森の踏切番日記

ただのグダグダな日記です/2018年4月からはマイクラ日記をつけています/スマホでのんびりしたサバイバル生活をしています/面倒くさいことは基本しません

まとめ読み『デート・ア・ライブ』(13)~(15)

9月の読書録12~14ーーーーー

 デート・ア・ライブ(13)~(15)

 橘公司

 ファンタジア文庫

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〈HOSHIMIYA Mukuro〉

 

 

今年の7月に『デート・ア・ライブ』の第1巻から第12巻までをまとめて読んだのだが、8月に最新巻が出たので、残りも一気に読んでしまうことにした。そこで、9月に『アンコール』の方をまとめて読んで、それに合わせて、刊行順に本編の第13巻から第15巻までを読んだ。今月、ようやく第16巻と最新巻の第17巻を読み終えた。こちらの感想を書くのは、もう少し後になりそうだ。

 

 

 

デート・ア・ライブ (13) 二亜クリエイション (ファンタジア文庫)

 

🔘デート・ア・ライブ (13) 二亜クリエイション (ファンタジア文庫)

(2015/10/25)★★☆

 

今回登場する精霊の二亜は、時崎狂三が探し求めていた二番目の精霊で、長らくDEMインダストリーに監禁されていた。前巻で移送途中に、偶然にも五河士道が助ける形になって、自由の身となった。

二亜はアキバ系のかなり濃いキャラで、精霊の中では、明らかに異質な存在だ。精霊も二亜で十人目になるが、キャラをかぶらないようにしなければならないので、キャラ設定もだんだんと難しくなる。二亜のキャラは、作者にしてみれば身近で描きやすいキャラなのだろう。これまでのキャラよりもリアリティがあるというか、少しナマナマし過ぎないか。この手のキャラが出てくると、そろそろ煮詰まってきたかと思ってしまう。

このシリーズの問題点は、レギュラーの登場人物が増えるに従って、それぞれのキャラの存在感がそれだけ薄くなることにある。キャラの設定が単純で言動がパターン化されている上に、それぞれのターンが簡略化されて、マンネリ化しているように思う。

今回、一番地味なネガティブキャラの七罪に新たな特技が発覚する。それぞれの精霊の見せ場を作らなければならないので大変だ。七罪のネガティブキャラは結構気に入っているので、出番が増えるのは喜ばしい。

今回のエピソードは、ありがち過ぎないか。アマいしヌルいし。こういうのは、もう飽き飽きしているので読んでいて退屈した。シリーズ当初と比べるとずいぶん方向性が変わってしまったものだ。これは、既定路線なのか、流れでこうなったのか、こじんまりとまとまってしまったという印象。

敵対勢力DEMインダストリーの目的も徐々に明らかになりつつあり、ボスキャラ(アイザック・ウェストコット)がパワーアップ。DEMがデウス・エクス・マキナDeus Ex Machina:機械仕掛けの神)の略であることが明らかになる。8月に『アスラクライン』を読み返したところなので、少し笑った。元は演劇用語なのだが、たまに変なところで見かける。

と思ったら、第3巻でDEMに「デウス・エクス・マキナ」とルビがついていることに後で気がついた。すっかり忘れていたのな。f(^_^)

最後に、二亜から物語の根幹にかかわる爆弾発言があり、次巻へと続く。

 

 

 

デート・ア・ライブ (14) 六喰プラネット (ファンタジア文庫)

 

🔘デート・ア・ライブ (14) 六喰プラネット (ファンタジア文庫)

(2016/03/25)★★☆

 

前回は年末のエピソードで、初日の出の場面で終わった。今回は初もうでの場面から始まる。二亜は、二番目に古い精霊だけあって実年齢はかなり上だし、オタクキャラは破壊力抜群だし、精霊の中では確実に浮いている。こういう強烈なキャラを投入すると、登場人物間のバランスが崩れてしまいかねない。

二亜もまた、人間が精霊化した存在だということで、精霊はもともとは皆人間だったのではないかという疑惑が持ち上がる。そろそろ精霊の謎が明らかになりそうな気配。

敵対勢力がパワーアップしたのを受けて〈フラクシナス〉もグレードアップし〈フラクシナスEX〉となり、搭載AIにも対話機能が追加されたが、今どきのSFでは対話型AIは当然だろう。導入が遅いくらいである。

それにしても、敵対勢力のボスキャラが手に入れた全知の魔王〈神蝕篇帙=ベルゼバブ〉は不完全とはいえ厄介な能力だ。これがあるといろいろ楽しめそうだ。欲しいなあ、これ。物理的な破壊力よりも、全知の情報収集能力を敵のボスキャラに持たせるところは今どきの感覚だなと思った。 

今回の精霊は、天使の能力で自らの心を閉ざして宇宙空間を漂う超引きこもり少女・六喰。こちらも厄介だ。彼女は、自らの心に文字通り「鍵」をかけて、喜怒哀楽の情動を封印してしまっている。

一般に「心を閉ざす」というのは、人間関係を拒絶することだろう。本当に心に「鍵」をかけてしまうと心の機能が停止して意識を失ってしまう。そうなれば、動物のように本能的に生きるか、ロボットのように機械的に生きるしかなくなる。彼女の場合は、感情に「鍵」をかけたという方が正確だろう。そして、誰とも交わらない宇宙空間に引きこもっているのだ。彼女が過去に大きく心を傷つけられる出来事に遭遇しただろうことは容易に想像できる。

後半の緊迫した展開から、〈ベルゼバブ〉の能力によって物語空間に閉じ込められた士道と精霊たちが童話などのキャラに扮してドタバタを繰り広げる「遅延」がある。よくあるパターンだが、まあまあ微笑ましかった。ある程度効果はあったと思う。

しかし、自分を美化したマンガのキャラと対面するなどという羞恥プレイによく耐えられるものだ。士道は、よほど無神経なのか鈍感なのか。正直言って、ちょっとキモい。

 

 

 

デート・ア・ライブ15 六喰ファミリー (ファンタジア文庫)

 

🔘デート・ア・ライブ15 六喰ファミリー (ファンタジア文庫)

(2016/09/25)★★☆

 

これまでに登場した精霊のうち、最初の方の十香、四糸乃、八舞姉妹は純粋な精霊として登場したが、士道の義妹の琴里、クラスメイトの折紙、アイドルの美九、マンガ家の二亜は人間が精霊化している。七罪については人間だった過去は語られていないので精霊の方に入るか。狂三については16巻・17巻で触れることにする。今回、六喰も人間が精霊化したことが明らかになる。

美九の場合は男性不信、七罪の場合はコンプレックス、二亜の場合は人間不信が背景にあった。そういった彼女たちをデレさせるのは、恋愛というよりも人間性の問題になってくる。

このシリーズの性格上、物語が進行するにつれてハーレム化するのは必然だけれど、恋愛絡みだと修羅場にならなければ嘘になる。士道と彼女たちのつながりが人間としての信頼に基づいている限り、士道は誰にも手を出せそうにない。必然的にハーレムの主は案外つまらないものだということになる。

六喰の場合は、幼少期の家族の愛情を独り占めにしたいという独占欲が肥大した結果、ささいな出来事を深刻に受けとめ過ぎて心を閉ざしてしまったという感じだ。だから、彼女の心は開かれても子供のままで、独占的に愛情を求めてしまう。キャラとしては、子供っぽいし、個性的ではないし、魅力はあまり感じない。

天使の能力で閉ざされた六喰の心は、天使の能力で開くしかないということで、十香たちの協力で六喰の心の「鍵」を開くことに成功したまではよかったのだけれど、心を開いた六喰は士道を独占するために、天使の能力を使って、士道を知る人々から士道に関する記憶に「鍵」をかけてしまう。

精霊たちやクラスメイトたちから不審者扱いされ途方に暮れる士道。士道を独占できてご機嫌な六喰。この危機を救ったのは休眠していたあのキャラだったという展開は、無理矢理な感じがしないではないけど、面白かった。この休眠キャラの普通さは、逆に新鮮で好感が持てる。『長門有希ちゃんの消失』みたいな雰囲気があると思う。

十香の反転体も久し振りに登場。十香は反転体の方がキャラもイラストも数段良いように思う。十香の反転体が主役のダーク・ファンタジーとか読んでみたい。十香の反転体は、精霊の根源である霊結晶(セフイラ)について、重要な情報を明らかにする。

このシリーズは、10巻・11巻がひとつの山になっていて、12巻から15巻まではダレ場がずっと続いている感じだ。シリーズ物は情報を小出しにするのが鉄則だけれど、つなぎのエピソードに魅力がなければ間が持たない。部分的に面白いところはあるけれども、小説としての全体の出来がよいとは思わない。この巻のラストで時崎狂三が再登場して、ようやく話が動いてくれそうだ。

 

 


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〈Dark Tohka〉

 

 

 

📄この記事の続き

🔘『デート・ア・ライブ16 狂三リフレイン』のあらすじと感想 - 森の踏切番日記

 

📄関連日記 

🔘まとめ読み『デート・ア・ライブ』(1)~(12) - 森の踏切番日記 

🔘まとめ読み『デート・ア・ライブ アンコール』(1)~(6) - 森の踏切番日記

 

 

 

 

 

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を再読して思い浮かんだこと

10月の読書録01ーーーーーーー

 アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

 フィリップ・K・ディック

 浅倉久志・訳

 ハヤカワ文庫(1977/03/15:1969)

 ★★★★

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最終世界大戦後、地球は放射能灰に汚染され、生き残った人々の多くは他の惑星へ植民した。一方、残留者の大多数は市街地に集住していた。人間以外の動物はほとんど滅んでしまったこの世界では、生きている動物を所有することが地位の象徴となっていた。

サンフランシスコに住むリック・デッカードは、所有していた本物の羊を破傷風で死なせて以来、人工の電気羊で誤魔化していたが、どうしても本物の大型動物が欲しくてならない。だが、逃亡したアンドロイドを廃棄処理するバウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)のリックにとって、本物の大型動物は高嶺の花だった。

そこに、火星から8人のアンドロイドが地球へ逃亡しサンフランシスコに潜伏したという情報が入る。そのうち2人は主任のデイヴ・ホールデンが処理したが、ホールデン自身も重傷を負ってしまった。リックは、上司のハリイ・ブライアント警視から残り6人のアンドロイドの処理を依頼される。この6人を処理すれば、莫大な懸賞金で念願の本物の大型動物を手に入れることができる。リックの決死のアンドロイド狩りが始まる。

 

 

 

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

 

 

 

本書は、言わずと知れた映画『ブレードランナー』(1982年) の原作小説である。映画の方は、細かい設定や展開が原作とはかなり異なっていて、よく似た別の作品と考えた方がよい。小説には小説の良さがあるし、映画には映画の良さがある。どちらも、それぞれの分野で名作である。今月の初め、懐かしくなって、久し振りに読み返してみた。小説も映画も超有名作なので、ここでは細かく触れることはせずに、再読して思い浮かんだことをダラダラと書き留めていくことにする。

 

 


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この小説では、「エンパシー (empathy) 」という言葉がキーワードになっている。エンパシーには「感情移入」という訳語があてられているが、難しい言葉である。よく似た言葉に「シンパシー (sympathy) 」がある。どちらも「共感」という意味があるので違いが分かりにくい。

シンパシーの方は、「同情」「思いやり」「あわれみ」という訳もあてられる。どちらかというと、上から目線というか、他人事という距離感がある。エンパシーの方は、「他人または他の対象の中に自分の感情を移し入れること」という意味がある。他者の身になって他者と感情を分かち合う、他人事ではなく自身のこととして感じるということだろうか。シンパシーには、そこまでの一体感はない。

 

 


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この小説のアンドロイドは有機的アンドロイドという設定なので肉体的には人間そっくりであり、大多数の人間よりも知能が高い。肉体を改造して強化することも可能である。映画では、アンドロイドという語感に機械的なイメージがあるのを嫌ってレプリカントという言葉を造語した。

リックは、「フォークト=カンプフ検査法」を使って人間とアンドロイドを識別する。逃亡したネクサス6型アンドロイドを識別する方法は他にない。このフォークト=カンプフ検査法は、感情移入度を検査することによって、アンドロイドを識別するのである。アンドロイドには感情移入能力がない。つまり、人間とアンドロイドの違いは感情移入能力の有無しかないというのが作者の主張なのである。

 

 

この小説と並行して、三島由紀夫の『夏子の冒険』という小説も読んでいた。その中に狩猟家が出てくるのだが、次の一節が印象に残っている。

狩の目的の動物の中に何かの「心」を想像すること、それは心が心を狙うことであり、人間同志の殺し合いと同じことになるというのであった。

だから、「狩る鳥や獣に余計な感情を想像しない」というのである。 

 

 

また、今週読んだ吉村昭の『高熱隧道』で、トンネル工事中に起きた落石事故で同期の同僚が頭骨を粉々に砕かれて死んだのを目の当たりにして放心状態にある技師に先輩技師が殴り飛ばしてから言った次の言葉が印象に残っている。

「おれたちは、葬儀屋みてえなもんだ。仏が出たからといって一々泣いていたら仕事にはならねえんだ。おれたちトンネル屋は、トンネルをうまく掘ることさえ考えていりゃいいんだ。それができないようなら今すぐにでも会社をやめろ」

「いいか、このことだけはおぼえておけ。仏が出てもその遺族たちのことは決して考えるな。それだけでも気分は軽くなるんだ」

いちいち感情移入していては仕事にならないのだ。人間が最も非人間的になるのは戦場だろう。戦場で味方の死を一々悲しんだり、敵に感情移入していては、戦争にならない。

 

 


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リックは、ある種のアンドロイド、魅力的な女性アンドロイドに感情移入してしまう。狩る対象に余計な感情を想像してしまったのだ。彼は、アンドロイドを追跡する過程で知り合った別組織のバウンティ・ハンターであるフィル・レッシュにアドバイスされる。

「まず、彼女といっしょに寝て──」

「それから殺すんだ」

この部分の前の会話も気に入っている。

「むろん法律違反さ。だが、セックスのたいていのバリエーションは法律違反じゃなかったかね? それでも、人間ってやつはそうする」

「もし──セックスでなく──愛だとしたら?」

「愛はセックスの別名さ」

 

 

リックは、レイチェルとセックスをする。精巧なダッチワイフに射精するようなものである。ヒトのオスの場合、気持ちよく射精できれば、何だって良いのではないか。レイチェルがセックスの後で、「さっきはよかった?」と尋ねるところが面白かった。

レイチェルの方は、リックにアンドロイド狩りをやめさせることが目的だった。逃亡したアンドロイドの中にレイチェルそっくりのアンドロイドがいる。レイチェルは量産型なのだ。レイチェルを殺そうとするが殺せなかったリックは、レイチェルそっくりのアンドロイドを殺せそうにないと思うが、なんとか任務を完遂する。映画と違って、アンドロイドは案外あっけなく殺されてしまう。

よくわからないのは、リックと別れた後のレイチェルの行動である。リックの住居へ向かったレイチェルは、リックが手に入れたばかりの雌山羊を殺して去ってしまう。意趣返しなのか、山羊に対する嫉妬なのか、それとも、何か「アンドロイドなりの理由」があるのか。

 

 


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アンドロイドに「感情」と「記憶」を持たせることは可能だろうが、それは作り物の感情と記憶に過ぎない。たとえば、アンドロイドに作り物の恋愛感情を持たせることはできる。人間が恋愛するときの感情のパターンをデータとして学習させて、真似させればよいのである。アンドロイドが人間のように恋愛するわけではない。ペットを溺愛する人と同じで、全ては人間側の思い込みに過ぎない。人間の感情移入能力は架空のキャラにさえ恋愛をすることができるくらい柔軟性があるが、それはエンパシーではなく、ナルシズムかエゴイズムだろう。

人間の記憶のメカニズムは、人工知能の記憶のメカニズムとは本質的に異なるが、人工の記憶を作り出すことは可能だろうし、人間に人工の記憶を植え付けることも可能だろう。SFではよくある話である。そうなると、記憶とはいったい何かということになってくる。この小説では、リックもレッシュも自身が本当に人間かどうか疑心暗鬼を生じる場面があるが、自己の記憶が信用できないものだとしたら、アイデンティティの崩壊につながりかねない。

 

 


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問題は、アンドロイドに「心」はあるのかということになる。「心」とは「意識」であると考えてよいだろう。「意識」は、複雑な情報処理の過程で脳内のニューラルネットワークを流れる電気信号のパターンの時間変化から生じると考えてよいだろう。

それでは、人間の脳と同様のニューラルネットワークを人工的に構築することができれば、そこに意識が生まれ、心が宿るのだろうか。人間の脳や心自体もよく分かっていない現状では想像するしかないが、人工知能に「心」が生まれても不思議はないという。生物は必ずしも心を持っているわけではない。人類も進化の過程でどこかの時点で心を獲得したのである。意識が生ずるには多数の情報の統合する能力が必要だという。

心を持つということは、他者もまた心を持っていることを認識することであり、他者の立場で物事を理解する能力があるということである。この小説のアンドロイドは心を持っているようには思われない。映画の方のレプリカントは、長く生きると感情が芽生えてしまうという理由で4年しか寿命を与えられていないのだが、レイチェルや反逆レプリカントのリーダーのロイには、心が宿っているように思われる。

人工知能が獲得する心が我々の心と同じようなものであるとは限らない。アンドロイドには、アンドロイドなりの「心」が芽生えるかも知れない。それが、我々の心とは異質なものであったなら、我々は彼らと心を通い合わせることができるだろうか。

 



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小説のレイチェルには、生殖能力はない。

「アンドロイドは子供は生めないわ。それは損失なのかしら?」

と問う。

「わたしにはわからない。わかりようがない。子供を生むのはどんな気持ちのもの? そういえば、生まれてくるのはどんな気持ちのもの? わたしたちは生まれもしない。成長もしない。病気や老衰で死なずに、蟻のように体をすりへらしていくだけ。また蟻がでたわね。それがわたしたちなのよ。あなたじゃない。わたしのこと。ほんとは生きていないキチン質の反射機械」

映画のレプリカントは、遺伝子工学の進歩で作られたという設定なので、限りなく人間に近い存在といってよい。生殖能力を持っていても不思議はない。

人間そっくりレプリカントが心を持ち生殖能力を持つならば、それはもう新たな知的生命体といってよいのではないだろうか。

 



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人工知能が人間の知能を凌駕し、社会に大変革が起こる技術的特異点2045年頃に訪れるという説があるが、映画『ブレードランナー』が2019年の設定で、続編が30年後の2049年の設定になっている。前作公開から35年になるのに合わせたのだろうが、近い年になっているのが興味深い。

 

 

 

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

 

 

 

 

 

 

立山でブラタモリ(3/3)

ブラタモリ』#88立山(3/3)

北アルプス立山はなぜ神秘的?


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近江(1万年で1kmだと千年で???)

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♨️立山でブラタモリ(2/3) - 森の踏切番日記の続き


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室堂平を出発


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タモリンご満悦🎵


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室堂平辺りから弥陀ヶ原辺りまでを含めて「立山カルデラ」というそうな。「立山火山」の崩壊と浸食によって火口が広がった浸食カルデラだそうな。大規模な砂防工事が欠かせないそうな。(案内人は二人とも「立山カルデラ砂防博物館」の人)


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なんか動きがヘン。


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なるほど。


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ラムサール条約は、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」で、水鳥を中心とした生態系(や絶滅の恐れのある動植物)とその生息地である湿地の保存を目的とする国際条約。

日本も釧路湿原尾瀬、琵琶湖、宍道湖漫湖など多くの湿地が登録されている。弥陀ヶ原は、2012年7月3日に登録された。日本の登録湿地では最高所にあるそうな。ラムサールは、条約が作成されたイランの都市名。

 


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普通は低地にあるというイメージですね。

湿地の定義は幅広くて、湖沼・河川・湿原のほかに、干潟、マングローブサンゴ礁なども含まれます。

弥陀ヶ原は湿原なので釧路湿原などと比較してという意味でしょう。尾瀬も高所にありますが、弥陀ヶ原の標高が1600m~2000mに対して、尾瀬の湿地の標高が1400m~1600mくらいです。


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平らな地形の秘密を解く鍵がここにある?

石に注目。


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火砕流が冷えて固まってできた岩


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よくそんな名前が出てくるなあ。さすが!

 


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できないですね


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たしかにね。


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丹保「土壌に注目していただきたい」


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タモリ「泥炭ですか?」


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泥炭でした。


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氷河期もあったしね。


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2015年11月7日放送の『#22札幌』を思い出しますなあ。石狩川流域の湿原も泥炭地でした。


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あの時は桑子真帆アナだったから


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近江アナは、泥炭初体験かな?


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丹保「日本一の絶景を作っています」


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ということで向かった先は…


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滝チラ


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200m? 300m?


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タモリンびっくり。


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タモリ「これはすごい」

近江「すごい落ち方」


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滝の名前は「称名滝

落差350mは日本一です。


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🔍称名滝Google マップ

 

 

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タモリ「(滝は)後退していくんで。通ってきた谷も全部この滝がつくった」


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近江「まだ更に向こうに…」

タモリ「更に向こうに行きます」


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滝の位置が変わったということは


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近江「もう一回お願いしていいですか?」


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千年で、1kmの10分の1ですね。


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1000mで考えたら分かりやすいのに。


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戻っちゃった。


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増えちゃった。


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近江ちゃん、分数とか単位とか苦手?


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言い間違えちゃった。


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面白すぎ。


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気にしない、気にしない。

 


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滝を見て気持ちを落ち着かせましょう。

 


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タモリ「軍団つくってました」


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ナイアガラ・タキとかいそうだな。

クリステル・滝チラとか。

グレート称名とか。

タモリさんは、イグアス森田とか。


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タモリ「僕独立したんです」


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タモリ「いや、これ、間違いなく日本一でしょ、この滝は」

近江「ねえ… 他ないですよね、こんな滝」


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未来のあなたに~?


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じゃなかった!


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タモリ「これ以上のものはないでしょ!」

 


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最後にタモリさんが向かったのは、称名滝下流


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やって来たのは、立山町常願寺川にかかる立山橋。道路は県道35号線。手前左手は雄山神社岩峅社務所

ここまで、黒部ダムも室堂平も弥陀ヶ原も称名滝もずっと立山町でした。


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下流側。富山市内。


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上流側。富山地方鉄道上滝線の鉄橋の向こうに今までいた山が見える。


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立山の雪解け水が大量の土砂を運び出し扇状地をつくっている。

黒部ダムから流れる黒部川扇状地をつくっている。


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ほっとしますか。


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扇状地で終わるところがブラタモリ


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タモリ「これは知って見るのと、知らないで見るのとは、大違いですね」


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今回もホント盛り沢山だったなあ。


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富山地鉄と記念撮影。


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有意義でした。

 

 

おまけ

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常願寺川下流、常願寺大橋から見た立山連峰。 

 

 

 

次回は
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洞爺湖でブラタモリ(1/3) - 森の踏切番日記 

 

 

 

📄ブラタモリ関連日記

🔘高知でブラタモリ(1/3) - 森の踏切番日記

🔘黒部ダムでブラタモリ(1/3) - 森の踏切番日記

🔘黒部の奇跡でブラタモリ(1/3) - 森の踏切番日記

 

🔘「ブラタモリ」ファンの必読書? 『日本列島100万年史』を読む(1)日本列島の成り立ち - 森の踏切番日記

🔘箱根火山のカルデラの成り立ち他 『日本列島100万年史』を読む(2)北海道・東北・関東 - 森の踏切番日記

🔘南海トラフ地震で富士山が噴火? 『日本列島100万年史』を読む(3)中部 - 森の踏切番日記

 

 

 

 

 

 

立山でブラタモリ(2/3)

ブラタモリ』#88立山(2/3)

北アルプス立山はなぜ神秘的?


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近江(おしえて~タモリ~さん~🎵)

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♨️立山でブラタモリ(1/3) - 森の踏切番日記の続き


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温泉から出て探索を再開。


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北アルプスの神秘に詳しい方。

この雪の結晶模様のバンダナ、良いなあ。欲しいなあ。


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William Gowland(1842-1922)。ウィリアム・ガウランド。ゴーランドとも表記される。イギリス人。化学兼冶金技師として、明治政府により大阪造幣寮に招聘されて、1872年に来日。

大の登山好きで、1881年に刊行された『日本についてのハンドブック』の中で信州の山々をヨーロッパのアルプス山脈にちなんで “Japanese Alps” と初めて紹介した。のちにイギリス人宣教師ウォルター・ウェストンが自著の中で日本アルプスを紹介して、世界中に広く知られるようになった。ウェストンは「日本アルプスの父」と呼ばれているが、ガウランドが日本アルプスの名付け親である。

ウランドは、日本の古墳研究の先駆者としても有名で、「日本考古学の父」とも呼ばれている。1888年帰国。16年もの在日本は、お雇い外国人としては異例のことで、明治政府から高く評価されていた。

ウィリアム・ゴーランド - Wikipediaを参考にしました)


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飯田「実は室堂平にそのヒントがあります」

 


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ゴロゴロ


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飯田「黒っぽい岩。安山岩です。でも、この室堂平」


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安山岩火山岩の仲間。


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火山岩は、マグマが急激に冷えて固まったもの。多くは火山から噴出されてできる。

玄武岩安山岩流紋岩などが火山岩の仲間。


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タモリ「あれ違いますよね」


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タモリ花崗岩ですか?」


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花崗岩は深成岩の仲間。


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白っぽい岩は、ほとんど花崗岩


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深成岩は、マグマが地中深くでゆっくり冷えて固まったもの。

かんらん岩、はんれい岩、閃緑岩、花崗岩が深成岩の仲間。


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マグマが冷えて固まった岩石の総称を火成岩という。

つまり、火成岩は、火山岩と深成岩の2種類に分類される。


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変ですね。


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タモリ「あっちから来たんですかね?」


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飯田「何かに運ばれてきたんですねえ」


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飯田「室堂平にかつてあった氷河なんです」


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近江ちゃんに質問。


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そのまんま近江

 


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😺私は、モンブランはオーソドックスなマロンのモンブランじゃないとイヤ派です。ちゃんと山の頂上がシュガーパウダーでモンブラン(Mont Blanc 白い山)になってなければ、モンブランと認めることはできません。


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😾先日、食したモンブランは、マロンのモンブランなのに、シュガーパウダーがかかってなかった。夏山かっ! こんなのモンブランじゃねえ~! ただのガトーマロンじゃ~!


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室堂平の花崗岩は、かつて氷河があったことを示す痕跡だった。

 


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氷河ができるには、どれくらいの積雪が必要か。


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タモリ「相当な圧力でしょうね」


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立山連峰には、今でも積雪が20m以上になる場所がある。


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日本に現存する氷河は、

立山山東面の御前沢氷河、

劔岳の三ノ窓氷河と小窓氷河

の3カ所。2009年~2011年の調査の結果、2012年4月に学術的に認められた。

🔍国内初の現存する「氷河」を立山連峰で発見!|立山の雪|とやま雪の文化|富山県


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本物の氷河の氷。


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初対面♥


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飯田「溶け出すとパチパチっと音たてて、昔の空気が飛び出してくる」


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タモリ「あ! いってますね、いってますよ」

近江「いってますか?」


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タモリ「耳、ピチッとつけないと分かんない」

近江「冷たいよ~」


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プチプチプチプチ


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近江「あっいってます! プチプチプチプチっていってます!」


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近江「すご~い」


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草彅「ヨーロッパのアルプスによく似た山になったんです」

 


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実験コーナー


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氷河が削った地形


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水の場合は、V字の深い谷になる。


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氷の場合は、U字の谷になる。


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Kar(ドイツ語)

英語、フランス語では、cirque

英語の発音は[サーク]ですが、フランス語の発音は[シルク]で、サーカスという意味もあって、シルク・ド・ソレイユのシルクと同じスペルです。


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日本語では「圏谷」


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それでは、実際にこの北アルプスでカールを探してみましょう。

 


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幅約400m、長さ約600m。


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地理学者・山崎直方(1870-1929)が発見したので、発見者にちなんで「山崎カール」と名付けられた。


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1945年(昭和20)、天然記念物に指定された。


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以後、多くの氷河地形が国内で発見・研究されている。カールは、木曽山脈にある宝剣岳千畳敷カールなど日本アルプスの多くの山々や北海道の日高山脈でも見られる。

これらのことから、氷河期には、これらの山々に小規模な氷河があったことが分かる。

 


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カールですね。

 


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立山の独特な地形は氷河によってつくられた。


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近江「すごい所なんですね」


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近江(カールなのにヤマザキ? 明治じゃないの? ヤマザキナビスコヤマザキカールになっちゃうの?)


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立山のすごさはこれだけじゃない!?


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次の記事へと続く

 

 

 

📄関連日記

南海トラフ地震で富士山が噴火? 『日本列島100万年史』を読む(3)中部 - 森の踏切番日記

※後半に「日本アルプスと氷河」について、少しだけふれています。劔岳の三ノ窓氷河の写真などがあります。

 

 


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室堂平


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山崎カール

 

 


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ヨーロッパの元祖アルプス山脈


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ヨーロッパのアルプス山脈のカール?

カールは、氷河の浸食作用によって山頂付近にできた椀状または半円状のくぼ地で、U字谷とは区別されますが、素人には境界がイマイチ分かりません。


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これは、カールかな?


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モンブランの氷河

 

 


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今回の立山での近江アナのファッション


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前回の黒部ダムでの近江アナのファッション


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立山のときと黒部ダムのときでは、シューズ(トレッキングシューズ?)を変えているけれど、黒部ダムのときのシューズは、何故か印象に残っている。

 


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2016年9月17日放送の「#47高尾山」のときの近江アナのシューズ。


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2016年10月15日放送の「#50富士の樹海」のときの近江アナのシューズ。

 

 

 

 

 

 

立山でブラタモリ(1/3)

ブラタモリ』#88立山(1/3)

北アルプス立山はなぜ神秘的?


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近江(ミ・ク・リ・ガ・池ってどこだろな🎵) 

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🔍立山室堂平Google マップ

 

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標高2450m


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立山三山。富士ノ折立(2999m)、大汝山(3015m)、雄山(3003m)の総称。立山という単独峰があるわけではない。右端の雄山の山頂に雄山神社本宮がある。


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タモリ「すごい詳しいようなんですけども」


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予習はバッチリ。


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近江「よかったですね~」

 


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北アルプス飛騨山脈)の一部が立山連峰

立山連峰の主要部が立山三山。 


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むろどうだいら


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タモリ「室堂平のでき方もちょっと不思議ですよ」


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近江「なぜこんな平らなのか?」


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今回の旅のお題。

 


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今回の案内人。


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日本三霊山は、富士山と白山と立山


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草彅「飛鳥時代まで遡るとも言われています」


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立山曼荼羅


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草彅「こうした信仰登山の拠点になっていたのが」


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室堂平。参籠のための室堂があった。

 


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タモリ「普通無いですよね」


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近江ちゃん上機嫌。

 


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草彅「今日は立山ブラタモリ

 


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室堂平に平らな地形が生まれた秘密を探るタモリさんが向かった先は…


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ミクリガ池。


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この近くにミドリガ池もあります。


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タモリ「これはどう見ても」


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近江「これって…」


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近江「合ってるかな…」


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直径が2km以上のものを「カルデラ」、それ以下のものを「火口」と区別しているのです。近江ちゃん惜しい!


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火口湖。


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丹保「その平らな地形ができた痕跡が後ろの方に見えている」


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タモリ「何か流れてきたんだよ。火砕流か何か知らないけども」


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近江(え? 今回も置いてきぼり?)


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丹保「いいとこお気づきです」

 


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現在


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4万年前


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立山三山は火山ではないが、それとは別に「立山火山」という火山がある。


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まず噴火があって、溶岩が流れてきて平らにした。


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それから、水蒸気爆発が起こった。


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ミクリガ池もかつての「立山火山」の火口のひとつ。


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タモリ「真っ平らになっていますよね」


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近江「池はできないですね」


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行ってみましょう。


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雪が残っている。


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近江「何だこれは!」


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極楽があって、地獄がある。


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地獄谷が現在の「立山火山」の火山活動。


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日本最高所の温泉


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雲上の温泉


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男湯?


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近江ちゃん入る?


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近江ちゃん男湯に潜入。


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温泉入る?


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足湯だけね。


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次の記事へと続く

 

 


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ミクリガ池


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地獄谷

 

 

 

📄ブラタモリこの記事の前

🔘黒部の奇跡でブラタモリ(1/3) - 森の踏切番日記

🔘黒部の奇跡でブラタモリ(2/3) - 森の踏切番日記

🔘黒部の奇跡でブラタモリ(3/3) - 森の踏切番日記

 

 

 

 

 

まとめ読み『デート・ア・ライブ アンコール』(1)~(6)

9月の読書録06~11ーーーーー

 デート・ア・ライブ アンコール

 (1)~(6)

 橘公司

 ファンタジア文庫

 (2013/05/25~2016/12/20)

 ★★☆

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今年の7月に『デート・ア・ライブ』の第1巻から第12巻までをまとめて読んだのだが、8月に最新巻が出たので、残りも一気に読んでしまうことにした。そこで、9月に第13巻から第15巻までを読んだのだが、それに合わせて『アンコール』シリーズもまとめて読んだ。

デート・ア・ライブ アンコール』シリーズは、おもにラノベ雑誌に掲載された「デート・ア・ライブ」の短編に書き下ろし作品を加えた短編集のシリーズである。本編のストーリーとは直接関係のない、日常的なユルい話ばかりなので、本編とは別になっている。

 


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TOKISAKI Kurumi

 

 

アンコール[2013/05/25]

雑誌『ドラゴンマガジン』に掲載された「十香ゲームセンター」「折紙インポッシブル」「四糸乃ファイヤーワークス」「琴里バースデー」「八舞ランチタイム」と書き下ろしの「狂三スターフェスティバル」が収録されている。

この中では、「折紙インポッシブル」が、鳶一折紙の変態ぶりが遺憾なく発揮されて良かった。デレた時崎狂三が見られる、書き下ろしの「狂三スターフェスティバル」も印象に残る。

他愛のない話が多いが、「四糸乃ファイヤーワークス」のお尻ペンペンの場面だけ異様に浮いている。あとがきによると、編集者のアイディアらしい。もしかしたら、ラノベ雑誌の編集者はアタマがおかしいのではないかな。

 


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Yoshino

 

 

アンコール2[2014/05/25]

雑誌『Newtype』に掲載された「士道ハンターズ」、『ドラゴンマガジン』に掲載された「未確認サマーバケーション」「未確認ブラザー」「天央祭コンテスト」、『ドラゴンマガジン』の付録小冊子として発表された「精霊キングゲーム」、書き下ろしの「エレン・メイザースの最強な一日」が収録されている。

前作よりパワーアップした本書でも、「未確認サマーバケーション」「精霊キングゲーム」と折紙が暴走する作品が面白い。折紙の変態キャラは、本編の制約がない短編の方が書きやすいのだろう。書き下ろしの「エレン・メイザースの最強な一日」は、エレンが天敵である亜衣麻衣美衣の三人娘に散々な目にあう話だが、本編で一度やったネタなので二番煎じだし、よくある展開だし、突っ込みが足りない。

 


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TOBIICHI Origami

 

 

アンコール3[2014/12/25]

ドラゴンマガジン』に掲載された「美九オンステージ」「士織ペナルティ」「七罪ティーチング」「真那リサーチ」、Amazonの全巻購入特典リーフレットの「キャットカフェ・ア・ライブ」、書き下ろしの「精霊メリークリスマス」「狂三サンタクロース」が収録されている。

この中では、書き下ろしの「狂三サンタクロース」が良かった。以前登場した眼帯時代の狂三のほかに、包帯時代や甘ロリ時代のいろいろこじらせている狂三も登場して楽しませてくれる。

他の精霊はキャラが単純なので、どうしても言動がパターン化されてしまうのだが、狂三の場合は、「分身体」が過去の狂三を投影した存在なので、狂三本体と分身体の会話は、狂三の性格が重層的に表現されることになる。それにより、キャラが複雑になることで面白味が出てくるのが良い。

キャットカフェ・ア・ライブ」はショートストーリーだが、狂三の猫好きキャラは、その後の本編の展開にも活かされているので見のがせない。 

 


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アンコール4[2015/08/25]

デート・ア・ライブ』アニメ一期のブルーレイ&DVDに付いていた特典小説「十香ワーキング」「四糸乃ハイスクール」「折紙ノーマライズ」「狂三キャット」「真那ミッション」「琴里ミステリー」と書き下ろしの「十香リバース」が収録されている。

特典小説の方は、時系列的にはアニメ一期で描かれた時期が終わった辺りまで、本編でいうと第4巻までの設定になっている。

特典小説だからか、他愛のない話が多くて小説としての完成度は高くないのだが、「狂三キャット」だけは出来が良い。本編では、妖艶で冷酷なキャラとして描かれている時崎狂三が、迷い猫のためにムキになるところが可愛げがあって微笑ましい。

この特典小説は、2013年の発表であり、『アンコール3』の「キャットカフェ・ア・ライブ」も同じ頃に書かれたものと思われる。どちらが先に書かれたのか知らないが、この時期に狂三の猫好きキャラが固まったようだ。

「狂三サンタクロース」も狂三の可愛げのあるところが描かれていて、分身体は狂三の深層心理を表現しているように思われる。こうした『アンコール』シリーズで描かれた狂三の本編とは異なる一面は、本編にうまくフィードバックされて、本編の狂三の造形に良い影響を及ぼしていると思う。

 


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TOKISAKI Kurumi

 

 

アンコール5[2016/05/25]

ドラゴンマガジン』に掲載された「折紙カウンセリング」「令音ホリデー」「白銀アストレイ」「白銀マーダラー」「精霊スノーウォーズ」と書き下ろしの「精霊ダークマター」が収録されている。

この中では「令音ホリデー」の出来が良かった。ありがちなネタだが、展開が面白かった。私生活は謎に包まれている村雨令音だが、ますます謎が深まるばかりである。

「白銀マーダラー」もありがちだが、アニメにすると面白いネタ。書き下ろしの「精霊ダークマター」も、ありがちな闇鍋エピソードだが、闇といえばあの精霊ということで、彼女も割とかまってちゃんだったりする。この巻は全体的に手堅くまとめたという印象。

 


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MURASAME Reine

 

 

アンコール6[2016/12/20]

ドラゴンマガジン』に掲載された「精霊ニューイヤー」「二亜ギャルゲー」「精霊アニメーション」「精霊オンライン」「精霊オフライン」と書き下ろしの「六喰ヘアー」が収録されている。

この中では「二亜ギャルゲー」が良かった。新しいアイディアではないが、展開が面白かった。この巻は、全体的に低調な印象。こういうネタには飽きてしまったというのもある。

二亜は短編向きのキャラだが、二亜が加わったことによって、方向性が変わってしまったようだ。ていうか、こういう方向へ誘導するために二亜を投入したと云えるか。

「六喰ヘアー」は、無理あり過ぎだろう。

 


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📄関連日記

まとめ読み『デート・ア・ライブ』(1)~(12) - 森の踏切番日記

まとめ読み『デート・ア・ライブ』(13)~(15) - 森の踏切番日記

 


 

 

 

藤野可織の『ファイナルガール』~女は度胸なのだ

9月の読書録05ーーーーーーー

 ファイナルガール

 藤野可織

 角川文庫(2017/01/25:2014)

 ★★★☆

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藤野可織は、以前から気になっていた作家の一人で、一度小説を読んでみたいと思っていたのだが、なかなか機会がなくて、今年の9月にようやく『おはなしして子ちゃん』を読むことができた。これが、期待以上に面白くて、すっかり気に入ってしまったので、引き続いて本書も読んでみた。

本書には、7編の短編が収録されているが、いずれもユニークな作品である。

 

 

 

ファイナルガール (角川文庫)

 

 

 

まず最初の「大自然」では、次の一節が引っかかった。 

「芸術は人工物です。人工物に対して、自然がある。ふつう、私たちはそのように考えがちです。でも、よく考えてみてください。人工物、芸術をつくるのは、私たち人間ですよね。人間って、なんですか? そう、動物です。動物は、自然の一部です。つまり、私たち自身の肉体もまた、自然なのです。

 さて、芸術作品をつくるとき、手や目といった肉体のほかに必要なものはなんだと思いますか? そう、こころです。では、こころというものは、人工物ですか、自然ですか。どっちだと思いますか? そうですね、自然ですね。この作品をつくった芸術家も、そのように考えました。それで、肉体という自然を使って、こころという自然を思いのままに表現したものが芸術作品なのだから、芸術作品はどれも例外なしに大自然なのである、と考えたのです」

面白い屁理屈である。「芸術」を「石油化学工業製品」と置き換えてみると分かりやすい。人間の肉体も心も「非人工物」だが、人間が作り出した物は「人工物」なのだ。私は「人工物」もまた「自然」の一部だと思う。つまり、「人工物」は「自然」と対立するものではなくて、

{人工物}∪{非人工物}={自然}

だと思う。ファーストキスは甘酸っぱくはない。

 

 

「去勢」は、十七歳の夏以来ストーカーにつかれている女性の話。「憑かれている」と表現した方がよいかもしれない。不気味だが実害があまりないので、主人公にとって環境の一部になってしまっている。メタフィクション的に考えると、このストーカーは読者自身だと見なすことができる。小説の主人公にとって読者とはストーカーのような存在に違いない。そこに思い当たると、夢の中で犯罪を犯したときのような気分になる。

 

 

「プファイフェンベルガー」のマイケル・プファイフェンベルガーは映画俳優である。下の早口言葉を3回続けて言ってみよう。

〈赤プファイフェンベルガー青プファイフェンベルガー黄プファイフェンベルガー〉

言えねえ。とにかく、この短編はプファイフェンベルガーに尽きる。作者がプファイフェンベルガーという名前にはまって書いたんじゃないかとすら思われる。プファイフェンベルガー主演の映画のタイトルを想像してみる。

『ターミプファイフェンベルネーター』

『トータルプファイフェンベリコール』

『プファイフェンベレデター』

『プファイフェンベルランボー』 

『リーサルプファイフェンベルポン』

『ダイプファイフェンベルハード』

『沈黙のプファイフェンベルガー』

もうやめとこ。

 

 

「プレゼント」の小林は、デートしてキスしたら、虫歯の味がすると言われる。しかも、今から歯医者に行こうと言われ、十六歳のナツミ行きつけの小児歯科に連れて行かれる。

小林は、二十一歳で彼女のカテキョーである。大学の友人からは(ペドフィリアの)「ペド」とからかわれている。小林は友人に対して優越感を持っている。お気楽な性格だ。

歯を抜かれたくらいで喪失感を感じるのは大袈裟だと思う。小林は、よほど恵まれた生活をしているのだろう。彼は抜歯した歯をポケットに入れていたのだが、ナツミと別れた後確認したら歯がなくなっていた。彼女は、記念に彼の何かが欲しかっただけなのかもしれない。

 

 

「狼」の主人公(俺)が五歳のとき、両親とともに郊外のマンションに引っ越した日に、一人でお留守番をしていると、狼が訪ねてくる。狼は、独りのとき、来そうだなと思ってしまうと、やって来るものだ。

狼を倒すために必要なものは腕力ではなくて胆力である。どんなに肉体を鍛えても胆力がなければ狼を倒すことはできない。

 

 

「戦争」の主人公(私)は、サイモンの死をずっと悲しんでいる。サイモンは、「ハリー&レニーシリーズ」という小説の脇役である。彼女は、現実の人の死は悲しまない。彼女が生きている世界は戦争下にある。彼女は爆撃で死んだ「あなた」の死を悲しむことができない。彼女は、サイモンの死だけを悲しみ続けている。

私も、人は死ぬものだと思っているので、人の死をあまり悲しまない。もし悲しむならば、すべての人の死を同等に悲しまなくてはならない。私には、そんなことはできない。

彼女は、自己防衛的に感覚を麻痺させているのかもしれない。現実の人の死は受け入れがたい。サイモンはその代用なのだ。

 

 

最後は表題作の「ファイナルガール」である。リサは幼い頃にシングルマザーだった母親を亡くした。彼女の住むアパートが連続殺人鬼に襲われたのだ。リサはたったひとりの生き残りだった。母親の機転で助かったのだ。以来、彼女は何度も連続殺人鬼に襲われるが、その度に連続殺人鬼をたったひとりで打ち倒し、ひとりだけ生き残ってきた。このリサと連続殺人鬼の闘いの描写は秀逸である。さすがホラー映画好きの作者だけのことはある。

この短編集に登場する男性陣は、皆、どことなく頼りない。「去勢」のストーカーにしても、「プファイフェンベルガー」の伊藤にしても、「プレゼント」の小林にしても、「狼」の俺にしても、「戦争」の亮輔にしても。それに対して、女性陣は、皆、肝が据わっている。「ファイナルガール」のリサは、その最たるものである。彼女たちは、最早男なんかあてにしていない。これが現代社会を象徴しているとしたら、まったく困った時代になったものだ。

 

 

 

ファイナルガール (角川文庫)

ファイナルガール (角川文庫)

 

 

 

 

 

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