森の踏切番日記

ただのグダグダな日記です/2018年4月からはマイクラ日記をつけています/スマホでのんびりしたサバイバル生活をしています/面倒くさいことは基本しません

水戸でブラタモリ

ブラタモリ』#61水戸

水戸黄門はなぜ人気があるのか?


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😽セリフが棒読みの黄門様御一行。

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ブラタモリ #60こんぴらさん』は、こちらになります➡こんぴらさんでブラタモリ(1/3) - 森の踏切番日記

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ここから「水戸でブラタモリ」始まり始まり
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タモリ水戸黄門はなぜ人気があるのかを探りに水戸まで来なきゃいけないのかね、大体」


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😽案内人登場。趣味は、お墓巡り。


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🐱徳川光圀は、元禄13年(1701)12月6日没。将軍綱吉の生類憐みの令が強化されていた頃。光圀は江戸っ子に人気があり、光圀が犬20匹の皮を剥いで将軍綱吉に送ったという俗説が当時広く信じられていた。(30匹、50匹、100匹と話が大きくなっている) 

 


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🐱水戸城は、佐竹氏が築城したものを再利用。

案内人「水戸藩は“そこにあるものを最大限に活用する”という精神を貫いている藩」

 

 

🔎徳川頼房 - Wikipedia
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徳川頼房(1603-61 威公)

水戸徳川家の祖。家康の第11子。


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🐱水戸徳川家は28万石で、尾張徳川家の61万石、紀伊徳川家の55万石に比べると格段に少ない。


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🐱これは、家康から何が欲しいか聞かれたときに、頼房は「天下」と答えたので、家康が物騒な奴だと頼房を警戒したからだという逸話があるそうだ。


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🐱水戸徳川家は、参勤交代がなくて江戸定府だった。これは、頼房が将軍家光から信頼されていて、家光が頼房を手放そうとしなかったためだと云われている。以後、水戸徳川家は江戸定府になったという。


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🐱これは、よくあることだな。

 


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🐱水戸芸術館。なんか見覚えがあるなと思ったら、磯崎新の設計だった。1990年2月竣工。バブル時代の遺産の一つだな。

 


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🐱頼房は、水戸城修築、城下町開設、領内総検地、藩法の発布、産業・交通・運輸・用水・新田の振興開発などをおこない、藩制の基礎を確立した。


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🐱頼房が開発した下町は、もともと湿地帯で井戸水が濁り、飲み水に適さないという問題があった。


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😽草彅「黄門さま~、出番ですよお」

 


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😽あ、これは昨日使ったやつだ。

 

 

🔎徳川光圀 - Wikipedia
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徳川光圀(1628-1701 義公)


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🐱光圀は、水戸の城下町整備拡張の一環として、笠原上水道の敷設、多くの社寺の移転などをおこなった。


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🐱光圀は他にも、飢饉対策に力を入れた民政、神仏分離を実行した宗教政策、大船快風丸を建造しての三回にわたる蝦夷地探検などの業績がある。


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近江「まろやか」


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😽近江(私に振らないで💦)


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😽たどたどしい解答。


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😽小学生かっ。


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😽採点甘くね?


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🐱こういう事ですね。


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😽禁不動堂上食肉乱行。


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😽近江(夜陰?)


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😽いたんだろうな、やった奴が。


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草彅「続いてタモリさんがやって来たのは水戸駅近くのとある場所」


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😽恒例のヘルメット装着。


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😽今は、スーパーではない「ひたち」だそうです。


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タモリ「列車通過」


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😽満足げな森田氏。


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タモリ「よ~し」


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😽気が付いた乗客はビックリだよ。


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😽近江ちゃんは、女子アナではヘルメット装着率が一番高いだろうな。


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😽光圀、自分では探さないでしょ。


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🐱近江ちゃんに代わって調べました。


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🐱光圀は、藩主就任直後の寛文2年(1662)、町奉行・望月恒隆に水道設置を命じたそうです。


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🐱実際に工事を担当したのは、草彅クンではなくて、永田勘衛門とその息子だったそうです。およそ一年半の工事で完成し、以後修復を重ねながら、明治時代に近代的な水道設備が導入されるまで利用されたそうです。


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😽近江「御隠居さま、頭にウグイスが」

😽タモリ「ほ~ほけきょ」

 


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タモリ「水戸といえば弘道館ですよね!」

案内人「今でもこの正門が開くのは毎年偕楽園の梅まつり」


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案内人「ですが、本日は特別に開けて頂くようになっておりますので」

タモリ「藩主並の待遇をありがとうございます」


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タモリ「自動ですね」


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🐱『大日本史』、神武天皇から後小松天皇までの百代の天皇の治世を編纂した歴史書。南朝正統説。


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🐱紀伝体を採用、本紀73巻、列伝170巻、志126巻、表28巻、目録5巻、合計402巻。

 

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🐱明暦3年(1657)に編纂を開始し、享保5年(1720)に本紀、列伝を完成して幕府に献上。(本紀と列伝の大体は、光圀在世中にできていた)


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🐱その後さらに改訂を加えて、文化7年(1810)には朝廷に献上。嘉永年間(1848~53)に100冊本として刊行された。


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🐱志、表は明治39年(1906)に完成した。

 
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🐱水戸藩ではこの編纂事業のために彰考館を設置し、多数の学者を動員して史料の収集や校訂をおこなった。この学者たちが史料の収集のために各地を廻ったことが水戸黄門漫遊記の下敷きになっていると云われている。


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案内人「火のない所に煙は立たない」

タモリ「ちょっと、それは言い方が違う!」

 

 

🔎徳川斉昭 - Wikipedia
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徳川斉昭(1800-60 烈公) 


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🐱徳川斉昭には、野心家、陰謀家という評価もある。


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🐱水戸黄門漫遊記は、幕末の講談で流行ったそうだが、現在知られている、格さん・助さんをお供にした形になったのは、明治時代になってからだそうだ。光圀の家臣の佐々宗淳が助さん(佐々木助三郎)、安積憺泊が格さん(渥美格之進)のモデルということになっている。

 


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🔎偕楽園Google マップ


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偕楽園表門(Wikipedia, public domain)


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タモリ「快楽園みたいだけどね」


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😽徳川斉昭には37人も子供がいたそうな。そのうちの一人が、一橋家の養子になった慶喜(第七子)。かなりスケベな殿様でもあったらしい。


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偕楽園の竹林(Wikipedia, public domain)


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偕楽園の梅林(Wikipedia, public domain)


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偕楽園好文亭Wikipedia, public domain)


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偕楽園の梅林(Wikipedia, public domain)


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弘道館で学問に取り組む。そして、偕楽園で心と体を休める。弘道館偕楽園は切り離すことのできない教育施設だった。


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陰の世界と陽の世界


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😽まさに、徳川斉昭


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😽まさに、ゆるキャラ


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😽のび~~~~~~~~~~~~~~~る。 


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😽日本庭園で借景は、よくあることだな。


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🙀偕楽園の梅まつりは、一度行ってみたいなあ。


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近江「ただ旅をしてたおじさんじゃなかった」

山下清「ボ、ボクは、た、ただ旅をしてただけなんだな」


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😽今回が、徳川光圀大河ドラマ化への一歩となればいいですね。

 

 

おまけ・納豆食堂
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タモリ「すごいネバが強力ですね」


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😽それにしても、全体的にこじつけが多かったぞ。あと、仕方が無いけれども、良いことしか取り上げてなかったし。

 


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別府温泉でブラタモリ - 森の踏切番日記

 

 

 

📄ブラタモリ関連日記

さぬきうどんでブラタモリ - 森の踏切番日記

浦安でブラタモリ - 森の踏切番日記

成田山新勝寺でブラタモリ+鶴瓶 - 森の踏切番日記

 

 

 

 

 

荒ぶる虎のごとき生涯『光圀伝』

MY LIBRARYーーーーーーーーー

 光圀伝(上・下)

 冲方丁

 角川文庫(2015/06/25:2012)

 ★★★★

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竹内栖鳳《雄風》(京都市美術館所蔵)

 

 

🔘光圀伝・上

「なぜあの男を自らの手で殺めることになったのか」老齢の光圀は、水戸・西山荘の書斎でその経緯と己の生涯を綴り始める。父・頼房の過酷な“試練”と対峙し、優れた兄・頼重を差し置いて世継ぎに選ばれたことに悩む幼少期。血気盛んな“傾奇者”として暴れる中で、宮本武蔵と邂逅する青年期。やがて文事の魅力に取り憑かれた光圀は、学を競う朋友を得て、詩の天下を目指す──。誰も見たことのない“水戸黄門”伝、開幕。


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《雄風》右隻

 

 

🔘光圀伝・下

「我が大義、必ずや成就せん」老齢の光圀が書き綴る人生は、“あの男”を殺めた日へと近づく。義をともに歩める伴侶・泰姫と結ばれ、心穏やかな幸せを摑む光圀。盟友や心の拠り所との死別を経て、やがて水戸藩主となった若き“虎”は、大日本史編纂という空前絶後の大事業に乗り出す。光圀のもとには同志が集い、その栄誉は絶頂を迎えるが──。“人の生”を真っ向から描き切った、至高の大河エンタテインメント!


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《雄風》左隻

 

 

😺テレビドラマでイメージされる水戸黄門ではなく史実に基づいた徳川光圀の生涯を描いた時代小説の決定版と云えば、この作品であろう。個性的な登場人物が多く読み応えのある作品だった。特に若い頃の荒ぶる虎のごとき光圀が良い。

 

😺何故、光圀は寵臣だった藤井紋太夫を自らの手で殺めなければならなかったのかということが、本書の大きなテーマとなっているのだが、その理由のとんでもなさには、ちょっと笑った。

 


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西村晃の黄門様(TBS『水戸黄門』)

 

 

😺本書については、文庫版の筒井康隆の解説が的を射ており、これを読んでしまっては、そちらを読んで下さいと云うしかない。

この作品は、物語として語られることによって、逆に伝記という形式に内包される文学性が露にされた例であると言える。それは例えば人生論であり死の意味であり時間感覚であるのだが、たとえ語り口、章立て、次章への誘引、改行、会話と地の文の配置などが時代小説乃至エンターテインメントの定石通りであったとしても、そこから紡ぎだされた虚構性が単なる虚構性を超えた前衛性を指向するものであれば、もはや文学性を持たざるを得なくなるのは優れたSFと同様だ。

 

😺この解説には直木賞について触れている部分があるのだが、ついでに引用しておこう。

作者冲方丁直木賞だけはとっていないようだが、これはよく理解できる。直木賞は思想性があったり前衛的であったり要するに作者の意図が難解であるために不明であったりすると落とされる傾向にあるので、これはむしろ誇るべきことであろう。

 


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里見浩太朗の黄門様(TBS『水戸黄門』)


 

😺水戸市は、この作品で大河ドラマの誘致を目論んでいたが、冲方丁が妻に対する暴行の容疑で逮捕されたことを受けて話が立ち消えになったという出来事があったが、結局、冲方丁は不起訴になった訳だし、よくわからん事件だったが、その後、大河ドラマ誘致の話はどうなったのだろうか。こういう作品をこそ大河ドラマにしてほしいものである。 

 

 


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徳川光圀(若い頃)

 

 


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徳川光圀自筆の和歌

花下勧酔と題し「春風のにほひ吹まく 木のもとに 雪をめくらす 花乃盃」とある。

 

 

 

光圀伝 (上) (角川文庫)

光圀伝 (上) (角川文庫)

 

 

 

光圀伝 (下) (角川文庫)

光圀伝 (下) (角川文庫)

 

 

 

 

 


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😽光圀の祖父の高笑い。(NHK真田丸』)

 

 

 

 

📄関連日記

 

 

 

猫も百人一首をする

1月の読書録05ーーーーーーー

 百人一首の謎を解く

 草野隆

 新潮新書(2016/01/20)

 1701-05★★★

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🐱著者は、1957年神奈川県生まれ。上智大学文学部国文学科卒、同大学院文学研究科博士課程後期中退。修士(国文学)。跡見学園女子大学立正大学等で非常勤講師。星美学園短期大学国文学科および人間文化学科の教授を経て、名誉教授。

 


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柿本人麻呂葛飾北斎

 

 

🐱この本は、去年購入したのだが、ずっと未読本コーナーに放置していた。お正月なので、ようやく読む気になった。

 

🐱歴史の謎解き本に関しては、自説に有利な資料ばかり集めてきて、自説に不利な資料は無視して、自家撞着的な論理を展開するような本が多いので、あまり読まないのだが、どうして購入したのだろう? まあ、いいや。

 


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小野小町葛飾北斎
 

 

🐱本書の特徴は、藤原定家に撰歌を依頼した蓮生(宇都宮頼綱)に注目していることと、和歌色紙が張られたであろう蓮生の嵯峨中院山荘に注目していることだろう。

 

🐱蓮生こと宇都宮頼綱については、これまで余り知らなかったので参考になった。蓮生は熱心な浄土宗の信徒であり、僧侶としても御家人としても有力者で財力もあったという。定家が、撰歌にあたって、依頼者である蓮生の浄土宗的世界観を考慮に入れたのではないかという指摘は、なかなか興味深いものがある。

 


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文屋朝康(葛飾北斎

 

 

🐱ただ、定家が撰歌にいろいろ仕掛けを施したというのは、どうだろうか。和歌というものは解釈しようと思えば、いかようにも解釈できるような所があって、仏教的世界観を反映していると思って読めば、その様に解釈できるというだけではないだろうか。

 

🐱嵯峨中院山荘の構造については、実際に発掘調査でもしてみなければ何も分からないので、何を言っても推測の域を出ない。平安時代寝殿造についても見直すべきだという話を読んだことがある。

 


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参議篁(葛飾北斎

 

 

🐱本書は、視点としては面白いものがあったが、自家撞着的な論理の展開が見られるようだ。本書の参考文献として挙げられている、『百人一首への招待』(吉海直人著:ちくま新書)と比較しても、論考が甘いのではないかという印象を持った。

重要なのは、そういったさまざまな解釈をさえ許容してしまう百人一首の懐の深さなのです。

(『百人一首への招待』吉海直人)

 

🐱百人一首は、和歌の入門者向けのような扱いを受けてきているが、このような懐の深さを持つのは、百人一首が文学作品として優れているからではないかと思う。

 


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菅家(葛飾北斎

 

 

🐱嵯峨の厭離庵周辺は、定家の山荘跡としているウェブサイトもあるが、正しくは蓮生の嵯峨中院山荘跡。後に娘婿で定家の息子の藤原為家が相続したので間違わられやすい。

🐱藤原定家の小倉山荘(時雨亭)跡としては、常寂光寺境内と二尊院内があるが、実際は、落柿舎周辺だったらしい。

 

 

 

 

百人一首の謎を解く(新潮新書)

百人一首の謎を解く(新潮新書)

 

 

 

 

📄関連図書

百人一首の正体 (角川ソフィア文庫)

百人一首の正体 (角川ソフィア文庫)

 

😺★★★☆

🐱絶版になったちくま新書の『百人一首への招待』を加筆修正して、改めて角川ソフィア文庫から出版したもの。新たに和歌に現代語訳が追加された。(ちくま新書版で読んだ) 

 

 

百人一首 (角川ソフィア文庫)

百人一首 (角川ソフィア文庫)

 

😺★★★★

🐱百人一首を解説した文庫本の定番。巻末に百人一首成立に関する研究史が詳しく書かれている。

 

 

百人一首 (ちくま文庫)

百人一首 (ちくま文庫)

 

🐱★★★☆

🐱百人一首の鑑賞中心。学習者向き。

 

 

百人一首の作者たち (角川文庫ソフィア)

百人一首の作者たち (角川文庫ソフィア)

 

😺★★★★

🐱百人一首の作者に注目して平安時代の王朝文化を読み解いている。特に、定家と後鳥羽院との関係について踏み込んだ論考を行っている。 

 

 


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百人一首(2) | ぬこ KAT | Pinterest | Cat, Animal and Funny animal
 

 

 

 

 

 

 

 

Runners In The Snow


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🐱1月16日(月)の朝刊の文芸欄の〈季節のエッセー〉の担当は、詩人の最果タヒ。タイトルは「あなたから見た雪」。

 

🐱雪に対するイメージは、筆者のように雪を頻繁に見ない人間と雪国の人とでは同じではないというところから、朝も夜も雨も太陽も知っているのは自分から見えるひとつの側面でしかないと、考察を進めている。

 

🐱そして、「だからこそ、言葉があるのかもしれない」と、伝えるという作業の大切さを再認識している。

 


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NHKの映像より)

 

 

🐱雪と言えば、やはり日曜日の全国都道府県対抗女子駅伝だろう。今年は京都の優勝は難しいだろうと思っていたのだが、見事な逆転劇だった。恐れ入りました。区間賞は一人だけだったし、まさにチームワークの勝利だったといえよう。

 

🐱テレビのあの映像を見て、かわいそうだとか中止にすべきだったなどとぬかすような輩は、よほど生っちょろい人間であるな。あのくらいは、練習ではよくあることなのだ。陸上競技をナメるなよと云いたい。

 

🐱吾輩は、昔、国立京都国際会館の近くに住んでいたことがあるが、あの程度の雪は毎年一回は降るものである。今年は、たまたま駅伝の日だったというだけである。京都市中心部の雪は、それほど積もらないし、積もってもすぐ溶けるから、ましな方である。

 

🐱そういえば、吾輩が高校三年生の時も、センター試験の日に雪が降ったなあ。翌日、たいへんだった。

 


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京都新聞の記事より)

 

 

🐱そんなことを思いながら、久しぶりに、たひーんのブログを見てみる。未読は5本か。

 

🔘最果タヒ.blog

2016-12-11:悪いことぐらい自分で考えろよ。

差別や偏見の何が気持ち悪いって、自分で考えてないっていうことだと思う。

 🐱自分の言葉ではなくて、「世界から思考を引用」して意見を言っても、そのような上っ面だけの言葉は、気持ち悪いだけだという厳しい意見。まったく同感である。

 

2016-12-29:納まらないで、仕事。

仕事を納める気が皆無だ。

🐱年末進行で締め切りに追われてハイになっている模様。珍しく楽しい文章。 

 

2016-12-30:景色を作る日々

私にとって詩集を編むというのは詩を書くこととはまったく別の作業 

🐱本を作る人独特の感想と云えるな。

 

2016-12-30:現実の国から。

河出書房新社の「14歳の世渡り術」シリーズの『正しい目玉焼きの作り方』という本の紹介。

愛より夢より成績より家庭科が救ってくれるものって人生の中にほんとたくさんあるって思うよ。

🐱日常生活をきちんと過ごすことは大切な事である。生活力は重要だよな。こういう事はある程度年をとらないと実感出来ないな。大学に入学した時、『自炊のすすめ』という本を買ったことを思い出す。結局、ほとんど自炊しなかったけど。

 

2017-01-15:ご挨拶2017

年は、たしかに、「越す」ものだ。ただ流れていけばたどり着くようなものではなくて、来年というのは、何らかの障害を乗り越えていかなければ見えないもの。

🐱新年らしく、前向きな文章。吾輩は、年を越さない。ただ流れて行くだけである。

 

 


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京都新聞の記事より)

 

 

 

📄関連日記

(太字のタイトルをタップして下さい)

 

 

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さぬきうどんでブラタモリ

ブラタモリ』#59さぬきうどん

~なぜ“さぬきうどん”は名物になった?


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🐱「うどんはノドで味わえ」って聞いたことがある。

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🐱今回は、うどん県丸亀市

 

近江「うどん屋さんはどうですか」
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ブラタモリ#17博多』でのタモリ「やっぱり博多はうどんでしょう」

 


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#17博多(2015年9月放送)

 

タモリ「うどんはコシだという人がいるんですけど、素人ですね」
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タモリ「うどんはね食べるもんじゃないんですよ。飲み物なんですよ」

 


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近江「せっかく丸亀まで来てますから」

 

まずは注文を
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🐱「ひやあつ」に食いついた近江アナ。


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近江(麺を食べて)「つめたい」

🐱今日のセーターはカワイイな。


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タモリ「グルメとショッピングは無いっていうのがブラタモリ

🐱地質と高低差だもんな。


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🐱コンビニより多いうどん店。

🐱普通の民家みたいな店でお婆ちゃんがやってたりするのをテレビで見たことがあるな。

 

案内人登場
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🐱今回は、案内人の登場の仕方がみんな変。

 

案内人「今日のうどんいかがですか?」
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タモリ「思ったよりコシがない」

案内人「そうですね。しなやかで切れない弾力がある。こういうのがコシなんですね」


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案内人「かたさとコシとは違うんです」


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草彅「ということで始まりましたブラタモリ。今日のテーマは、なんとグルメ⁉」

草彅「でも、ご安心下さい!」

😽別に不安にはなってないよ。


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草彅「今や日本全国で食べられているさぬきうどん。香川の地形地質と深く関わっている!」

 


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※讃岐富士と呼ばれる飯野山


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🐱香川の地形地質に詳しい先生。好きなうどんはひやあつ。

 

土器川(どきがわ)
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※水が全く流れない状態になる「瀬切れ」が年に200日ぐらいある。


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香川県は日本でいちばん雨の少ない県。

➡小麦は少ない水で栽培できる。

🐱日本一雨の多い高知県の三分の一。

🐱二毛作。ため池。


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先生「ちょっと予定外の増水で」

😽ロケあるある。予定外。

 

※河原は石がゴロゴロしていて歩きにくい。
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タモリ「ダンスっぽくなるよね」

😽さすがダンサー。


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※湧水→扇状地→水はけが良い

➡上質の小麦が育つ。

 

宇多津町
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※さぬきうどんに欠かせないもう一つのもの

➡塩➡塩田


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タモリ「小学校1~2年の頃に(丸亀に)来てるんですけども」

タモリ「当時はいっぱいありましたね塩田」

 

※明治の終わりから塩田が廃止される昭和47年まで香川は塩の生産量日本一。

😽先週の浦安と同じ昭和四十年代。


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※塩は、さぬきうどんに欠かせないもの

➡塩こそさぬきうどんのコシの鍵

➡さぬきうどんの塩は小麦粉の重量に対して3%以上と決められている

➡塩分のほとんどがゆで汁に溶ける。


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😽なんか、楽しそう。 


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タモリ「私、ヅラごと」


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😽ヅラ飛んだ!

 
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😽新番組『ヅラタモリ』。第1回目のゲストは、綾小路きみまろさんです。

 

復元された塩田
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🐱森田氏、浜飼いに挑戦。

※浜飼い~海水を砂地にまく作業。天日で乾かし砂に塩を付着させる。 


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※たくさんの塩のついた砂から濃い塩水を作り、最後は釜で煮て塩を取り出す。


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タモリ「角がとれた辛みですね。柔らかい」

 

 

草彅「続いてタモリさんがやって来たのは」
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🔎滝宮天満宮Google マップ


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※昔は讃岐の中心地だった。菅原道真の別荘跡が滝宮天満宮になった。


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🐱森田氏、うどん切りに挑戦。


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🐱何でも器用にこなす人だね。


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🐱森田氏、謝罪会見。


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🐱唐から帰った空海が滝宮に饂飩の作り方を伝えたという言い伝えがある。それが後のさぬきうどんになったという。

🐱タモさんは、鎌倉時代に中国から博多にうどんの製法が伝わったとする博多発祥説を支持している。

🐱ちょっと調べてみたが、うどんの発祥については諸説あり、混沌としている。

🐱いずれにしても、当時は今のような麺ではなかったはず。今のような麺のうどんが広まったのは江戸時代からだろうと云われている。

 

🔎讃岐うどん - Wikipedia

🔎うどん - Wikipedia

 

 

草彅「続いてやって来たのは」
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※綾川→水の量が多い→水車が作りやすい

➡水車を使った小麦粉作りが盛んになった


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※何故、綾川は水の量が多いのか?

➡急激に川幅が狭くなる渓谷の入口で、しかも、川底が花崗岩なので水が浸透しにくい。


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※さぬきうどんが名物として全国に広まったヒミツとは?

 

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※昔は立派な橋がかかっていた。

➡実は、高松と琴平を結ぶ金比羅街道があったところ。

➡滝宮は、かつては宿場町として栄えていた。


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😽江戸時代の街道を歩くお祖父ちゃんと地図が読めない孫娘の珍道中。


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近江「じゃあこう?」

近江「橋をこう渡ってきてこう曲がるって事ですか?」


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近江「だってこっちに曲がって」


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近江「え~、逆じゃないですか」


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😸何故、近江ちゃんに地図を持たせたのかな。オモロ過ぎる。


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😽近江ちゃんには、次は『初めてのお使い』に挑戦してもらいたい。


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近江「神社になるんだ」


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😽今回は、草彅クンを探せが無かったな。

 

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😽こうして、さぬきうどんが全国に広まりましたとさ。


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😽北が下だと分かりにくいな。


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😽森田氏、本日二度目の謝罪会見。


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😽近江アナ笑い過ぎ。

 

草彅「さて、最後にやって来たのは」
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😽綾川町さぬきうどん研究会


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🐱郷土料理どじょう汁。

🙀ドジョウは食べたことないなあ。


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🐱味噌仕立て。昔は醤油の方が貴重だったので、うどんは味噌仕立てだったらしい。


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タモリ「これ、飲むものですね」

案内人「ええ。聞いて、びっくりした…」


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🐱近江アナ、どじょうに挑戦。


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🐱どじょうをお酒に入れて酔わせるって、なんかで聞いたことがある。


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😽カプッ。


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😽ズズズ。


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😽なんかグロい。


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😽あえて、食べたいとは思わんなあ。


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🐱だいたい何でも弘法大師にしておけば安心という事はあるからなあ。


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🐱はっきりしたことは分かりません。


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🐱森田氏、自分で切ったうどんを試食。


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近江「ほんとですね」


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😽メンクイ女。


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🐱森田氏、自画自賛

🐱うどんネタだけで最後まで行った!

🙀まさに、さぬきうどんでブラタモリ

🙀さぬきうどん、食べたくなった。

😽どじょっこはいらね。

 

 


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次回は、地獄の石段登り。


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こんぴらさんでブラタモリ(1/3) - 森の踏切番日記

 

 


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😽いただき物のさぬきうどんを作って食べました。寒いから「あつあつ」にしました。おいしくいただきました。🐥

 

 

 

📄ブラタモリこの記事の次はこちら

水戸でブラタモリ - 森の踏切番日記

 

📄ブラタモリ関連日記

浦安でブラタモリ - 森の踏切番日記

成田山新勝寺でブラタモリ+鶴瓶 - 森の踏切番日記

目黒でブラタモリ - 森の踏切番日記

平泉でブラタモリ - 森の踏切番日記

 

 

 

 

 

複雑系のカオス的小説とエッセイ

1月の読書録03ーーーーーーー

 カオスの紡ぐ夢の中で

 金子邦彦

 小学館文庫(1998/01/01)

 1701-03★★★

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◾著者の金子邦彦は、1956年、横浜市生まれ。79年、東京大学理学部物理学科卒。84年、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。東京大学大学院総合文化研究科教授。東京大学複雑系生命システム研究センター・センター長。理学博士。専門は、非線形科学、複雑系の物理。

 

◾本書の前半は「複雑系へのカオス的遍歴」と題されたエッセイである。これは、講談社の科学雑誌『クォークQuark』の1996年1月号から1997年6月号まで連載されたサイエンス・エッセイ「金子邦彦の『複雑系の向こう側』」と新潮社の雑誌『新潮21』の平成8年6月号に掲載された「カオス・物語・複雑系」よりなる。後半は「カオス出門」、「小説 進物史観」と題された二本の小説である。最後に「バーチャル・インタビュー」と題されたあとがきが付いている。

 

※本書は2010年5月にハヤカワ文庫から再出版されている。

※科学雑誌『クォークQuark』は1982年8月号から1997年6月号まで刊行され廃刊となった。

 


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🔘複雑系へのカオス的遍歴

🐱前半のエッセイについて著者は、「文化としての科学を訴えたかった」という。オウム真理教の一連の事件の後に連載が始まったということが影響しているようである。科学とは、「日常的な疑問から連続的に生まれてきたものであり、そうした疑問をいきいきと楽しみながら考えたいという」文化のひとつであると、著者は主張している。

🐱この中では、物理学者としての寺田寅彦について触れた部分が興味深かった。寺田寅彦がつくろうとした物理学は、現代の非平衡現象やパターンの物理の研究につながっているという。

🐱また、日本の研究者がおかれている現状について苦言を呈した文章があるが、現在では、ますます状況が悪化しているように思われる。他にも、いろいろ示唆に富んだ文章が見受けられた。

🐱カオス理論や複雑系の物理についての解説も詳しくはないが簡潔に分かりやすく書かれている。

 

 

🔘カオス出門

🐱短編小説。小説の完成度としてはアレだが、カオス理論の例え話としては、分かりやすくて面白いと思う。昔から、科学者の中には、小説を書く人もいるので違和感はない。円城塔は、論文に出来ないようなアイディアを小説にしていると云われているが、そういう科学者は昔からいるものである。

 

 

🔘小説 進物史観

🐱短編小説。物語自動生成システムの進化と崩壊を描くことにより、生命の進化と物語の発展史のパロディ化を目指したもの。

🐱実は、この小説を前から読みたいと思っていて、複雑系に関する書物をブックオフ・オンラインで探しているときに、たまたま見つけて、ついでに本書を購入したのだ。108円だった。状態は可。

🐱なぜこの小説を読みたかったかというと、この中に出てくる物語自動生成システムのひとつが「円城塔李久」といって、作家円城塔の筆名の由来になっているからである。円城塔は著者の博士課程指導学生だったのだ。

🐱小説の方は、ひと言で云うと「怪作」であろう。著者は脳型人間だと思われるが、この小説は筒井康隆の作風に近い。小松左京筒井康隆円城塔の愛読者には楽しめる内容である。

 

 

🔘バーチャル・インタビュー

🐱インタビュー形式で書かれたあとがき。1990年代半ばの複雑系の「困ったとしかいいようのないブーム」に関する言及が興味深い。当時は、複雑系で株が儲かる的な本まで出てきたりしたものである(今もあるか)。「アメリカの一研究所の誇大宣伝に踊らされている日本のジャーナリズム」なんかもあったものである。20世紀末に、複雑系の科学に対するイメージが歪められたようなことはあったかも知れない。

🐱複雑系の研究というのは一言で言うとどういうものかというと、

「『一言で言えれば複雑系じゃない』って一言で答える、ってのもあるかもしれないけど、いずれにせよ部分と全体の矛盾をはらんだ相補的な関係を、掛け声だけじゃなくて真剣に探るってことになると思います。つまり部分の和で表せない全体というのは論理的にどういうものか、それを捉えるにはどうしたらいいかというようなことです。

🐱本書は20世紀末の複雑系の科学について、その側面を知る意味においては、面白い本だと思う。

 

 

 

📄関連動画(YouTube

物理の視点で生命を理解する
金子邦彦先生よりメッセージ

リバネスtv(2012/05/10)1′48″

 

 

カオスの紡ぐ夢の中で (〈数理を愉しむ〉シリーズ) (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

カオスの紡ぐ夢の中で (〈数理を愉しむ〉シリーズ) (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

 

 

 

 

📄関連日記

 

 

 

 

 

 

なんちゃって鴛鴦茶を作ってみた


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鴛鴦(えんおう)はオシドリのことです
鴛鴦茶は紅茶とコーヒーを混ぜ合わせる
香港のポピュラーな飲み物です
中国では二種類のものを組み合わせるとき
「鴛鴦」を使うことが多いようです

 

 

鴛鴦茶を飲んだことがないので
一度飲んでみようと思って
鴛鴦茶の作り方を
クックパッドで調べてみたけれども
うちでは紅茶は飲まないし
わざわざティーバッグとか
買うのも面倒なので
なんちゃって鴛鴦茶を作ってみました

 

 

用意するものは
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GEORGIA贅沢生クリームのカフェオレと
午後の紅茶ストレートティーだけです

 

同量を混ぜ合わせます
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ホットミルクの要領で電子レンジで温めます
これで出来上がり
なんと簡単なんでしょう

 

一口飲んでみる
何だろう?
ミルクティーのような
カフェオレのような
変な味
でもおいしい

 

全部飲んでみる
これは確かにクセになるかも
後味は紅茶かな?

 

本物の鴛鴦茶は
飲んだことはないので
これが正しい味かどうかは
分からないけれども
これはこれでアリだな
ホットでもアイスでもいけるね

 

いろいろ試してみると
おもしろいかも

 

 

因みに本場の作り方はこちら
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出典:堆糖,美好生活研究所

 

 

中国語なので分からないけれども
雰囲気だけお楽しみください
鴛鴦茶は広東語ではユンヨンチャーと
発音するらしいです

 

 

📄関連日記