森の踏切番日記

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『重力波とはなにか』を読む

2月の読書録04ーーーーーーー

 重力波とはなにか

 安東正樹

 講談社ブルーバックス(2016/09/14)

 1702-04★★★★

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🐱2016年2月11日、米国ワシントンDCで、重力波望遠鏡プロジェクトLIGO(ライゴ)の記者発表が行われた。その内容は、1916年にアルベルト・アインシュタイン一般相対性理論の帰結のひとつとして存在を予言していた「重力波」の観測に初めて成功した、という驚くべきものだった。

📄重力波をブラックホールから「観測」 アインシュタインが予言 - BBCニュース

 

🐱本書は、この発表により世間に知られるようになった「重力波天文学」という新しい天文学を日本の重力波天文学の第一人者が一般向けに解説したものである。本書の「はじめに」によると、

本書は、この重力波についてわかりやすく解説することを目的としています。さらに、重力・一般相対性理論ブラックホール・高エネルギー天体現象や宇宙論といった、重力波と大きな関わりをもつ事柄にも話題を広げています。また、重力波観測の歴史的な意義も感じてもらいたいという考えから、自然や宇宙に対する人類の理解の変遷、重力波観測に至るまでの知識や技術の蓄積、そして今後の可能性という時代の流れをも意識して書きました。

ということである。

🐱「わかりやすく解説する」とは云いながら、本書はかなり高度な内容で、ブルーバックスの中でも難易度の高い部類に属すると思う。各章に著者によるポイントがまとめられているので、ここではそれを中心に紹介しようと思う。

 


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アインシュタイン方程式

 

 

第1章:重力波の前に

⭐重力は古くから人類に認識された力であったが、その正体は長らく理解されていなかった。アインシュタイン一般相対性理論によって、重力は「時空の歪み」として解釈された。

一般相対性理論はさまざまな観測や実験で検証され、それらのすべてで矛盾のない結果が得られている。

一般相対性理論の最初の厳密解であるシュヴァルツシルト解は、ブラックホールの存在を示唆するものだった。ブラックホールの候補天体は、X線や電波の観測で発見されている。

🐱この章は、一般相対性理論ブラックホールの一般向けの解説書によくある内容で、この章だけでも1冊の本になるような内容なのだが、簡潔にまとめられている。本書を理解するには、一般相対性理論ブラックホールの一般向け解説書を予め読んでおいた方がよいだろう。

 

 

第2章:これが重力波だ 

重力波とは、時空の歪みが波として光速で伝わるものである。

重力波の振幅は、離れた2点間の距離の変化(歪み量)として表される。

重力波は質量をもった物体の運動によって生成される。その振幅はきわめて小さく、観測できるような重力波を生成するには、大質量の物体が光速に近い運動をする必要がある。観測が期待できるのは主に、連星系など宇宙起源の重力波である。

🐱この章は、かなり難解。アインシュタイン方程式は一度解いたことがあるので、テンソルとかダランベール演算子とかは分かるのだが、偏波成分が苦手。上のポイントに付け加えると、重力波は「横波」であるということ。なので、電磁波との類推で考えてみると「重力波の雰囲気」をつかむことは出来る。(電磁波も偏波成分をもつ)

 


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連星パルサー重力波の伝播のイメージ図

 

 

第3章:重力波の存在証明

⭐1974年に発見された連星パルサーは、一般相対性理論の検証の場になっている。その観測によって、重力波の存在が間接的に証明された。

中性子星ブラックホールからなる連星の合体は、有望な重力波源の1つになっている。誤差は大きいものの、1つの銀河あたり10万年に1回程度、こうしたコンパクト連星の合体が起こると見積もられている。

⭐連星合体時に放射される重力波は「チャープ波」と呼ばれる波形になる。

🐱この章は、1970年代に重力波の存在が間接的に証明された話だが、これだけ専門的で深い内容は初めて読んだ。「チャープ波」の波形を音声信号にすると「ピヨ」という鳥がさえずるような音になるのだそうだ。

 

 

第4章:重力波観測への挑戦

🐱この章は、1960年代に始まった重力波観測への挑戦の歴史を第一世代レーザー干渉計型重力波望遠鏡まで紹介している。観測装置の技術的な進歩とともに「数値相対論」といった解析技術の進歩も取り上げている。

 

 

第5章:進化する「第二世代」

🐱第一世代重力波望遠鏡では重力波の観測は成功しなかったので、第二世代へと進化した。この章では、その進化の内容を説明している。重力波という微弱な波を観測するのにどれだけの技術が必要かということがよくわかる。

 


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アメリカのLIGO

 

 

第6章:重力波の初観測

⭐2015年9月14日、LIGO重力波信号の初観測に成功した。それは連星ブラックホールの合体からの重力波で、新たな知見と謎をもたらした。12月には2つめの重力波信号も観測されている。

重力波の波形から、これまでに得られなかったような天文的情報が得られた。これまでの重力波の初観測を目的とする研究から、重力波を用いた天文学を進める新しい時代に突入した。

⭐本格的な天文学を発展させるためには3台以上の重力波望遠鏡での同時観測が必要であり、ヨーロッパのVIRGOや日本のKAGRAへの期待が高まる。

⭐さらに将来的には、第三世代の重力波望遠鏡、宇宙重力波望遠鏡の検討や基礎開発も進められている。

🐱この章が本書の肝と云ってよいだろう。上に挙げられた各ポイントについて詳しく解説がなされている。特に連星ブラックホールが合体する過程は興味深い。

 

 

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連星ブラックホールのイメージ図

 

 

第7章:重力波天文学でわかること

重力波を用いることで、人類は宇宙を観測する新たな手段を手に入れた。これまでの主に電磁波による天文学では得られなかった情報や、相補的な知見を得ることが期待できる。

(以下略)

🐱具体的には、ブラックホールやその連星系について。巨大ブラックホール形成の謎について。中性子星状態方程式ガンマ線バースト、連星中性子星の合体についてなど。

🐱特に興味深いのは、重たい原子の起源の謎についてである。恒星の核融合反応では鉄までしか生成されない。鉄より重い原子はどのようにして生成されるのか、超新星爆発だけでは説明しきれないのだ。それが解明される可能性があるという。楽しみな話である。

 

 

第8章:重力波が変える宇宙論

🐱この章は、宇宙論に関する一般向け解説書によくある内容で、ようやく見慣れた風景に帰ってきたという感じ。ビッグバン宇宙論宇宙マイクロ波背景放射、インフレーション理論など、宇宙論の変遷が簡潔に説明されている。

🐱現在、インフレーション理論は100を超えるモデルが提案されているということで、原始重力波の観測が新たな知見をもたらすことが期待されている。

重力波による観測の究極の目標は「宇宙のはじまり」を直接観測することにあるといっても過言ではありません。

 

 

第9章:究極の重力理論を求めて

🐱現代物理学では、自然界に存在する4つの力(強い力・弱い力・電磁気力・重力)を統一する「究極の理論」を構築することが求められていて、そのためには、一般相対性理論量子力学を融合した「量子重力理論」を確立しなければならない。その有力な候補として「超弦理論」がある。また、別のアプローチとして、一般相対性理論を拡張した「修正重力理論」がある。重力波天文学一般相対性理論を検証することによって、これらの理論に寄与すると著者は主張している。

 


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銀河の中心には巨大ブラックホールがあるという。(画像はM83)

 

 

🐱日本の宇宙重力波望遠鏡DECIGOは、かなり壮大な計画で、つまり、かなりお金が掛かりそうなミッションである。研究グループの副代表を務める著者としては、国民の理解を是非得たいところであろうと推測する。

 

 

🐱著者は、「宇宙のはじまりを直接観測し、知りたい」というのは、「人類の根源的な欲求」であるという。何故人類は、宇宙のはじまりを知りたいと思うのか。それは、何故宇宙に知的生命体が存在するのか、という問題に繋がると考える。宇宙自らが自己のレゾンデートルを求めているのである。我々は、宇宙と無関係の存在ではあり得ない。我々もまた、宇宙の一部に違いないのだ。

 

 

😽「宇宙のはじまり」が分かったとしても、じゃあ、その前はどうなの? という疑問が出てきてキリが無いという気もするが、宇宙の果ての向こう側とか、宇宙のはじまりの前とかは、認識の仕様が無いので考えない方がよいだろうな。

 

 

 

 

 

 

📄関連図書

本書の最後に著者が参考となる図書を紹介しているので、その中から何冊かここに挙げておこうと思う。

 

😺★★★★

🐱 インフレーション理論の提唱者自らが語ったインフレーション理論の入門書。一般向けの科学講座での話を基にしているので、平易な語り口で分かりやすい。

🐱他に『宇宙96%の謎』、『アインシュタインの宇宙』(いずれも角川ソフィア文庫)もおすすめ。

 

 

 

🐱 ★★★☆

🐱小松英一郎は、日本人で唯一WMAPのプロジェクトに参加した宇宙物理学者。WMAPの話は、現場にいた人だけに詳しく解説されていて面白かった。原始重力波の偏光についても解説されているのだが、やはり難しい。小松氏は、一般相対性理論の修正を目指しているとのことである。

 

 

 

重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る (幻冬舎新書)

重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る (幻冬舎新書)

 

😺 ★★★★

🐱特殊相対性理論一般相対性理論ブラックホール量子力学超弦理論ブラックホールの情報問題と、重力研究について詳しく解説している。

🐱ヒッグス粒子について書かれた『強い力と弱い力』(幻冬舎新書)もおすすめ。

 

 

 

大栗先生の超弦理論入門 (ブルーバックス)

大栗先生の超弦理論入門 (ブルーバックス)

 

😺 ★★★★

🐱超弦理論の専門家が超弦理論を分かりやすく解説した入門書。と云っても超弦理論自体が難しいので入門書としてはハイレベルな内容。空間は幻想なのだそうだ。

 

🐱他に、『宇宙は何でできているか』村山斉著(幻冬舎新書)などが紹介されていた。村山斉の一般向け科学解説書では他に『宇宙は本当にひとつなのか』、『宇宙になぜ我々が存在するのか』(いずれも講談社ブルーバックス)もおすすめ。🐥

 

 

 

 

 

神戸の港でブラタモリ

ブラタモリ』#64神戸の港

~神戸はなぜ1300年も良港なのか?


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😽本日は番組を変更して『近江の知らない世界』をお送りします?

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🐱水戸の偕楽園の梅も見頃のようですね。

 


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🙀前回は少しふざけすぎたので、今回は簡潔にいきます。

 

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🐱神戸とタモリといえば、筒井康隆


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🐱この用件の内の一つは、1976年12月19日の神戸文化ホールでの「WIDE WIDE JAZZ」の司会の仕事ですな。


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🐱12月18日の夜、筒井康隆山下洋輔が駅までタモリを迎えに行っている。(この日、浜松で不発弾が発見されて新幹線が止まった)


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🐱タモリは、垂水の筒井邸に山下洋輔と共に泊まっている。


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🐱そこで、新芸「典型的な名古屋人がバーにやってきたところ」などを披露している。(筒井康隆著『腹立半分日記』より)


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🐱あの頃のタモリは、ギラギラしてたなあ。


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近江「1300年!」


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タモリ平清盛が整備したその前から多分あった」


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ダブル森田


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神戸港は今年で開港150年目。


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森田「良港っていうと、どんな条件が思い浮かびますか?」


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森田「かなり的を射ています💦」

🐱タモリさん即答。しかも、ほぼ正解。

 

 

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年間200万人が利用する日本の海の玄関口の一つが、Port of KOBE。


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年間およそ3万5千隻もの船がやって来る。


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タモリ「それは言うでしょう」


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草彅「タモさん、ちょうど客船が入港したようですよ」

 
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近江「タグボート?」


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🐙近江の知らない世界①~タグボート


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接岸マニア


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タモリ「これ、2万㌧ぐらいの船ですかね」

近江「相当大きいですね」

森田「ドンピシャですね。これ2万2500㌧です」


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近江「これが小型?」

森田「2万㌧って小型なんです」


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森田「今までに入った一番大きな船が16万8666㌧」

近江「えっ?8倍?」


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🐱東京タワーより長い!


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🐙近江の知らない世界②~客船

 

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あと二つ良港の理由を探る。

 


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🍨近江の知ってる世界①~明石海峡大橋


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大阪湾そのものは陸地に囲まれていて風の影響を受けにくい地形。


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風の抜け道は、明石海峡紀伊水道の二つある。


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偏西風の影響を受ける明石海峡の方が風が強い。


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その風を六甲山地が防いでくれる。 


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🍨近江の知ってる世界②~湾曲


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明石海峡は狭くなるので、潮流がかなり速くなる。(ここは難所で海難事故も多い)

ところが、和田岬が張り出しているおかげで、港はさほど影響を受けない。


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草彅「この三つの条件を満たした天然の良港神戸港。だからこそ、1300年も繁栄したんですねぇ」

 


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草彅「では1300年前の神戸の港、どんな様子だったんでしょう。それを探るためタモリさん、神戸の中心から南西3kmの場所に向かいます」


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🐱神戸は『べっぴんさん』がらみか。


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🐙近江の知らない世界③~大輪田泊


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1300年前の奈良時代、この辺りは大和田泊と呼ばれていた。


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日宋貿易の拠点として繁栄。


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😽相変わらず清盛は不気味だな。


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江戸時代、兵庫津と名を変え、ますます繁栄した。幕末の頃には、約2万人が住んでいたという。


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誇張して描かれた和田岬


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江戸時代の兵庫津の姿とは?


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谷口「この内海のあたりが(かつての町の)中心地」


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町名が残っているか探しに向かう暗渠探偵改め町名探偵タモリ


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近江「確かに見たことない」

🐙近江の知らない世界④~橋の上のバス停


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「船大工」発見。


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🐱ということで、向かい側へ向かう町名探偵タモリ


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😽花沢「見つけたわよ、イソノ君」

 
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😽京都人「えっ? 普通ですやん」


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運河が内海の一部にあたることがわかる。


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草彅「町名から内海を中心とした港の姿がよみがえってきました」

 


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草彅「では、当時の兵庫津はどれだけ繁栄していたんでしょう」


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🐱百歩以上を数歩と盛る案内人。


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京都から西へ向かうメインストリート。


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タモリ「まあ不自然ですよね」


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タモリ「道を曲げて流通を円滑にするしかなかった?」


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西国街道は山側をまっすぐ通っていたが、繁栄した兵庫津を通るように曲げられた。


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草彅「物流の交差点だったんです」


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谷口「この港とこの陸の道とが接点を持ったということが非常に重要」

 


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草彅「神戸港が1300年も栄えたヒミツ、実は全て立地にあるんです。それを確かめに行きましょう!」

 

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タモリ「ロープウェイがありますよ⤵」

タモリ「嫌だよね」


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近江「えっ、楽しくないですか🎵」

タモリ「楽しくないよ!全然!」

 
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😽近江アナのタモリいじり!


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😽近江ちゃん、意外とSなのか?


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😽関西人「そこは、こけるトコやろ」

 


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近江「見ないです?」

タモリ「見ないです」

近江「港も見えますよ🎵」


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🐙近江の知らない世界⑤~高所恐怖症


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タモリ「やっぱり地面がいいよ地面が!」


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近江「これ回ってる!」

谷口「近江さん、こういうものはご存じですか?」

近江「いや、ないです」


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🐙近江の知らない世界⑥~回転展望レストラン


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立場逆転


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谷口「さすが鋭いですね。今日は特別に速く…」


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😽関西人「近江ちゃん、そこはツっこまな」

 


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草彅「この場所で六甲山地は海にせり出しています」
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草彅「しかも、この地形によってある境が生まれたんです」


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タモリ「キワですね」


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😽草彅「畿内とは、テレビに出てくるシロウトがいちいち面白い特別な場所の事」


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😽草彅「ほらね」


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🐙近江の知らない世界⑦~関西の各大学には少なくとも1人はオモローなセンセがいてはる。


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😽ぐーっと。


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😽バンっと。


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草彅「岩石に両側から圧力をかけると」


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草彅「このように、X型に亀裂が入ります」


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草彅「そして、この六甲山地が斜めにそびえた事こそ」


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😽琵琶湖の土地が地震で飛び上がって落ちたのが淡路島だと小学生の頃思ってたなあ。


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😽Xの色が「紅」だ。


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草彅「亀裂が重なりもろくなります」


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😽きゅっと。

🐙近江の知らない世界⑧~関西人は擬音好き

 

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海峡が「きゅっと」狭くなっているので、潮流が速くなり、砂がどんどん運ばれて和田岬が出来上がった。


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3つ目の条件、水深があるのは何故なのか?


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大きな淀川が運んでくる土砂が大きな大阪平野を作ったのに対して、傾斜が急な六甲山地には小さな川しかないので、土砂があまりたまらない。


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そのため、神戸港は水深がある状態が保たれる。

 


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神戸の良港のヒミツはこれだけではない!


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😽道中何かあったのか?


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😽二人のテンション下がってる⤵


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😽ダブル森田再結成。


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🐱近江ちゃんのピアスがいつも気になる。


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草彅「世界の船乗りが愛した‘神戸の水’のヒミツが分かるんです」


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森田「5年腐らないっていうんです」


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森田「5年たって飲んでみましたけど、おなか大丈夫でした」


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草彅「どうして赤道を越えてもここの水は腐らないんでしょうか?」


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神戸市水道局の清水武俊さん(左)と松下眞さん(右)。


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🐱単純に言えば、不純物が少ないということ。これを、すぐに思いつくタモリさんは、さすが鋭いと思う。


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🐱不純物が少ないことを実際に検査してみる。近江ちゃんはタモリさんの背後霊か。


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🐱ほとんど不純物が無い!


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😽ハラショー。


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ミネラルが多すぎても駄目だし、少なすぎても駄目。程よいミネラルの量が必要。

 

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ミネラルの違いでおいしさは変わる?

ということで、紅茶で飲み比べ。


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山奥でお紅茶


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🐱自前の水筒。はるか。


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😽弟がいたら、確実に「かなた」だな。


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🐱私事ですが、毎朝1問クイズを解くのを日課にしています。(ゲームのアプリの)


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🐱この日解いたクイズが、たまたま「英語で black tea はウーロン茶のことである。⭕か❌か」という問題でした。


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🐱正解は❌。Wikipediaでは、発酵させた茶葉の色から紅茶を black tea と云うとなっています。


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🍨近江の知ってる世界③~紅茶の香り


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🐱Tea for Two in Rokko


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タモリ「はるかちゃんのはうまいね」


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🐱こちらは、お父さん用の水筒の紅茶。


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😽お父さん、いろんなものが混じってて、くどい。なんか、かわいそう。


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🙀なんか、危険な連中が攻めてきそうな所だなあ。

 

 


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😽バルサタモリの苦難の旅路は続くのであった。

 

 


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山が急峻なので、一度雨が降れば洪水になりやすいという一面もある。

 

草彅「洪水になると、大量の土砂が貯水池に流れ込みます」


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草彅「水は腐りやすくなります」


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普段は水を左へ流す。


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洪水の時は、左のゲートを閉めて濁った水を右側へ誘導する。


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濁った水をトンネルの方へ逃がす。


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草彅「良い港の最後のヒミツ、神戸の水。急峻な六甲山地から生まれ、明治時代の人々の知恵で守られてきたこと、よ~く分かりました」

 

 

🔎布引渓流Google マップ
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タモリ「神戸はなぜ1300円も…」

近江「1300円(笑)」


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🙀タモさんお疲れ?

 

 

おまけ
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🔎鉢伏山上駅Google マップ


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🐙近江の知らない世界⑨~カーレーター


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🐱今回は、見慣れた風景が沢山出てきて楽しかった。


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🐱民放の関西ローカルとはテーストが違っていて新鮮だった。


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🐱知ってることもあったし、


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🐱知らないこともあったし、


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🐱興味深い深い内容だった。


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次回は
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📄こちら➡神戸の街でブラタモリ - 森の踏切番日記


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次回は明治以降の神戸をやるのかな?

 

 

 

📄関連日記

🔘別府でブラタモリ - 森の踏切番日記

🔘別府温泉でブラタモリ - 森の踏切番日記

🔘水戸でブラタモリ - 森の踏切番日記

🔘さぬきうどんでブラタモリ - 森の踏切番日記

 

 

『青の数学2』の感想~数学よりも女心の方が難しいぞ

2月の読書録03ーーーーーーー

 青の数学2 ユークリッドエクスプローラ

 王城夕紀

 新潮文庫(2016/11/01)

 1702-03★★★

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数式(まほう)は解け、
僕の青春が始まる。

数学オリンピック出場者との夏合宿を終えた栢山は、自分を見失い始めていた。そんな彼の前に現れた偕成高校オイラー倶楽部・最後の1人、二宮。京香凛(かなどめかりん)の数列がわかったと語る青年は、波乱を呼び寄せる。さらに、ネット上の数学決闘空間「E^2」では多くの参加者が集う“アリーナ”の開催が迫っていた。ライバル達を前に栢山は……。数学に全てを賭ける少年少女を描く青春小説、第2弾。


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🐱この小説は、出てすぐに購入したのだが、他に読みたい本もあって、読むのを後回しにしていた。それだけ期待していなかったということになるが、まあ、予想の範囲内の内容だった。

 

🐱前回にも書いたが、数学をテーマにしているところは珍しいが、内容的にはオーソドックスな青春小説なので展開が読めるのである。つまり、主人公が壁にぶち当たり、それを乗り越える話である。悪くはないが平凡な印象という感じである。

 

 

🔘登場人物2

※前回からの登場人物は例外を除き省略する。

二宮(にのみや)偕成高校3年生男子。オイラー倶楽部。夏合宿には参加せず、夏中バックパッカーをしていた。

「問題を解くだけが数学じゃないからな」

 

美作(みまさか)偕成高校男子。オイラー倶楽部。夏合宿に参加。(前回も登場)

「自分と戦うのが楽しすぎて、他人とやる暇なんてないよ」

 

ダークマター 夏に「E^2」に突然現れた新勢力。

 


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引用元:September 18, The Day Leonhard Euler Died | Ama...

筆者:Dr. Stefan Gruenwald

 

 

🐱主人公は、基本的に数学の問題を解いているだけなので、話にアクセントをつけるのが難しい小説である。定期試験や文化祭といった日常的な学園風景の中で、主人公は、一度立ち止まったりしながらも、ひたすら数学の問題を解いていく。その中で、お使いで訪れた大学での数学者との会話と緑に覆われた柊の研究室跡の風景は印象的だった。

 

🐱各登場人物の夏以降の変化を丁寧に書き分けているところは好感が持てたが、ありふれた話なので、もう一工夫あっても良かったかと思う。ダークマターのエピソードは、もう一つピンと来なかった。

 

🐱話の合間合間に挿入される、ごま塩頭の男が少年に語る数学の歴史は、作者の理解するところの数学史が分かって興味深かった。

 

🐱七加と柴崎が栢山のことをどう思っているのかが気になるところなのだが、興味が好意に変わり、好意が恋愛感情に変わる手前位のところだろうかと推測する。特に、柴崎の方は恋心を抱いていても不思議ではないと思うのだが。栢山は母性本能をくすぐるタイプだと思う。

 

 

🐱数学の問題を解くという行為は潜水に近いかと想像する。数学の海に潜って行くようなイメージである。数学の海の風景は地上の風景とは全く異なるのだろう。数学の問題を解き続けることによって深く長く潜り続けられるようになるのだ。そして、限られた一部の人間は、数学の海を自由に泳ぐためのエラを持つように進化するのだろう。天才というのは、最初からエラ呼吸が出来る人のことなのだろう。というようなことを高校時代に考えたことを思い出した。ま、こっちは浜辺でパシャパシャやっていただけだけどね。同じ理系でも数学科は異世界なのだ。

 

🐱ここ数年、数学や物理の一般向け解説書を再びいろいろ読むようになったのだが、今の方がよく理解できて面白く感じる。数学の楽しみ方は一通りではない。

 

🐱巻末の参考文献を読んだ方がはるかに面白いという前回の感想は変わらなかった。数学は言葉で説明するよりも、実際に数学に向き合った方が良いに決まっているし、現実の天才数学者の話の方が断然面白いのだから仕方が無い。

 

🐱まあ、数学とは「関係」なんだろう。数学に向き合うときの自己と数学との「関係」、それが数学なのではないだろうか。🐥

 

 

 

青の数学2: ユークリッド・エクスプローラー (新潮文庫nex)

青の数学2: ユークリッド・エクスプローラー (新潮文庫nex)

 

 

 

 

 

物事があまりに複雑になりすぎたら、ときには立ち止まって、自分の問いが正しかったのかどうかを考えてみるがよい。

(エンリコ・ボンビエリ)

素数の音楽』マーカス・デュ・ソートイ著より

 

 

 

 

📄この記事の前

 

 

 

 

 

 


 

別府でブラタモリ

ブラタモリ』#63別府

~巨大温泉都市・別府はどうできた?


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😽業界人「プーベツでパイオツがダシモロのゴクGCムーがまいう~」

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先週に引き続き別府温泉第二弾。


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タモさんのお祖母さんの殺し文句。

 

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「#62別府温泉」と「#63別府」の違いは何?


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別府八湯は、温泉の量・種類とともに日本一。(先週の#62別府温泉より)


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江戸時代の温泉番付では浜脇温泉と別府(小別府)温泉が西方の上位を占めていて、浜脇温泉の方が番付上位だった。


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では、巨大温泉都市・別府は、どうやってできたのか?

 

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😽ぬこ「知るか!」

 


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😺このエレガントな後ろ姿はもしや。


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😺お懐かしや。


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😺松田センセ。


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📄ブラタモリ#27熱海(2016年1月16日放送)

 

 

🔘竹瓦温泉 - Wikipedia(写真著作者・大分帰省中)
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竹瓦温泉、市営の共同浴場。1879年(明治12年)開設。

 


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🐱竹瓦温泉は置いといて、港に向かいます。


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タモリ「古い積み方ではありますね」


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タモリ「港をつくった跡でしょうね」


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🐱ここからは、別府市 - Wikipediaも参考にしました。


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1871年明治4年)、別府港(後の楠港)完成。

1873年明治6年)、大阪との定期航路ができる。関西と直接つながった別府村は急速に発展していく。


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♨1889年(明治22年)、別府村が自治体として発足。

1893年明治26年)、町制施行、別府町になる。(浜脇村も浜脇町になる)


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♨1906年(明治39年)、(江戸時代一番賑わっていた)浜脇町と別府町が合併した別府町が誕生(対等合併)。

 

草彅「更に港の周りには、とっても珍しい光景が広がり、別府を訪れた人たちの間で評判を呼んでいました」
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センセ「こんなふうに砂浜を掘ればどこからでも湯が湧いてくるというふうに言われておりまして自分で好きなところを掘って、こういうふうに砂湯を楽しんでいたんですね」


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センセ「そうですね。じぁあ…、折角なのでこういう雰囲気を追体験してみたいなと」

タモリ「ああ…、分かりました」

近江「追体験?」

😽エレガントにディープな提案をする松田センセ。ノリノリのタモリさん。ついて行けない近江ちゃん。


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タモリ「じゃ、記念撮影してもらおうか」

😽角度を細かく注文する森田氏。

近江「ああぁ…腹筋が…」


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案内人「とっておきの写真があるんですけど」

😽案内人「旦那、いいブツがありやすぜ」


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😽業界人「プーベツでパイオツがダシモロ」


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タモリ「いいだろうな、ここで砂にまみれて。おおらかに」


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😽オッパイ星人タモリ得意技妄想。

 

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小さな温泉地だった別府(小別府)は、港が出来たことによって、たくさんの人が集まり大きく発展していった。

 

草彅「続いてタモリさんがやって来たのは」
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明治の終わりに浜脇町と合併した別府町が、その後どう発展したか?


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不老泉。長寿長命の温泉として人気。


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センセ「先ほど見た地図にも不老泉が描かれていた」


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センセ「その道がこちら」

 
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草彅「実は、このまっすぐな道こそ」


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草彅「大きく関係しているんです。どういうことでしょう?」


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センセ「この道は明治43年から始まった市区改正事業によってつくられています」

♨1911年(明治44年)、別府駅開設。


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😽砂湯、別府港、砂湯、源左ェ衛門尻。


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タモリ「計画的に一挙にこんなにきれいになってるんだ」


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😽元が鄙びた土地だったからか、住民が協力的だったからか、強力な推進者がいたか。

 


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道をまっすぐに整備したのに、どうして曲がりくねった道が残ったのか?


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タモリ「この曲がり方は…、だいたい川ですよね」


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流川という川が暗渠となって今も残っている。


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タモリ「うれしそうだね、暗渠」


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😽知ってる言葉が出てきてうれしい近江アナ。小学生かっ!


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江戸時代の地図を見ると、「湯ノ川アリ」とある。


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その証拠が残っている松下金物店に向かう。

🐱昔ながらの金物屋さんだな。


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タモリ「マイ温泉があるんですか!?」

松下さん「はいどうぞ」

タモリ「へえ~、ぜいたくですね」

🐱タモさん羨ましそう。そのうち別荘に温泉作りそうな勢い。

 

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タモリ「かけ流しね!」

🐱地元の人の感覚では、たれ流しなんだな。


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明治以降、港が近く、温泉の開発が進みたくさんの旅館が建ち並んでいた流川沿いは、当時一番にぎわっていた。


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ここにまっすぐな道を通して流川通りと名付けた。

🐱賑わってる所は手がつけられないものな。


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😽草彅「おやおや、タモリさん、暗渠の先が気になりますか」


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😽暗渠探偵タモリの事件簿


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近江「暗渠巡りの機会はなかったですね」

普通はない。

😽近江ちゃんは、出来の悪い学生扱いだな。


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😺松田センセ、楽しそう。


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近江「暗渠を見分けるのポイントってあるんですか?」

暗渠探偵「妙な曲がり方」


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暗渠探偵「川はほら、低いとこ低いとこ行きますから」


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🐱水の気持ちになって、どちらに流れるか考える森田氏。暗渠探偵も悩むハイレベルの事件らしい。


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暗渠探偵「水の気持ちになると左の道が怪しい」


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暗渠探偵「ひとつ気になるのはここの建物の並び方」


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暗渠探偵「行ってみましょう」


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暗渠探偵「これだ」


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女刑事タカラヅカ「見つけましたね」


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😽草彅「暗渠探偵の名推理によって、事件は解決した…かに思われた」


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😽タカラヅカ「ほんの~ちょっと~水面が~見える~場所が~あ~る~🎵」


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🐱暗渠探偵は、ミュージカルが嫌いだけど、宝塚歌劇団はどうなんだろ?


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😽タカラヅカ「今~ここだけ~が~水面が~見える~🎵」


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🐱暗渠探偵、満足そう。


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🐱恒例の剛クンを探せ。近江ちゃん、バイト中? 

 

 

草彅「続いてタモリさんがやって来たのは」
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1924年大正3年)市制施行、別府市になる。人口は1906年の合併時の約3倍(36,276人)。


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😽女刑事タカラヅカは、京都府警から事件の調査のため別府を訪れていたのだ。そこで、観光に来ていた暗渠探偵タモリと孫娘の駆け出しルポライター近江ちゃんと知り合ったのだった。

 

 

🔎ラクテンチGoogle マップ
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タカラヅカ「近代都市の都市軸といえる街路の突き当たりが遊園地なんですね。何とも別府らしい」

 

昭和の初め、さまざまな観光娯楽施設が作られた。
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高さなんと24m。当時東洋一の大きさ。


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九州の宝塚。


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1929年(昭和4年)別府遊園開業。


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🐱昭和の初めの日本は、観光ブームだったと記憶している。大仏とか、少女歌劇団とか、遊園地とか、ケーブルカーとかが、各地の観光地で作られたと記憶している。その中でも、別府は特異な発展を遂げた大温泉都市なのだそうだ。


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タカラヅカ「実は、この山は遊園地をつくるために開発されたのではなく、別の目的で開発が進んでいた山」


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😽タカラヅカ「それは~、何だと~、思う~か~ね~🎵」


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😽タカラヅカ「それでは、事件があった現場に案内しましょう」


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😽不審な行動をする案内役の大分県警刑事永野警部補。


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1903年明治36年)、この山でとても質の良い鉱脈が見つかり最盛期には年間20kg近くの金がとれていた。


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最盛期には200人以上が働いていたが、1916年(大正5年)に閉山した。


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もともと温泉が湧いていたのだが、さらに高温の温泉が湧き出した。


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温泉地への影響を心配した住民の反対運動や不況の影響などもあって、採算が取れなくなったようだ。


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タカラヅカ「入ってみましょうか」


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😽二人を旧坑道へと誘うタカラヅカ。彼女の目的とは?


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タモリ「おお…うわっ、すごい! 眼鏡曇って何も見えない! 熱い!」

😽暗渠探偵の身に何が!?


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タモリ「45℃ありますよ」

近江「しゃがむと涼しいです」


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😽タカラヅカ「フフフッ、おわかりになって?」


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タモリ「こんな状態ではできませんよ」

 
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タカラヅカ「金山と温泉の上にある遊園地」

タモリ「金山のリユース


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草彅「温泉都市になっていったんです」


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タモリ「湯気が出てる、頭から」


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センセ「私は、もうちょっとここで温まっていきますので」

😽タカラヅカ「私の正体は、怪盗タカラヅカ。ここで~お別れよ~🎵」

 

 

 

🔎鉄輪温泉Google マップ
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🙀すみません。少しふざけすぎました。m(_ _)m

 

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♨1935年(昭和10年)9月4日、石垣村、朝日村、亀川村を編入。


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鉄輪温泉は、長期間滞在する湯治客向けの温泉として人気。 


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貸間のスタイル。


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案内人「昔ながらの湯治がどんなものか体験してみませんか?」


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😽最近のブラタモリは、グルメも有りね。某食べ物屋さんの希望なのか?


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野菜や肉をザルにおいてぶら下げて、ふたをして10分から15分置いておくだけ。


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😽地獄で蒸して、極楽の味。上手いこというな。


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タモリさんも挑戦。

 


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🐱合併することによって、それぞれ特徴のある温泉地を一つにまとめて魅力を発信。


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🐱この時期は、戦時体制に向かいつつあることから、全国的に合併が進んだという事情もあると思う。


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🐱また、別府観光の父と呼ばれる油屋熊八(1863-1935)という人物がいたことも大きかったようだ。 


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🐱「山は富士 海は瀬戸内 湯は別府」というキャッチフレーズを書いた標柱を富士山をはじめとして各地に設置するなど様々なアイデアを実行し別府温泉を全国に宣伝したという。(油屋熊八 - Wikipediaより)

 


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🐱最近話題になった温泉マーク♨を広めたのも油屋熊八らしい。(考案者ではない)


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😽近江(美味しそ~)


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😽近江(こっちも美味しそ~)


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タモリ「ナスビからいってみましょうか」

タモリ「野菜の甘さが全然違いますね」


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近江「あっ、ナス? すみません」


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🐱ポン酢をかけると、また味が違うそうな。


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案内人「私もせっかくなんで」

🐱地元の人にはあまり馴染みが無いそうな。


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😽業界人「ゴクGCムーまいう~」


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😽近江(今日は変なセンセイに付き合わされたけど、美味しいものが食べられたから、まあいいか)


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 😽近江(🎵🎵🎵♨)


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♨1945年(昭和20年)、別府市は戦災にほとんど遭わずに終戦を迎える。人口急増。進駐軍の駐留開始。

😽米軍は、最初から保養地にするつもりでいたのか?


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🐱戦後は典型的な観光地の発展と衰退を経験、近年は留学生や外国人観光客が増加しているという。


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😽やはり、犯人は永野警部補だったか。


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😺今回は、充実した内容だったなあ。

 

 

 

おまけ
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センセ「自噴してるんです。道端のマンホールから」


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近江「また小説が書けそうですね」


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タモリ「タイトルだけは俺上手いんだよね」

 

 

次回のブラタモリ
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こちら➡神戸の港でブラタモリ - 森の踏切番日記
その次➡神戸の街でブラタモリ - 森の踏切番日記


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😽なんか、楽しそう。


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😽松田センセは、レギュラーでお願いしたい。🐥

 

 

 

絵はがきの別府(古城俊秀コレクションより)

『絵はがきの別府』

古城俊秀・監修、松田法子・著(左右社)

 

 

 

📄関連日記

別府温泉でブラタモリ - 森の踏切番日記

水戸でブラタモリ - 森の踏切番日記

さぬきうどんでブラタモリ - 森の踏切番日記

浦安でブラタモリ - 森の踏切番日記

 

 

 



 

 

 

江戸城最古級の絵図「江戸始図」


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江戸図屏風(17世紀)

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🐱2月9日の朝刊で気になったのは、松江歴史館で見つかった、徳川家康が築いた江戸城を描いた最古級の絵図「江戸始図」の記事である。

🔎最古級の江戸城絵図、松江で発見 「最強の要塞」裏付け : 京都新聞

 

 

🐱これは、1607~09年頃(慶長12~14年頃)の江戸城を描いたものであるらしい。

 

 

🐱年表を見てみると、慶長11年(1606)の3月から、諸大名の助役で、江戸城の大増築が始まっているので、その時のものであるようだ。

 

 

🐱これが、その「江戸始図」である。
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🔎家康築いた江戸城絵図 「最強の要塞」裏付け - 読んで見フォト - 産経フォト

 


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※囲んだ部分が慶長末年(大坂の陣の前)に完成。


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※向きを変えた「江戸始図 」

 


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江戸城主要部。天守の位置は寛永期の天守の位置。

 


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江戸図屏風(部分)

 

 

🐱慶長12年(1607)に建てられた天守は五層六重で、東西42㍍、南北43㍍と日本最大級のもので、外壁は白壁、屋根は白色の鉛瓦が用いられた。
🐱元和8年(1622)、天守台、御殿を修築して元和期天守が完成した。さらに、寛永14年(1637)、天守台、御殿を修築して、翌年、寛永期天守が完成した。
🐱この寛永期天下普請で総構えが完成したのだが、明暦3年(1657)の大火で類焼し、その後天守は再建されなかった。
🐱今回発見された絵図で江戸城天守は連立式天守だったことがわかったのだそうだ。

 


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拡大してみた。

 


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江戸城 - Wikipediaにあった「江戸御城絵図」。


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🐱左の青い四角が慶長期の天守。小天守と連立式になっている。右の青い四角は寛永期の天守で、現存する天守台がこれである。

 


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Wikipedia江戸城」より、現存の天守台。

 

 

🐱各紙の記事によると、
江戸城は姫路城と熊本城の優れた部分を合わせた最強の城だった」(松江歴史館)
らしい。

 


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姫路城


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熊本城

 

 

🐱調査した奈良大の千田嘉博教授(城郭考古学)は、
戦いを意識した強力な要塞機能を最大限備えた城と裏付けられた
と説明している。
豊臣氏との決戦に備えて万全を期した家康の意志が伝わってくる」
のだそうだ。

 

 


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江戸城本丸富士見櫓(幕末頃)

🔘Pinterest • The world’s catalog of ideas

 

 

🐱これをもって、家康を臆病で慎重な性格だったと見るわけにはいかない。用意周到で万事抜け目のない性格だったと見るべきだと思う。家康の非凡さはそこにあると思う。信長や秀吉とは非凡さの方向が異なるのだ。地味なので分かりにくいだけなのである。

 

 

🐱この「江戸始図」は、『極秘諸国城図』74枚の中の1枚だという。去年話題になった「真田丸絵図」もこの中の1枚である。


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🔎真田丸:詳細な最古絵図 松江で発見 - 毎日新聞

 

 

🐱どうやらこの『極秘諸国城図』は、松江城が含まれていないということで、長らく放置されていたものらしい。世の中には、まだまだお宝が埋もれていそうだな。🐥

 

 

 

📄関連日記

🔘徳川家康は偉大な凡人か? - 森の踏切番日記

🔘真田丸「築城」 - 森の踏切番日記

 

 

夏目漱石生誕150年

2月の読書録01ーーーーーーー

 夏目漱石

 十川信介

 岩波新書(2016/11/18)

 1702-01★★★☆

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写真で見る漱石は、いつも真面目な、多少気難しい顔をしている。

と言っても、彼の不機嫌な顔はその一面であり、友人や教え子たちとは談笑し、彼らの頼みは就職、借金など身を切っても尽くす。約束は必ず守る、義理がたい気性である。酒はほとんど呑まないが煙草は一日に四十本、お洒落で服装に気を使い、外出して気に入ったものがあればすぐに買って帰る。食事には注文をつけないが、駄菓子が好きで、妻が留守のときには自分で何か探して食べる。病気がちのくせに、無理な行動も平気でやってしまう。

 

🐱夏目漱石は、慶応3年1月5日生まれだが、西暦では、1867年2月9日生まれということになり、今年で生誕150年である。昨年の12月9日の没後100年と合わせて、書店でも夏目漱石フェアを展開しているが、この機会に最近出た評伝でも読んでみようと思い立ち本書を読んでみた。

 

🐱著者は、1936年北海道生まれ。1966年京都大学大学院博士課程修了。近代日本文学専攻。現在は、学習院大学名誉教授、日本近代文学館顧問である。

 

🐱本書は、漱石の生涯とともに作品についても丁寧に触れられており、大体は既知の内容だったが、新しい発見もあった。作品の解説については大変参考になった。最近ありがちな極論や暴論もなくて好感が持てた。

 

🐱以下、気になったことをメモしておこうと思う。

 

 


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大正元年(1912)9月、明治天皇大喪の礼の日

彼の心の中には、つねに現状に満足できない強い欲求が潜んでいたようだ。

 

 

 

第一章:不安定な育ち

第二章:子規との交友

🐱この章では、子規との交友について、特に「文学上の対立」が取り上げられている点が興味深かった。著者によると、「自己中心的に具体的問題に即する子規に対して、漱石は客観的、論理的に批判する姿勢が特徴的」であるという。これは、そのまま二人の性格の違いを表しているように思われる。二人は書簡をやり取りして論争するのだが、全く噛み合わない。しかし、だからといって友情が損なわれるわけではない。

異質な者同士が率直に自分の考えを述べて成長していく、羨ましい友情である。

 

第三章:松山と熊本

🐱ここでは、漱石が弓術に熱中したのは、当時は弓の姿勢が肺に良いとされていたからだったということを初めて知った。

🐱また、「第一義」を求めるということが印象に残った。二十代の漱石は人生迷走中で、決して自信を持って真っ直ぐには生きていないように思われて、そこに共感する。

🐱漱石が子規に宛てた手紙で「銀杏返しにたけなはをかけ」の「たけなは」の意味を調べても分からなかったのだが、それが分かったのが収穫だった。正しくは「たけなが」なのだそうだ。そりゃ調べても分からんわ。「たけなが」は、元結の上に和紙をかけた飾りなのだそうだ。

🐱漱石が子規と虚子の仲を心配し、交際復活を願っていたというのも印象的。確か、漱石は子規に取り成しの手紙を書いたはず。

 

第四章:ロンドンの孤独

第五章:作家への道

🐱ここでは、ロンドンから帰国する船に青山脳病院院長の斉藤紀一が同船していて知り合ったことを知った。斉藤紀一は斎藤茂吉の養父である。北杜夫の『楡家の人びと』を思い出した。

🐱漱石の初期の短編では「一夜」が好きなのだが、「漱石の先進性に驚かされる」と評している。漱石は、未だに新しいのだ。

🐱『坊つちやん』について、「坊つちやん」が、父親と清の間に生まれた子供だったという可能性について論じていて面白かった。この仮説は、あり得そうな気がする。婆やの清はそれほど年を取ってはいないという説は初めて目にするわけではない。当時は四十代でも婆さんだったし、婆さんじゃなくても婆やと呼ばれることがあったという。

 

第六章:小説記者となる

🐱漱石初の新聞小説となる『虞美人草』は、よい評価を目にすることは無いのだが、吾輩は嫌いではない。この時期の漱石にしか書けない唯一無二の小説という意味において貴重だと思う。

 

第七章:『三四郎』まで

🐱『三四郎』の美禰子について「枠」という見方が興味深かった。

池での出会い以後、彼女はいつも枠取りの中から現われる。枠というのは、世間的な枠でもあり、実際に四角な枠のことでもある。

[中略]

彼女は「結婚」という枠に囲まれる直前の「自由」を楽しみたかったらしい。

🐱美禰子は嫌な女だとは思わない。彼女のような都会の女性を御するには、三四郎は経験不足に過ぎる。美禰子は、当時としては、新しい女性だったのだろうが、限界をわきまえていたと云える。どんな人間も時代という枠からは逃れることは出来ないのだ。

 

第八章:『それから』の前後

第九章:修善寺の大患

🐱ここでは、修善寺の大患前後について詳しい。修善寺に向かう鏡子の動向も書かれている。子供たちが鏡子の母親と一緒に茅ヶ崎へ海水浴に行っていたのを豪雨の中迎えに行って、母親を横浜に送り、自分は茅ヶ崎に一泊するつもりでいたところに、修善寺からの電報が回送されてきた。そこで、子供たちを茅ヶ崎に預けておいて、母親を追って横浜に向かい、遅くなって汽車がなくなり、不安な一夜を過ごし、翌日の午後修善寺に到着したという次第である。これは、夏目鏡子の『漱石の思い出』に詳しく書かれている。

 

第十章:講演の旅に出る

🐱ここでは、朝日新聞社内の内紛(池辺三山辞任問題)が波及して、漱石が池辺に辞表を郵送したときの事(その後説得されて撤回)が印象的である。提出直前に漱石は鏡子に相談しているのだが、

以前の漱石ならば妻に相談なく事後通知で済ませただろうが、大患後の彼は、妻の誠意ある看病に、自分の「我」をむき出しにする弊はなくなったようだ。

 ということだ。この問題については、森田草平の不徳の致すところだと思う。

🐱『彼岸過迄』は、好きな作品の一つで、何度も読み返しているのだが、ここでの評も興味深かった。

一旦起ったことは、表面に出なくとも生き続け、突如として現れることもあるだろう。それは、「過去」に対する漱石の考えであった。

これは、『門』や『道草』にも当てはまる。

 

第十一章:心の奥底を探る

🐱『心』の先生の自殺は、自壊とも云えるものだったのだろうか。孤独地獄に耐えられなくなった結果だろうか。それに対する回答は見出せない。先生死後の奥さんの気持ちがいつも気になる。

 

第十二章:生きている過去

第十三章:『道草』から『明暗』へ

🐱『道草』については、

漱石にとって、女性には理解できない一点があり、男同士の方が気兼ねなく話せる相手だったようだ。過去の回想は「道草」ではない。人生そのものが「道草」の連続なのである。

とある。なるほどね。修善寺の大患後でなければ、この小説は書けなかったのではないだろうか。

 

第十四章:明暗のかなた

🐱ここでは『明暗』について詳しく論じられている。『明暗』は、まだ一度しか読んでいない。再読したくなった。

 

第十五章:晩年の漱石とその周辺

🐱死の床にある漱石の写真がなぜあるのか今まで疑問だったのだが、

子供たちがどこから聞いてきたのか、死にそうな人の写真を撮ると治ると言ってきかないので、朝日の写真班に頼んで写真を撮ってもらった。

ということだそうだ。そんな迷信は初めて聞いた。それが、生前最後の写真である。

夏目鏡子の『漱石の思い出』に書いてあったのをすっかり忘れていた) 

 


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死の床にある漱石。大正5年(1916)12月9日

 

 

 

夏目漱石 (岩波新書)

夏目漱石 (岩波新書)

 

 

 

 

 

📄関連日記

🔘両方にひげのあるなり猫の恋 - 森の踏切番日記 

🔘夏目金之助の鏡子への手紙 - 森の踏切番日記

🔘鏡子夫人のラブレター - 森の踏切番日記

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🔘漱石の孫娘(姉) - 森の踏切番日記


 

 

 

 

 

徳川家康は偉大な凡人か?

BOOKーーーーーーーーーーーー

 

 

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🐱2月5日(日曜日)の朝刊の読書面の「本を語る」のコーナーは、新聞小説として連載された『家康(一)自立篇』を刊行した安部龍太郎を取り上げていた。

 

🐱我が家では、古新聞は七ヶ月保存してから資源ゴミに出すことにしているのだが(七ヶ月分なのはスペースの都合)、資源ゴミに出す前に読み直すことにしていて、今、この『家康』を再読しているところである。

 


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🐱この『家康(一)自立篇』は、桶狭間の戦い前夜から始まり、三方ヶ原の戦いにおける敗走で終わる。家康19歳から31歳までである。著者は、

「苦しみや弱さを克服し、階段を一歩一歩上がる、成長小説として書きたかった」

という。

 


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🐱桶狭間の戦いのとき満17歳だった家康は、今川方の敗戦による危機を乗り越え、今川家から独立を果たすことになる。この時期の家康は、ごく平凡な戦国大名でまだまだ未熟だが、信長の下につくことで徐々に成長していく。この小説では、家康と瀬名との関係や母親との関係、家臣との関係が丁寧に描かれている。

 

🐱そして、三方ヶ原の大敗走で九死に一生を得るのだが、ここの描写は少し物足りなかった。単行本では加筆されただろうか。ちょっと気になるが、文庫本になるまで待つつもりである。余程のことがないと単行本は購入しないことにしている。

 


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🐱また、著者は、

「家康のすごさは、非常に普通の人であること。その凡人が努力しながら壁を乗り越える。偉大な凡人の面白さはいかようにも書ける」

とも言っている。確かに、この時代の家康は凡人だったかもしれないが、ある段階で覚醒して凡人を脱したと思う。家康が凡人のまま大大名に成長したとは思わないし、凡人のまま天下を取ったとも思わない。そもそも、天下を取るような人間を凡人とは云わないだろう。

 


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🐱去年の大河ドラマ真田丸』における徳川家康は、臆病で慎重な性格だったが、本書の家康像と通じるものがあるように思う。最近の傾向なのだろうか。

 


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🐱また、1月1日(日曜日)の朝刊の特集「日本人の忘れもの 知恵会議」(京都新聞)に寄せられた文章で安部龍太郎は、

人間のどうしようもなさの原因は、敵意とエゴイズムを乗り越えられないところにあるということだ。

幕藩体制による地方分権も、士農工商の身分の固定化による競争の排除も、農本主義の徹底による商業の抑制も、中庸を説く儒教の導入も、敵意とエゴイズムを制御するために考え抜かれた施策だったのではないだろうか。

 として、江戸幕府を開いた徳川家康を評価しているのだが、これも同意できない。

 

 
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🐱確かに、「厭離穢土欣求浄土」という旗印は、家康の理想であったかもしれないし、戦乱の時代を終わらせることは、当時の人々の共通の願いであっただろうと思うが、江戸時代の日本が理想的な社会だったとは思わない。それは、江戸時代を一面的にしか捉えていない考え方だと思うし、同じ論法で共産主義全体主義も評価することが可能だと思う。また、江戸時代の日本のような閉じたシステムというのは、エントロピーが増加しきってしまえば、破綻するものであろう。

 


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🐱家康は、当初は凡人だったかもしれないし、臆病で慎重な性格だったかもしれないが、その人生において少なくとも二度大きく変質したと思う。それは、秀吉が死んだときと大坂の陣において豊臣家を滅ぼす決断をしたときである。

 

🐱権力者もまた人間であるから人間味があるのは当然のことであるが、権力者になるような人物は、権力を所持することを決意したとき、権力を維持することを決意したとき、非人間的にならざるを得ないと考える。そこを描かなくては、権力者を描いた事にはならないと考える。今後、安部龍太郎の『家康』がどのように展開していくのか、これからが楽しみである。🐥