近江アナも製鋼所初体験。

普通は製鋼所に入ることなんかは無いよなあ。


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鉄は鉄の酸化物を炭素で還元して作ります。高炉で鉄鉱石とコークスを用いて製鉄を行うと4%前後の炭素を含む「銑鉄」ができます。これは融点が低いので鋳造には向いていますが、展伸材用にはもろくて不向きです。

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そこで、銑鉄をもう一度炉に入れて、炭素を適度な量にまで減らして「鋼」にするのが間接製鋼法です。銑鋼一貫製鉄所では、ここまでの過程を一貫して行うわけですが、日本製鋼所では、製鋼だけに特化して製造しているわけです。

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砂鉄を原料とする日本古来の製鉄法では、温度が低かったために、鉄は2%以下の炭素を含む鋼になりました(直接製鋼法)。

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日本刀の原料となる玉鋼は、叩いて延ばして、それをたたんでまた打ち延ばす、という操作を繰り返すことによって、炭素量を0.6%まで減らして、日本刀の外皮向きに調節されます。これを「鍛錬」といいます。(日本刀の製造工程は単純ではないのでここでは詳しく説明できません)

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ですから、規模が違うだけで、やってることは同じと言えば同じなわけです。

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髙田「それを大きなプレスという道具で押している」

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熱さに耐えきれず一同退散。

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草彅「でも、そもそも室蘭はどうして鉄のまちになったんでしょう?」


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1872年(明治5)元室蘭(さっきの坂の所)で室蘭海関所業務開始(室蘭港開港)

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1889年(明治22)北海道炭礦鉄道会社設立される。幌内炭鉱などの払い下げを受ける。翌年から、夕張炭鉱などを開設、炭鉱から港までの鉄道を建設、室蘭港などを石炭の積み出し港として整備、石炭運搬用の船を所有していく。

1906年(明治39)北海道炭礦汽船株式会社に社名を変更。(三井財閥系)

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つながった?

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砂鉄なんですか?


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1907年(明治40)株式会社日本製鋼所設立される。

1909年(明治42)輪西製鐵場(現在の新日鐵住金室蘭製鐵所)が操業開始。


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高さが必要だったので高い工場ができた。

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丸いタンクがある。

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アームストロングといえば…

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ですよね~。

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でかっ!

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熱処理するときには立てないといけないのだそうな。

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戦艦陸奥1920年(大正9)進水。長門とともに海軍の象徴的存在だった。1943年(昭和18)6月8日、柱島沖で主砲火薬庫からの原因不明の爆発事故により沈没。吉村昭の『陸奥爆沈』で読んだことがある。

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戦艦長門。1919年(大正8)進水。陸奥とともに海軍の象徴的存在だった。敗戦後米軍に接収され、原爆実験の標的艦にされ沈没。


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民需から防衛機器まで幅広い事業内容。

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風力発電事業にも参入している。敷地内に茶津風力発電所がある。(祝津風力発電所室蘭市の所有で三菱重工製)

 


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ですねえ。



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ニコニコ

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前夜も食したと見た。

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焼き鳥だけど豚肉?

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近江アナは両親ともに土佐だし、意外とお酒強そうだな。

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なんかおいしそう。

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なるほど。


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タモリ倶楽部ならねえ。

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収録が終わってから、お酒も出たと見た。

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地球岬の断崖絶壁がお気に入り。

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なかなか面白そうな街でした。

 


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室蘭だけど、クラークか?

 

 

次回は

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岐阜でブラタモリ


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なんか楽しそう。

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🏯岐阜でブラタモリ(1/3) - 森の踏切番日記

 


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室蘭洞爺湖

洞爺湖でブラタモリ(1/3) - 森の踏切番日記

洞爺湖でブラタモリ(2/3) - 森の踏切番日記

洞爺湖でブラタモリ(3/3) - 森の踏切番日記

 

 

 

 

 

室蘭でブラタモリ(2/3)

ブラタモリ』#91室蘭(2/3)

工業都市室蘭を生んだ奇跡とは?


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🌏地球岬の断崖絶壁の成り立ちの秘密とは?
室蘭でブラタモリ(1/3) - 森の踏切番日記 の続き

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タモリ「凝灰岩ですか?」

山岸「正解です」


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火山灰が凝って固まった岩

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タモリ「これはすごいね、この光景は」


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タモリ「色がちょっと変わってきましたよね」

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タモリ「これ脆いですか?」

山岸「脆いです。ボロボロですね」

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水冷破砕岩! なんか強そうな技っぽい。

 


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これかあ。


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草彅「水で急激に冷やされたマグマが粉々になり、後に固まったもの」

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なんと。


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森田氏、無断使用を謝罪?

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知床も熱海も

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タモリ「今度ごちそうしないといけない」

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地球岬灯台が見えてきた。


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凝灰岩でも水冷破砕岩でもない。

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タモリ「こっちはそんなに脆くない」

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近江(がんみゃく?)

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岩脈は、地層や岩石の割れ目にマグマが貫入して板状に固まったもの。

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草彅「水中火山の形をつくります」

草彅「そして噴火が収まるとその中には」

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火山の中ね。

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草彅「波で削られます」

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なるほど~。

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近江「ず~っと岩脈なんですか?」

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岩脈が何本かある。

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タモリ「すごいことですね、先生」

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で~も、でもでも…

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水中火山が隆起しただけでは陸続きにはならない。

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ということで…

 


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イタンキ浜です。下の画像に見える現地の案内板によると、イタンキは「椀」という意味だそうです。鳴り砂で有名な海水浴場だそうです。


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半島になった理由は…

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タモリ「サーフボード持ってくればよかったな」

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あっさり。

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タモリさん鋭い。イタンキ浜は北海道のサーフィンのメッカだそうな。

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違うところ?

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鳴り砂だから、キラキラは恐らく石英か。

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芳沢「では近江さん、これを使っていただきたいと…」

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テッテレテーテテーぼうじしゃくぅ~


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気合いが入ってる。

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夢中かっ!

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クルクル回すとねって、おい!


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近江(カ・イ・カ・ン♥)

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近江(大漁だわ♥)

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砂鉄はどこからやって来た?

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草彅「砂鉄は溶岩や火山灰の中に含まれるに含まれる…」

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磁鉄鉱マグネタイト magnetite)

 


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草彅「近江さん、覚えてますよね」

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笑てるで。

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それは置いといて…

 


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いかにも砂がたまりやすい場所だ。

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タモリ「奇跡ですね」

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タモリ「火山の力はすごいです」

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近江「恵みもあるんですね」

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草彅「火山の奇跡にあふれていました」



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草彅「港の北側にやって来ました」

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室蘭発祥の地?

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モルエラニ→モルラン→モロラン→室蘭

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室蘭市崎守町388-16

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現地の案内板によると、アイヌ語で、モは「小さな」や「子」、ルは「路」、エは「そこを」、ランが「下る」、イが「所」という意味で、モルエランイ→モルエラニで「小さな坂を下った所」という意味になるそうです。

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芳沢「この坂が室蘭発祥の坂なんです」

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歴史に関して詳しい方?

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なんかメタボなおじさんが走ってきた。

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ハンマー投げ

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一体どうしてでしょう?

 


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次の記事へと続く

 

 

 

 

室蘭でブラタモリ(1/3)

ブラタモリ』#91室蘭(1/3)

工業都市室蘭を生んだ奇跡とは?


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近江(今夜はブラタモリ倶楽部?)

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いきなり薄暗い。


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タモリ「夕日ですよ」


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洞爺湖ロケと同じ日の夕方なんだろうな。


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二人とも室蘭は初めてだそうです。


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願望が口に出てる。


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工業都市なんだ。

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タモリさんの室蘭のイメージも製鉄だそうです。

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今回の旅のお題。

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なんかマッチョな先生出てきた。

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体育系クラブの顧問の先生かと思ったら、新聞局の顧問の先生のようです。

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室蘭栄高校は理系教育に力を入れている公立高校だそうです。安田顕の出身校だって。

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普通じゃね?

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洞爺湖で乗った船と比べたのかな?

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見てみましょう。

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白鳥大橋。高さ54m。クィーンエリザベス2世号の高さを基にして高さが決められたそうな。手前の祝津風力発電所白鳥大橋のライトアップの電力を賄っているのだそうな。

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東日本で一番大きなつり橋だそうな。室蘭の鉄でできているのだそうな。

ちなみに、日本一というか世界一長いつり橋は、もちろん、明石海峡大橋です。全長3911m。中央支間長1991m。主塔の高さ298m。長さのうち1mは、阪神淡路大震災で伸びた。


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タモさんお疲れ?

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エネオスでおなじみJXTGエネルギー㈱の室蘭製造所。

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安全のための作業灯です。


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近江「キラキラしてますね♥」


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室蘭は、かなり早くから工場の夜景を観光に取り入れていた、いわば、夜景ブームの先駆けなのだそうな。


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夜景スポットを巡るツアーは室蘭観光の目玉なのだそうな。

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芳沢「(室蘭が)これだけの工業都市になったのは偶然だけではない」

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芳沢「では、早速ですが室蘭ご案内したいと思います」

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今から?

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タモリ「ちょっと遅いですね」

近江「また明日」

 


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珍しい展開で始まりました


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今日は室蘭ブラタモリ

 


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翌朝。

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あれからやっぱりお酒を飲んだのね。

近江ちゃん夕べは楽しかったのかな?

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地球岬は渡り鳥のルートを狙ったハヤブサの営巣地で有名なのだそうです。

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ポロチケップ

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ポロチケップ→チケウエ→チケウ

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→チキウ岬→地球岬

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率直な感想

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タモリ「おお、高い!」

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タモリ灯台、いいですね」


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初日の出の名所だそうです。

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崖です。

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🔍地球岬展望台Google マップ

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ポロが「親である」、チケップが「断崖」という意味だそうです。

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断崖絶壁が約14km続いている。

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市街地が見える位置に移動しました。

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でも、それだけではありません。

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後ろに見えますのは「幸福の鐘」です。室蘭には白鳥大橋のたもとの祝津臨海公園にも幸福の鐘があります。幸福の鐘が二つも。欲張りさん。

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タモリ「湾イン湾」

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体で表現?

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いきなりシャツを脱ぐ芳沢先生。

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筋肉ネタ?

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はあ。

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このポーズからの…

 

 


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ム・ロ・ラン!

(出典:「なかやまきんにくんのカッコイイ筋肉」と「オードリー春日のカッコ悪い筋肉」 : 筋肉速報

 



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率直な感想

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ホントに?

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練習する?

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おお、タモリのコマネチだ!

 


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高い崖がどのようにして生み出されたか?

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近江「崖が多いですね」

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地形地質に詳しい方?

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なんか面白そうな先生出てきた。

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北海道の地質を調べて50年

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ということで…

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次の記事へと続く



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近江アナによる正しい室蘭ポーズ

地球岬では室蘭ポーズで記念写真を撮ろう?

 


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工場と白鳥大橋

 


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地球岬。何かと思ったら公衆電話だった。

 


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地球岬で気になるのは「おみやげの店シナダ」で売っている「炎の毒まんじゅう

 

 

 

 

📄ブラタモリこの記事の前

ものづくり名古屋でブラタモリ(1/3) - 森の踏切番日記

ものづくり名古屋でブラタモリ(2/3) - 森の踏切番日記

ものづくり名古屋でブラタモリ(3/3) - 森の踏切番日記



 

 

 

蔵本由紀著『非線形科学 同期する世界』~体内時計と時計遺伝子など

10月の読書録07ーーーーーーー

 非線形科学 同期する世界

 蔵本由紀

 集英社新書(2014/05/21)

 ★★★☆

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本書は、2007年に刊行された『非線形科学』(集英社新書)の続編にあたる。この前作については、ちょうど去年の今頃の読書録で紹介した(➡経験世界の非線形科学 - 森の踏切番日記)。引き続き本書を読もうと思っていたのだが、気がついたら一年経っていた。月日が経つのは早いものだ。前作は非線形現象全般を紹介する非線形科学入門書という感じの内容だったが、本書は非線形現象の中でも特に著者の専門である「同期現象」にテーマを絞って、前作の〈第四章 リズムと同期〉を更に詳しく解説した内容になっている。

※リズム~規則的に繰り返される現象、周期現象

※同期(synchronization)~複数のリズムのタイミングが合うこと

 

同期現象は自然界に偏在するありふれた現象なのだが、「全体が部分の総和としては理解できない」典型的な非線形現象なので、「全体が部分の総和として理解できる」線形現象を扱ってきた従来の数理科学の手法ではなかなか解明できなかった。それが20世紀の後半になって、カオス理論や複雑系の科学の登場とコンピュータの進化によって、非線形現象を数学的に記述する手法が考え出され、理論的に扱うことが可能になったのである。同期現象は生命科学とも密接な関係があり、また人工システムの様々な分野にも応用が期待される。同期現象の科学は21世紀の科学なのである。本書では、同期現象の数理面に携わってこられた著者が様々な分野の研究内容を紹介されていて興味深い。以下、本書の内容を簡単にメモしておこうと思う。

 

 


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第一章  身辺に見る同期

◼同期現象を初めて科学的に考察したのは、「ホイヘンスの原理」でおなじみのクリスチアーノ・ホイヘンス(1629-1695 オランダ)。1656年、振り子時計を初めて実際に製作したホイヘンスは、1665年に、壁に固定された二つの振り子時計が「共感」することを発見した。

 

メトロノームの同期実験→揺れやすい板の上に置かれた二つのメトロノームの振り子は同期する。

※位相(phase)~周期現象において一周期中の位置を示す無次元量

※結合振動子~相互作用で結びついている振動子(リズムの担い手)の集まり

※自然周期~振動子が本来持っている周期

(自然周期が完全に一致しない限り、同期するためには適当な相互作用が必要)

※同相同期~二つの振動子の位相差がゼロである同期(メトロノームの同期)

※逆相同期~二つの振動子の位相差が半周期ずれる同期(振り子時計の同期)

 

◼1877年、「アルゴン(Ar)の発見」でおなじみのレイリー卿(ジョン・ウィリアム・ストラット 1842-1919 英)が「音波が(逆相に)同期すること」を発見した。

→パイプオルガンの音程の近い二本のパイプを近づけて並べ、同時に音を発生させると、二つの音程が完全に一致するうえに、二つの音が打ち消し合って、消え入るほどの音になる。

 

◼ロウソクの炎の同期実験

ロウソクの炎の振動の同期 - YouTube

 

◼音の同期には、音波の振動が同期する場合の他に、音の強弱が周期的に変動するリズムが同期する場合がある。代表的な例が動物の鳴き声。

→二匹以上のオスコオロギが寄り集まると、鳴き声が揃い(同相に同期して)コーラスになる。一方、二匹のカエルに発声をうながすと交互に鳴く。つまり、逆相に同期する。それでは、三匹になるとどうなるか。

※フラストレーション~二者の最も安定した関係が三者以上になると実現できなくるような状況のこと。

そこにどのような「妥協」が成立するかが研究対象になる。

 

◼日常生活に密接に関係しているリズムの一つに体内時計(概日リズム circadian rhythm )がある。

※地球の自転による昼夜のリズムは安定した周期現象であり、生物の体はそれを明暗のサイクルとして感じる。これに同期する体内時計は、究極的には遺伝子発現の周期的変動に由来する。つまり、細胞内分子の離合集散のリズムが天体運動のリズムに歩調を合わせている。そして、これら二つのリズムの仲立ちをするのが光なのである。

※かつて、ヒトの体内時計は25時間周期だと考えられていたが、この根拠となる実験には不備があり、20世紀末に行われた新しい実験の結果、ヒトの体内時計の自然周期は平均値が24時間+11分であり、個人差も小さいことが分かった。

※鳥や昆虫にとって体内時計は方位を知るための「太陽コンパス」の役割も果たす。

 


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第二章  集団同期

◼集団リズム~多数の振動子の位相が揃う現象

  • メトロノームの集団同期
  • ミレニアム・ブリッジ騒動
  • 聴衆の拍手がひとりでに揃う現象
  • ホタルの集団の発光の同期

『非線形科学』メモ(2) - 森の踏切番日記YouTube の動画のリンクがあります)

※集団リズムは、リズムを担う対象にかかわらず、ミクロリズムが多数寄り集まりさえすれば、一つの大きなリズム (マクロリズム)を自律的に生み出す。つまり、普遍的な現象である。

※各振動子が他の全ての振動子と同じ強さで結合する「平均場のモデル」を考える。平均場のモデルが適用できる集団では「個と場の相互フィードバック」が分かりやすい形で実現される。つまり、平均場が各振動子の動きを支配すると同時に、各振動子の動きの全体が平均場を作り出す。

→このフィードバックには、正のフィードバックと負のフィードバックの両方が含まれる。このような相反するフィードバック機構を内在させたシステムには、プラス傾向とマイナス傾向の相対的な優位性が逆転する臨界点が存在する。集団同期によって静かな集団状態から振動する集団状態に突然変化する現象を「同期相転移」と呼ぶが、この突然の転移はその臨界点で起こる。

→この現象を数学的に記述するモデルを理論生物学者のウインフリが考え出したが、不十分なものだった。著者がこのウインフリのモデルに修正を加えて作り出したのが「蔵本モデル」と呼ばれる数式(位相差の正弦関数)で、同期相転移の存在を理論的に示すことに成功した。

 

◼振動子ネットワークとしての電力供給網

※電力ネットワークの安定性の研究への応用

(同期の破綻は大規模停電につながるおそれがある) 

 


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第三章  生理現象と同期

集団リズムとしての心拍

※心拍のリズムは右心房上部にある洞結節と呼ばれる部分にあるペースメーカー細胞集団によって生み出される。そのリズムは刺激伝導経路を通じて心室に伝えられ、同じリズムでの心室の収縮によって血液が全身に送り出される。ペースメーカー細胞集団は外部から受ける刺激により不規則に揺らいでいる。(つまり、ドキドキしたりする)

※少しの刺激で一過的に強く応答する性質を「興奮性」という。興奮現象は、細胞膜とそれを取り巻く環境の電気化学的性質に由来する。(膜電位の一過的な大変動が興奮)

※心臓の細胞のうち、大多数の細胞は発振能力を持たない興奮性細胞である。筋肉細胞や神経細胞なども興奮性を持つ。興奮を何度も繰り返すようになった細胞がペースメーカー細胞だと云える。これは細胞が振動子としてふるまうことを意味する。(膜電位の振動)

※正常な心臓では、ペースメーカー細胞群が送り出すリズムが刺激となって、興奮性細胞も同じリズムで活動し、全体として同期している。心臓が全体として同期できなくなる場合が、頻脈や不整脈

→興奮波が心室の小部分で渦巻きになって、そこだけリズムが速くなった状態が頻脈の症状で、それが引き金になって心室全体がカオス状態に陥ってしまった場合が心室細動

→AEDは電気ショックによって、心室を電気的にリセットして正常な状態に戻す装置。

※正常な心筋に電気的衝撃を与えて渦巻き波を出現させることも可能。

※興奮性の場に関する研究の実験に使われるのがベルーゾフ・ジャボチンスキー反応(BZ反応)。

『非線形科学』メモ(2) - 森の踏切番日記YouTube の動画のリンクがあります)

 


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洞結節は右心房(right atrium)の上部にある

(right ventricle が右心室、aorta が大動脈、pulmonary artery が肺動脈)

 

 

体内時計と時計遺伝子

※哺乳類では、体内時計を生み出す中枢は脳の視交叉上核という部分にある。視交叉上核は米粒よりもずっと小さい二つの神経核が対をなしている。それぞれの神経核はおよそ1万個の神経細胞の塊で、それが約24時間周期の安定した強いリズムを送り出している。それらは「時計細胞」と呼ばれている。時計細胞のリズムは「遺伝子発現のリズム」に由来する。

→それぞれの遺伝子に書かれた情報に基づいて特定のタンパク質が合成されることを「遺伝子発現」という。一般に、ある遺伝子の発現は他の遺伝子の発現に影響を与える。これは、遺伝子どうしで相手の発現を促進したり抑制したりしていると見なすことができる。

→こうした相互調整によって、遺伝子のグループはネットワークを作っているが、このネットワークの活動が周期的に変動する場合がある。それが遺伝子発現のリズムである。

※網膜に入った光の情報は視覚野に送られるが、網膜には視覚に関係した光受容細胞とは別の光受容細胞があって視交叉上核にも光の情報が送られるので、視交叉上核は明暗のリズムを感じとることができる。

※肝臓、腎臓、心臓、脳など体の各器官にも時計細胞集団が分布している。これらの「時計」を末梢時計、視交叉上核の時計細胞集団を中枢時計と呼ぶ。末梢時計は明暗のサイクルを感じとることはできないし、それらのみで集団同期することもできない。それらは中枢時計のリズムに支配されている。末梢時計のリズムも遺伝子発現のリズムに由来する。

※概日リズムを生み出す基本的なしくみは、すべての時計細胞で共通している。その際に中心的な役割を果たしている遺伝子群を時計遺伝子と呼んでいる。 

→AはBを活性化させる作用があり、BはAを抑制する作用があるとする。Aが活性化するとBはどんどん活性化する。Bが活性化するとAは抑制される。Aが抑制されるとBの活性化が止まる。Bの活性化が止まるとAは再び活性化する。Aが活性化すると……

→時計遺伝子に正の転写因子と負の転写因子があり、活性化が進むと巡り巡って抑制作用が働き、この抑制作用が巡り巡って活性化をうながす、というフィードバックループが約24時間周期で繰り返されることによって概日リズムが生み出される。(このメインループとは別に逆位相のループもあり互いに連動している)

→体内の各器官にある末梢時計では、この中核的な時計遺伝子ネットワークが他のさまざまな遺伝子に働きかけ、それらから作られるタンパク質の量を周期的に変化させている。

→たとえば、脳内の松果体と呼ばれる小さな内分泌器官ではメラトニンというホルモンが作られるが、その分泌は夜間に盛んになり人を眠りに誘う。

→ある時間帯にある決まった生理機能が活発になったり沈静化されたりするためには、末梢時計が中枢時計と一定の位相関係を保つ必要があり、それは同期していてこそ可能。

 


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視交叉上核(SCN:Suprachiasmatic Nucleus

 


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松果体(Pineal gland)

(cerebral cortex は大脳皮質、hypothalamus は視床下部、pituitary gland は脳下垂体、optic chiasm は視交叉)

 

 

◼電気魚の集団リズム

電気魚が発生する電気信号のリズムほど精度の高いリズムはない。

 

◼細胞を振動させる機構には、膜電位の振動、遺伝子発現のリズムの他に細胞内に起こる化学反応の振動がある。中でもエネルギー代謝のリズムは重要。

※解糖~糖を分解してATP(アデノシン三リン酸)を作ること

※解糖反応の振動

※解糖する酵母集団の集団同期

※集団リズムを消失させる二大機構

  • 脱同期~振動子の位相がランダムにばらつく
  • 動的クオラムセンシング~すべての振動子が振動子として機能しなくなる

※クオラムセンシング(Quorum Sensing)~同種の細菌の生息密度に応じて細菌が産生する化学物質の量を調整する機構のこと。一部の真正細菌に見られる。緑膿菌が有名。動的クオラムセンシングは、クオラムセンシングの意味が拡張されたもの。

 

インスリン分泌のリズム

※インスリンを分泌するのは膵臓にあるベータ細胞と呼ばれる細胞。糖尿病1型は自己免疫のためにベータ細胞が壊されるタイプで、若年に発症するのが特徴。大半の糖尿病は2型で、さまざまな原因でインスリンの分泌が不十分になる。

※ベータ細胞も興奮性の細胞。興奮現象の電位パターンを活動電位というが、ベータ細胞の活動パターンは、突発的な活動電位の連続発射とその休止が交互に現れる。この突発的に現れる活動電位の束をバーストと呼ぶ。(このようなリズムは中枢神経系のニューロンにも広く見られる)

→インスリンは、バーストが続く限り放出され続け、バーストがやむと放出も止まる。ベータ細胞の振動周期は通常1~2分。

→ベータ細胞は膵臓内に散在しているランゲルハンス島の80%を占めていて、各細胞塊に約2000個あるが、このリズムは集団同期している。ただし、膵臓内に散在している約100万個のランゲルハンス島間では、このリズムは同期しない。

→ところが、膵臓全体からのインスリン放出量は周期的に変動する。その周期はベータ細胞のリズムの周期より長い。(2型糖尿病患者では、このリズムが乱れていると言われる)

→これは、バーストの発生停止のリズムより長い周期のリズムをそれぞれのベータ細胞が持っていて、そのリズムで全ランゲルハンス島が集団同期していると考えられる。実際、ベータ細胞は二つのリズムの複合的な活動パターンを示すことが分かっている。

(まだまだ未解明の部分があって詳しいことはよく分からない)

 

パーキンソン病の症状と集団同期

パーキンソン病は脳のニューロンが変質することによる。主な症状は、思うように動作ができなくなることで、大脳基底核に異変が生じることにより起こる。

→原因はドーパミンの欠乏。パーキンソン病ドーパミンを作り出す黒質緻密部と呼ばれるニューロングループが徐々に死滅していくために生じる。ドーパミンが不足すると大脳基底核の機能である運動抑制解除が難しくなる。

大脳基底核内部(視床下核)の振動子としてふるまうニューロンの集団が同期して集団リズムを生じる可能性が常にあるのだが、ドーパミンが不足すると、この集団リズム(ベータリズムという)を抑えることができなくなる。

→運動が抑制されるとベータリズムが生じるが、静止状態から運動状態に移るとき、健康な人ならばこのリズムは消える。それが、消えるべきときに消えてくれなくなるのがパーキンソン病の症状だと云える。

パーキンソン病の症状を改善する外科的治療法に脳深部刺激法がある。これは脳の深部(主に視床下核)に電極を埋め込み、高周波の電気刺激を送ることで、ニューロン集団のベータリズムを脱同期させる治療法である。

 


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大脳基底核(Basal Ganglia){尾状核(Caudate nucleus被殻(Putamen)淡蒼球(Globus pallidus)}

視床(Thalamus)扁桃体(Amygdala)側坐核Nucleus accumbens)


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大脳基底核の構造

視床下核(Subthalamic nucleus黒質(Substantia nigra)

 

 

第四章 自律分散システムと同期

※一般に、複雑なシステム全体を制御する方式として、集中管理的・中央集権的な制御方式と自律分散的・地方分権的な制御方式があるが、本章では後者に見られる同期現象が紹介されている。

 

中枢パターン生成器(CPG)が担う身体運動

※脊髄にある特別の神経ネットワークを中枢パターン生成器(CPG:central pattern generator)と呼ぶ。四足動物や人間の歩行パターンは、このCPGによって生み出されると考えられている。CPGは一種の振動子ネットワークと見なすことができる。大脳の関与なしにCPGが環境に適応する能力があることが実験によって示されている。

※生き物のロコモーション(空間移動)はCPGによって制御される。CPGは大脳とは独立に、自律的に身体運動の基本的パターンを生み出す。それに加えて、複雑に変化する環境にも適応できる能力も持っている。

(もちろん、視覚野などの大脳皮質が重要な役割を果たしていることも明らか)

ヤツメウナギが水中を移動する際の波打ち運動も脊髄のCPGによって生み出される。

※ムカデやヤスデなどの多足類の移動のメカニズムは、ミミズの蠕動による前進運動のメカニズムと本質的に同じ。ムカデやヤスデも足で歩いているというよりも蠕動運動で移動していると見る方が自然。(なので、考え過ぎて足がもつれて歩けなくなるということはない)

→これもCPGの活動によるもので、非常にシンプルな数式できれいに説明できるという。(『脚式と非脚の這行ロコモーションにおける運動モードスイッチング共通力学』黒田茂、田中良巳、中垣俊之)

 

◼自律分散システムとしての粘菌

※真性粘菌のアメーバ運動は完全な自律分散制御によっている。

変形菌 移動 - YouTube(by 星夢絵里亜)

 

◼真性粘菌変形体をモチーフとした大自由度アメーバロボットの研究(東北大学実世界コンピューティング研究室)

 

◼交通信号機のネットワーク

→自律分散制御方式の研究

※自律分散制御システムの特長は、したたかさ、打たれ強さ、回復力(レジリエンス)。

→一部が機能停止になっても集団全体の機能にあまり影響しない。

 

 

 

非線形科学 同期する世界 (集英社新書)

非線形科学 同期する世界 (集英社新書)

 

 

 

 

😺本書を読む直前に、今年のノーベル医学生理学賞が生物の体内時計の仕組みを発見した米ブランダイス大のジェフリー・ホール名誉教授ら三人に授与されることが決まったという報道があったので、グッドタイミングだった。本書では分かりやすく簡潔に解説されていたが、いろいろ調べてみると、実際のメカニズムは複雑なようだ(転写翻訳のネガティブフィードバックループという言葉とかが使われていた)。肝臓の体内時計に関する記事も見つけた。サーカディアンリズムをテーマにした本も読んでみたいと思った。

😺多足類の移動の研究やアメーバロボットの研究など自律分散システムの研究も興味深い。本書には出てこないが、東北大学実世界コンピューティング研究室の「自律分散制御によって駆動させるヘビ型ロボット」も面白そうだ。電力ネットワークや交通信号機ネットワークなど複雑な人工システムへの応用は複雑で難しいと思った。🐥

 

 

 

 

筒井康隆『着想の技術』を再読 ~商品としての価値が無くなった教養

10月の読書録06ーーーーーーー

 着想の技術

 筒井康隆

 新潮文庫(1989/09/25:1983)

 ★★★☆

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八月に筒井康隆の『創作の極意と掟』(講談社文庫)を読んだときに本書の事が出てきたので確認しようと思ったら手元になかった。未読だったかと思いブックオフ・オンラインで探して読んでみたところ読み始めた瞬間に内容を全て思い出した。というか内容は覚えていたのだが本書で読んだことを忘れてしまっていたのだ。図書館で借りて読んだのだった。こういう事がたまにある。図書館で本を借りまくって読み散らしていた頃に何を読んだか全ては覚えていないのだ。

 

 

 

本書は1979年(昭和54)から1981年(昭和56)にかけて発表された12編のエッセイを収録したものである。特に「虚構と現実」「夢──もうひとつの現実(虚構)」「楽しき哉地獄」の3編が印象深くよく覚えていた。この3編を含めて創作に関する内容のエッセイが多いのが本書の特徴である。この時期は著者が『虚人たち』(1981年4月刊行)を雑誌『海』に連載していた時期(1979年6月~1981年1月)と重なりこれまでのナンセンスブラックユーモアスラプスティックなどの作風から虚構性を突き詰めた実験的な小説を中心とした作風へと転換しようとしていた時期にあたる。

 

「虚構と現実」は『虚人たち』の連載が始まる直前に書かれたもので『虚人たち』のための創作ノートともいえる興味深い内容になっている。また「『虚人たち』について」はその『虚人たち』刊行後のNHK・テレビコラム「現代小説の実験」(1981年9月18日)からのもので分かりやすい自著解説になっている。この2編は『虚人たち』を読み解く上で参考になるエッセイである。

 

「夢──もうひとつの現実(虚構)」は雑誌『波』に連載された夢に関するエッセイである。前半は「夢──もうひとつの現実」と題され「現実の延長または理想的現実」として夢を論じた内容になっている。後半は「夢──もうひとつの虚構」と題され「無意識からのアイディアによって現実を再構成するという芸術などの創造過程と同じ働きをするもの」として夢を論じた内容になっている。

特に興味深くてよく覚えていたのは後半部の「小説化した夢」と「夢をもとにした小説」を紹介したパートである。「中隊長」「ながく連なった座敷」「温泉隧道」「傾斜」「熊の木節」「桃太郎と西遊記」「ふたりの印度人」など夢から着想を得て作品化されたものが紹介されているのだ。著者の短編小説に「鍵」という印象深い作品があるのだがこれも一部を夢から着想を得て描かれたものだということで納得したものだった。

夢といえば中高生の頃に読んだジュブナイルミラーマンの時間』だったと思うが夢の中でスーパーマンになって空を飛ぶのだがどういうわけか空中の見えない階段を上るような飛び方になってしまうという話があって似たような夢を見たことがあったので強く印象に残っている。学校の図書室で借りて一度読んだきりで今では内容をほとんど忘れてしまったのだがその部分だけ覚えている。著者の後の作品にも夢の中の浮遊感を感じさせる作品が幾つかあってそれも印象深い。

 

「楽しき哉地獄」は雑誌『SFアドベンチャー』に連載されたエッセイである。この中の「着想──わが『できそこない博物館』」はよく覚えていた。星新一の本に『できそこない博物館』というボツネタを集めてそれらが何故ボツになったのか解説した本があるのだがこのエッセイはその筒井康隆版なのである。この中の「酔っぱらい大突撃」や「人世に三人在れば」などは作品として読んだような気がするのだが気のせいだろうか。このエッセイの中でブラックユーモアの作品がますます書けなくなる傾向にあると嘆いておられるのが印象的。 

21世紀の日本においてはお笑い芸人のおふざけにすら差別的だとか言いがかりをつける良識ぶった連中が幅をきかせて全く気持ちの悪い時代になったものである。

「知の産業──ある編集者」は行き詰まりかけていた著者に作風を転換するきっかけを与えた編集者についての文章である。この編集者というのは当時雑誌『海』の編集長だった塙嘉彦という人である。この人が三カ月毎の『虚人たち』の連載の三回目直後に亡くなったことで著者は痛恨の思いをこめてその人の思い出を語っていたのが印象深くこれもよく覚えていた。

また「ジャンル──専門と専門家」などの舌鋒鋭く世間の阿呆どもを批判する文章は痛快でこの頃の著者は攻撃性において全盛期だったと言っても過言ではないだろう。これぞ筒井康隆という文章である。

 

今回読み返して印象に残ったのは「商品としての教養」と題された著者の書物感を述べた一編である。かつて書物が「毒」であり「危険物」だった時代があった。また「教養」であり「力」だった時代があり「知識」だった時代があったのだが今や「教養」は商品化され大衆化され娯楽化され消費され「知識」は「雑学」となり単なる「情報」となり「流行」に過ぎなくなった。書物には「娯楽」という一面もあるが「娯楽」と「教養」が等価となった時代においては「娯楽の教養化」が進みそれ故に水準の低下が進みついには本能的欲望(性と食)に向かう。このような社会・時代においては最早書物の「毒」「教養=力」「知識」は顕現され得ず書物は過去の書物のメタファーのパロディに過ぎなくなる。つまり読者の書物に対する意識構造の変化の方が書物そのものの変化以上に重要なのである。という感じの論旨なのだがこれは1981年に書かれたものである。

 

文化というのはそもそも毒でもあり薬でもあるものなのだ。毒にも薬にもならないものは文化とは云わない。殺人事件のような重大事件が起きたときそのきっかけとなった文化をうれしそうに攻撃する連中がいるが毒が回ってしまう奴も出てくるのが文化というものなのだ。毒だけを排除して利だけを得ようというのは虫が良すぎる浅ましい根性であると云わねばなるまい。「教養」と「知識」は別物である。「知識」はそれだけでは単なる情報に過ぎない。「教養」は人間に品格を与えるものであり「知識」を具体的な行動に活用するにあたっての規範となるべきものである。「教養」はやはり耕されなければならないものであり「知識」はそのための肥料でもある。従って両者は不可分の関係にある。21世紀の日本においては「教養」は商品価値が無くなってしまった感がある。元来「教養」というのは貴族階級(あるいは上流階級)の所有物でありアクセサリーの一種であった。それが大衆化されれば変質するのは必然だろう。人間というのは放っておけば出来る限り楽をしたがるものであり水は低きに流れるものである。民主主義が有効に機能する前提として知的市民階級の成熟が期待されたのだろうがそれが幻想に終わってしまえば民主主義が危機に陥るのも必然か。格差社会においては「教養」は再び勝ち組(新たなる上流階級)のステイタスとしての装飾品のひとつとなり下がり負け組(新たなる下層階級)は知的生活からは益々遠ざかることになる。知的生活から遠ざかるが故に彼らが知性を軽視する傾向が益々強まるのである。誰かさんの思うつぼ。「教養」が貴族階級(あるいは上流階級)の所有物であった頃学者の「知識」は「芸能」の一つに過ぎなかった。21世紀の日本において「知識」が「芸能」として扱われるのも無理ないか。21世紀の日本における書物の危機は読者の意識構造の変化以上に情報技術の革新的変化による方が大きいわけだからこれはもう抗えない変化であり書物という形態の文化は衰退するしかないだろう。今や読書はマイナーな趣味でしかない。やがて衰退しきった頃に希少価値が生まれ再び脚光を浴びたりするのではないか。

 

みたいなことをうつらうつらと考えた。私自身が読書を趣味としているのは子供の頃からの習い性に過ぎない。本を読むという行為自体に親しんでいるし心地よいというだけのことである。死に至るまでの退屈な時間が潰せれば何でもよいのである。私は今でも十分に知識欲はあるのだが今さら専門書を読むのは限りなく面倒くさい。私がよく読む一般向け解説書はお手軽なファーストフード的なエセ教養に過ぎないのだがそれで十分である。そこからあとは知りたいことをネットで調べればよいわけだし本格的にやろうとは思わない。

筒井康隆の作品やエッセイや日記などを読んだ後はいつも元気が湧いてくる。著者の攻撃的な筆致に影響されるとみえる。たまに読まないと具合が悪くなるような気がする。

 

 

 

 

夜と昼は

ネガとポジ

繰り返し訪れる 

 

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M.C.Escher “Day and Night”

 

 

 

 

本書の文庫版の解説は何故か女優の斉藤由貴である。以前読んだのは単行本だったのでこれは初見だった。1989年7月ということは彼女が22歳の時である。肩書きがアイドルではなく既に女優になっている。どうやら彼女が『虚航船団』に惚れ込んだという記事がきっかけで依頼されたらしい。本書は筒井康隆の本の中では比較的お堅い内容であり彼女が困惑している様子がありありとうかがわれて面白かった。ということでお約束のこの画像でも貼っておこう。

 

 

 

 


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着想の技術 (新潮文庫)

着想の技術 (新潮文庫)