森の踏切番日記

ただのグダグダな日記です/2018年4月からはマイクラ日記をつけています/スマホでのんびりしたサバイバル生活をしています/面倒くさいことは基本しません

『青の数学2』の感想~数学よりも女心の方が難しいぞ

2月の読書録03ーーーーーーー

 青の数学2 ユークリッドエクスプローラ

 王城夕紀

 新潮文庫(2016/11/01)

 1702-03★★★

────────────────────

数式(まほう)は解け、
僕の青春が始まる。

数学オリンピック出場者との夏合宿を終えた栢山は、自分を見失い始めていた。そんな彼の前に現れた偕成高校オイラー倶楽部・最後の1人、二宮。京香凛(かなどめかりん)の数列がわかったと語る青年は、波乱を呼び寄せる。さらに、ネット上の数学決闘空間「E^2」では多くの参加者が集う“アリーナ”の開催が迫っていた。ライバル達を前に栢山は……。数学に全てを賭ける少年少女を描く青春小説、第2弾。


f:id:morifumikirikita319:20170218083241j:image

 

🐱この小説は、出てすぐに購入したのだが、他に読みたい本もあって、読むのを後回しにしていた。それだけ期待していなかったということになるが、まあ、予想の範囲内の内容だった。

 

🐱前回にも書いたが、数学をテーマにしているところは珍しいが、内容的にはオーソドックスな青春小説なので展開が読めるのである。つまり、主人公が壁にぶち当たり、それを乗り越える話である。悪くはないが平凡な印象という感じである。

 

 

🔘登場人物2

※前回からの登場人物は例外を除き省略する。

二宮(にのみや)偕成高校3年生男子。オイラー倶楽部。夏合宿には参加せず、夏中バックパッカーをしていた。

「問題を解くだけが数学じゃないからな」

 

美作(みまさか)偕成高校男子。オイラー倶楽部。夏合宿に参加。(前回も登場)

「自分と戦うのが楽しすぎて、他人とやる暇なんてないよ」

 

ダークマター 夏に「E^2」に突然現れた新勢力。

 


f:id:morifumikirikita319:20170218101842j:image

引用元:September 18, The Day Leonhard Euler Died | Ama...

筆者:Dr. Stefan Gruenwald

 

 

🐱主人公は、基本的に数学の問題を解いているだけなので、話にアクセントをつけるのが難しい小説である。定期試験や文化祭といった日常的な学園風景の中で、主人公は、一度立ち止まったりしながらも、ひたすら数学の問題を解いていく。その中で、お使いで訪れた大学での数学者との会話と緑に覆われた柊の研究室跡の風景は印象的だった。

 

🐱各登場人物の夏以降の変化を丁寧に書き分けているところは好感が持てたが、ありふれた話なので、もう一工夫あっても良かったかと思う。ダークマターのエピソードは、もう一つピンと来なかった。

 

🐱話の合間合間に挿入される、ごま塩頭の男が少年に語る数学の歴史は、作者の理解するところの数学史が分かって興味深かった。

 

🐱七加と柴崎が栢山のことをどう思っているのかが気になるところなのだが、興味が好意に変わり、好意が恋愛感情に変わる手前位のところだろうかと推測する。特に、柴崎の方は恋心を抱いていても不思議ではないと思うのだが。栢山は母性本能をくすぐるタイプだと思う。

 

 

🐱数学の問題を解くという行為は潜水に近いかと想像する。数学の海に潜って行くようなイメージである。数学の海の風景は地上の風景とは全く異なるのだろう。数学の問題を解き続けることによって深く長く潜り続けられるようになるのだ。そして、限られた一部の人間は、数学の海を自由に泳ぐためのエラを持つように進化するのだろう。天才というのは、最初からエラ呼吸が出来る人のことなのだろう。というようなことを高校時代に考えたことを思い出した。ま、こっちは浜辺でパシャパシャやっていただけだけどね。同じ理系でも数学科は異世界なのだ。

 

🐱ここ数年、数学や物理の一般向け解説書を再びいろいろ読むようになったのだが、今の方がよく理解できて面白く感じる。数学の楽しみ方は一通りではない。

 

🐱巻末の参考文献を読んだ方がはるかに面白いという前回の感想は変わらなかった。数学は言葉で説明するよりも、実際に数学に向き合った方が良いに決まっているし、現実の天才数学者の話の方が断然面白いのだから仕方が無い。

 

🐱まあ、数学とは「関係」なんだろう。数学に向き合うときの自己と数学との「関係」、それが数学なのではないだろうか。🐥

 

 

 

青の数学2: ユークリッド・エクスプローラー (新潮文庫nex)

青の数学2: ユークリッド・エクスプローラー (新潮文庫nex)

 

 

 

 

 

物事があまりに複雑になりすぎたら、ときには立ち止まって、自分の問いが正しかったのかどうかを考えてみるがよい。

(エンリコ・ボンビエリ)

素数の音楽』マーカス・デュ・ソートイ著より

 

 

 

 

📄この記事の前

 

 

 

 

 

 


 

別府でブラタモリ

ブラタモリ』#63別府

~巨大温泉都市・別府はどうできた?


f:id:morifumikirikita319:20170211220755j:image

😽業界人「プーベツでパイオツがダシモロのゴクGCムーがまいう~」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


f:id:morifumikirikita319:20170211225426j:image

先週に引き続き別府温泉第二弾。


f:id:morifumikirikita319:20170211225510j:image

タモさんのお祖母さんの殺し文句。

 

f:id:morifumikirikita319:20170211225547j:image

「#62別府温泉」と「#63別府」の違いは何?


f:id:morifumikirikita319:20170213133142j:image

別府八湯は、温泉の量・種類とともに日本一。(先週の#62別府温泉より)


f:id:morifumikirikita319:20170212132730j:image

江戸時代の温泉番付では浜脇温泉と別府(小別府)温泉が西方の上位を占めていて、浜脇温泉の方が番付上位だった。


f:id:morifumikirikita319:20170213133211j:image

では、巨大温泉都市・別府は、どうやってできたのか?

 

f:id:morifumikirikita319:20170211231055j:image

😽ぬこ「知るか!」

 


f:id:morifumikirikita319:20170211232031j:image

😺このエレガントな後ろ姿はもしや。


f:id:morifumikirikita319:20170211232043j:image

😺お懐かしや。


f:id:morifumikirikita319:20170211232052j:image

😺松田センセ。


f:id:morifumikirikita319:20170211232918j:image

📄ブラタモリ#27熱海(2016年1月16日放送)

 

 

🔘竹瓦温泉 - Wikipedia(写真著作者・大分帰省中)
f:id:morifumikirikita319:20170212134041j:image

竹瓦温泉、市営の共同浴場。1879年(明治12年)開設。

 


f:id:morifumikirikita319:20170211234425j:image

🐱竹瓦温泉は置いといて、港に向かいます。


f:id:morifumikirikita319:20170211234456j:image

タモリ「古い積み方ではありますね」


f:id:morifumikirikita319:20170211234510j:image

タモリ「港をつくった跡でしょうね」


f:id:morifumikirikita319:20170211234528j:image

🐱ここからは、別府市 - Wikipediaも参考にしました。


f:id:morifumikirikita319:20170211234544j:image

1871年明治4年)、別府港(後の楠港)完成。

1873年明治6年)、大阪との定期航路ができる。関西と直接つながった別府村は急速に発展していく。


f:id:morifumikirikita319:20170211234558j:image

♨1889年(明治22年)、別府村が自治体として発足。

1893年明治26年)、町制施行、別府町になる。(浜脇村も浜脇町になる)


f:id:morifumikirikita319:20170211234612j:image

♨1906年(明治39年)、(江戸時代一番賑わっていた)浜脇町と別府町が合併した別府町が誕生(対等合併)。

 

草彅「更に港の周りには、とっても珍しい光景が広がり、別府を訪れた人たちの間で評判を呼んでいました」
f:id:morifumikirikita319:20170211234622j:image

センセ「こんなふうに砂浜を掘ればどこからでも湯が湧いてくるというふうに言われておりまして自分で好きなところを掘って、こういうふうに砂湯を楽しんでいたんですね」


f:id:morifumikirikita319:20170212144316j:image

センセ「そうですね。じぁあ…、折角なのでこういう雰囲気を追体験してみたいなと」

タモリ「ああ…、分かりました」

近江「追体験?」

😽エレガントにディープな提案をする松田センセ。ノリノリのタモリさん。ついて行けない近江ちゃん。


f:id:morifumikirikita319:20170211235544j:image

タモリ「じゃ、記念撮影してもらおうか」

😽角度を細かく注文する森田氏。

近江「ああぁ…腹筋が…」


f:id:morifumikirikita319:20170211235600j:image

案内人「とっておきの写真があるんですけど」

😽案内人「旦那、いいブツがありやすぜ」


f:id:morifumikirikita319:20170211235623j:image

😽業界人「プーベツでパイオツがダシモロ」


f:id:morifumikirikita319:20170211235636j:image

タモリ「いいだろうな、ここで砂にまみれて。おおらかに」


f:id:morifumikirikita319:20170211235648j:image

😽オッパイ星人タモリ得意技妄想。

 

f:id:morifumikirikita319:20170212000847j:image

小さな温泉地だった別府(小別府)は、港が出来たことによって、たくさんの人が集まり大きく発展していった。

 

草彅「続いてタモリさんがやって来たのは」
f:id:morifumikirikita319:20170212000053j:image

明治の終わりに浜脇町と合併した別府町が、その後どう発展したか?


f:id:morifumikirikita319:20170212082200j:image

不老泉。長寿長命の温泉として人気。


f:id:morifumikirikita319:20170212082221j:image

センセ「先ほど見た地図にも不老泉が描かれていた」


f:id:morifumikirikita319:20170212082241j:image


f:id:morifumikirikita319:20170212082259j:image

センセ「その道がこちら」

 
f:id:morifumikirikita319:20170212085409j:image


f:id:morifumikirikita319:20170212082314j:image


f:id:morifumikirikita319:20170212082332j:image

草彅「実は、このまっすぐな道こそ」


f:id:morifumikirikita319:20170212082345j:image

草彅「大きく関係しているんです。どういうことでしょう?」


f:id:morifumikirikita319:20170212082358j:image

センセ「この道は明治43年から始まった市区改正事業によってつくられています」

♨1911年(明治44年)、別府駅開設。


f:id:morifumikirikita319:20170212082408j:image

😽砂湯、別府港、砂湯、源左ェ衛門尻。


f:id:morifumikirikita319:20170213080639j:image

タモリ「計画的に一挙にこんなにきれいになってるんだ」


f:id:morifumikirikita319:20170212082421j:image

😽元が鄙びた土地だったからか、住民が協力的だったからか、強力な推進者がいたか。

 


f:id:morifumikirikita319:20170212085345j:image

道をまっすぐに整備したのに、どうして曲がりくねった道が残ったのか?


f:id:morifumikirikita319:20170212085447j:image

タモリ「この曲がり方は…、だいたい川ですよね」


f:id:morifumikirikita319:20170212085504j:image

流川という川が暗渠となって今も残っている。


f:id:morifumikirikita319:20170212085600j:image

タモリ「うれしそうだね、暗渠」


f:id:morifumikirikita319:20170212085550j:image

😽知ってる言葉が出てきてうれしい近江アナ。小学生かっ!


f:id:morifumikirikita319:20170212085629j:image

江戸時代の地図を見ると、「湯ノ川アリ」とある。


f:id:morifumikirikita319:20170212085645j:image

その証拠が残っている松下金物店に向かう。

🐱昔ながらの金物屋さんだな。


f:id:morifumikirikita319:20170212085803j:image

タモリ「マイ温泉があるんですか!?」

松下さん「はいどうぞ」

タモリ「へえ~、ぜいたくですね」

🐱タモさん羨ましそう。そのうち別荘に温泉作りそうな勢い。

 

f:id:morifumikirikita319:20170212085708j:image

タモリ「かけ流しね!」

🐱地元の人の感覚では、たれ流しなんだな。


f:id:morifumikirikita319:20170212085746j:image

明治以降、港が近く、温泉の開発が進みたくさんの旅館が建ち並んでいた流川沿いは、当時一番にぎわっていた。


f:id:morifumikirikita319:20170212085849j:image

ここにまっすぐな道を通して流川通りと名付けた。

🐱賑わってる所は手がつけられないものな。


f:id:morifumikirikita319:20170212085910j:image

😽草彅「おやおや、タモリさん、暗渠の先が気になりますか」


f:id:morifumikirikita319:20170212085934j:image

😽暗渠探偵タモリの事件簿


f:id:morifumikirikita319:20170212085949j:image

近江「暗渠巡りの機会はなかったですね」

普通はない。

😽近江ちゃんは、出来の悪い学生扱いだな。


f:id:morifumikirikita319:20170212090007j:image

😺松田センセ、楽しそう。


f:id:morifumikirikita319:20170212090035j:image

近江「暗渠を見分けるのポイントってあるんですか?」

暗渠探偵「妙な曲がり方」


f:id:morifumikirikita319:20170212090052j:image

暗渠探偵「川はほら、低いとこ低いとこ行きますから」


f:id:morifumikirikita319:20170212090111j:image

🐱水の気持ちになって、どちらに流れるか考える森田氏。暗渠探偵も悩むハイレベルの事件らしい。


f:id:morifumikirikita319:20170212090134j:image

暗渠探偵「水の気持ちになると左の道が怪しい」


f:id:morifumikirikita319:20170212090154j:image

暗渠探偵「ひとつ気になるのはここの建物の並び方」


f:id:morifumikirikita319:20170212090219j:image

暗渠探偵「行ってみましょう」


f:id:morifumikirikita319:20170212090246j:image

暗渠探偵「これだ」


f:id:morifumikirikita319:20170212091412j:image

女刑事タカラヅカ「見つけましたね」


f:id:morifumikirikita319:20170212091426j:image

😽草彅「暗渠探偵の名推理によって、事件は解決した…かに思われた」


f:id:morifumikirikita319:20170212091438j:image

😽タカラヅカ「ほんの~ちょっと~水面が~見える~場所が~あ~る~🎵」


f:id:morifumikirikita319:20170212091458j:image

🐱暗渠探偵は、ミュージカルが嫌いだけど、宝塚歌劇団はどうなんだろ?


f:id:morifumikirikita319:20170212091510j:image

😽タカラヅカ「今~ここだけ~が~水面が~見える~🎵」


f:id:morifumikirikita319:20170212091518j:image

🐱暗渠探偵、満足そう。


f:id:morifumikirikita319:20170213104105j:image

🐱恒例の剛クンを探せ。近江ちゃん、バイト中? 

 

 

草彅「続いてタモリさんがやって来たのは」
f:id:morifumikirikita319:20170212092949j:image

1924年大正3年)市制施行、別府市になる。人口は1906年の合併時の約3倍(36,276人)。


f:id:morifumikirikita319:20170212103636j:image

😽女刑事タカラヅカは、京都府警から事件の調査のため別府を訪れていたのだ。そこで、観光に来ていた暗渠探偵タモリと孫娘の駆け出しルポライター近江ちゃんと知り合ったのだった。

 

 

🔎ラクテンチGoogle マップ
f:id:morifumikirikita319:20170212093056j:image

タカラヅカ「近代都市の都市軸といえる街路の突き当たりが遊園地なんですね。何とも別府らしい」

 

昭和の初め、さまざまな観光娯楽施設が作られた。
f:id:morifumikirikita319:20170212093120j:image

高さなんと24m。当時東洋一の大きさ。


f:id:morifumikirikita319:20170212093130j:image

九州の宝塚。


f:id:morifumikirikita319:20170212093139j:image

1929年(昭和4年)別府遊園開業。


f:id:morifumikirikita319:20170212094444j:image

🐱昭和の初めの日本は、観光ブームだったと記憶している。大仏とか、少女歌劇団とか、遊園地とか、ケーブルカーとかが、各地の観光地で作られたと記憶している。その中でも、別府は特異な発展を遂げた大温泉都市なのだそうだ。


f:id:morifumikirikita319:20170212094520j:image

タカラヅカ「実は、この山は遊園地をつくるために開発されたのではなく、別の目的で開発が進んでいた山」


f:id:morifumikirikita319:20170212094530j:image

😽タカラヅカ「それは~、何だと~、思う~か~ね~🎵」


f:id:morifumikirikita319:20170212094545j:image

😽タカラヅカ「それでは、事件があった現場に案内しましょう」


f:id:morifumikirikita319:20170212094600j:image

😽不審な行動をする案内役の大分県警刑事永野警部補。


f:id:morifumikirikita319:20170212094656j:image

1903年明治36年)、この山でとても質の良い鉱脈が見つかり最盛期には年間20kg近くの金がとれていた。


f:id:morifumikirikita319:20170212094707j:image

最盛期には200人以上が働いていたが、1916年(大正5年)に閉山した。


f:id:morifumikirikita319:20170212102515j:image

もともと温泉が湧いていたのだが、さらに高温の温泉が湧き出した。


f:id:morifumikirikita319:20170212102533j:image

温泉地への影響を心配した住民の反対運動や不況の影響などもあって、採算が取れなくなったようだ。


f:id:morifumikirikita319:20170212103717j:image

タカラヅカ「入ってみましょうか」


f:id:morifumikirikita319:20170212102614j:image

😽二人を旧坑道へと誘うタカラヅカ。彼女の目的とは?


f:id:morifumikirikita319:20170212102631j:image

タモリ「おお…うわっ、すごい! 眼鏡曇って何も見えない! 熱い!」

😽暗渠探偵の身に何が!?


f:id:morifumikirikita319:20170212103754j:image

タモリ「45℃ありますよ」

近江「しゃがむと涼しいです」


f:id:morifumikirikita319:20170212102733j:image

😽タカラヅカ「フフフッ、おわかりになって?」


f:id:morifumikirikita319:20170213131447j:image

タモリ「こんな状態ではできませんよ」

 
f:id:morifumikirikita319:20170212102901j:image

タカラヅカ「金山と温泉の上にある遊園地」

タモリ「金山のリユース


f:id:morifumikirikita319:20170212102915j:image

草彅「温泉都市になっていったんです」


f:id:morifumikirikita319:20170213134458j:image

タモリ「湯気が出てる、頭から」


f:id:morifumikirikita319:20170212103002j:image

センセ「私は、もうちょっとここで温まっていきますので」

😽タカラヅカ「私の正体は、怪盗タカラヅカ。ここで~お別れよ~🎵」

 

 

 

🔎鉄輪温泉Google マップ
f:id:morifumikirikita319:20170212103818j:image

🙀すみません。少しふざけすぎました。m(_ _)m

 

f:id:morifumikirikita319:20170212105121j:image

♨1935年(昭和10年)9月4日、石垣村、朝日村、亀川村を編入。


f:id:morifumikirikita319:20170212105220j:image

鉄輪温泉は、長期間滞在する湯治客向けの温泉として人気。 


f:id:morifumikirikita319:20170212105144j:image

貸間のスタイル。


f:id:morifumikirikita319:20170212105201j:image

案内人「昔ながらの湯治がどんなものか体験してみませんか?」


f:id:morifumikirikita319:20170212105248j:image

😽最近のブラタモリは、グルメも有りね。某食べ物屋さんの希望なのか?


f:id:morifumikirikita319:20170212105304j:image

野菜や肉をザルにおいてぶら下げて、ふたをして10分から15分置いておくだけ。


f:id:morifumikirikita319:20170212105321j:image

😽地獄で蒸して、極楽の味。上手いこというな。


f:id:morifumikirikita319:20170212105338j:image

タモリさんも挑戦。

 


f:id:morifumikirikita319:20170212105353j:image

🐱合併することによって、それぞれ特徴のある温泉地を一つにまとめて魅力を発信。


f:id:morifumikirikita319:20170212105420j:image

🐱この時期は、戦時体制に向かいつつあることから、全国的に合併が進んだという事情もあると思う。


f:id:morifumikirikita319:20170213174037j:image

🐱また、別府観光の父と呼ばれる油屋熊八(1863-1935)という人物がいたことも大きかったようだ。 


f:id:morifumikirikita319:20170212105457j:image

🐱「山は富士 海は瀬戸内 湯は別府」というキャッチフレーズを書いた標柱を富士山をはじめとして各地に設置するなど様々なアイデアを実行し別府温泉を全国に宣伝したという。(油屋熊八 - Wikipediaより)

 


f:id:morifumikirikita319:20170212113423j:image

🐱最近話題になった温泉マーク♨を広めたのも油屋熊八らしい。(考案者ではない)


f:id:morifumikirikita319:20170212113438j:image

😽近江(美味しそ~)


f:id:morifumikirikita319:20170212121014j:image

😽近江(こっちも美味しそ~)


f:id:morifumikirikita319:20170212121029j:image

タモリ「ナスビからいってみましょうか」

タモリ「野菜の甘さが全然違いますね」


f:id:morifumikirikita319:20170212113458j:image

近江「あっ、ナス? すみません」


f:id:morifumikirikita319:20170212121555j:image


f:id:morifumikirikita319:20170212113519j:image


f:id:morifumikirikita319:20170212113528j:image


f:id:morifumikirikita319:20170212121114j:image

🐱ポン酢をかけると、また味が違うそうな。


f:id:morifumikirikita319:20170212121127j:image

案内人「私もせっかくなんで」

🐱地元の人にはあまり馴染みが無いそうな。


f:id:morifumikirikita319:20170212121150j:image

😽業界人「ゴクGCムーまいう~」


f:id:morifumikirikita319:20170212121202j:image

😽近江(今日は変なセンセイに付き合わされたけど、美味しいものが食べられたから、まあいいか)


f:id:morifumikirikita319:20170212121622j:image

 😽近江(🎵🎵🎵♨)


f:id:morifumikirikita319:20170212121636j:image

♨1945年(昭和20年)、別府市は戦災にほとんど遭わずに終戦を迎える。人口急増。進駐軍の駐留開始。

😽米軍は、最初から保養地にするつもりでいたのか?


f:id:morifumikirikita319:20170212122456j:image

🐱戦後は典型的な観光地の発展と衰退を経験、近年は留学生や外国人観光客が増加しているという。


f:id:morifumikirikita319:20170212122517j:image


f:id:morifumikirikita319:20170212122527j:image

😽やはり、犯人は永野警部補だったか。


f:id:morifumikirikita319:20170212122546j:image

😺今回は、充実した内容だったなあ。

 

 

 

おまけ
f:id:morifumikirikita319:20170212122558j:image

センセ「自噴してるんです。道端のマンホールから」


f:id:morifumikirikita319:20170212122607j:image

近江「また小説が書けそうですね」


f:id:morifumikirikita319:20170212122618j:image

タモリ「タイトルだけは俺上手いんだよね」

 

 

次回のブラタモリ
f:id:morifumikirikita319:20170212123046j:image
こちら➡神戸の港でブラタモリ - 森の踏切番日記
その次➡神戸の街でブラタモリ - 森の踏切番日記


f:id:morifumikirikita319:20170212123055j:image

😽なんか、楽しそう。


f:id:morifumikirikita319:20170212123109j:image

😽松田センセは、レギュラーでお願いしたい。🐥

 

 

 

絵はがきの別府(古城俊秀コレクションより)

『絵はがきの別府』

古城俊秀・監修、松田法子・著(左右社)

 

 

 

📄関連日記

別府温泉でブラタモリ - 森の踏切番日記

水戸でブラタモリ - 森の踏切番日記

さぬきうどんでブラタモリ - 森の踏切番日記

浦安でブラタモリ - 森の踏切番日記

 

 

 



 

 

 

江戸城最古級の絵図「江戸始図」


f:id:morifumikirikita319:20170209175000j:image

江戸図屏風(17世紀)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

🐱2月9日の朝刊で気になったのは、松江歴史館で見つかった、徳川家康が築いた江戸城を描いた最古級の絵図「江戸始図」の記事である。

🔎最古級の江戸城絵図、松江で発見 「最強の要塞」裏付け : 京都新聞

 

 

🐱これは、1607~09年頃(慶長12~14年頃)の江戸城を描いたものであるらしい。

 

 

🐱年表を見てみると、慶長11年(1606)の3月から、諸大名の助役で、江戸城の大増築が始まっているので、その時のものであるようだ。

 

 

🐱これが、その「江戸始図」である。
f:id:morifumikirikita319:20170209144549j:image

🔎家康築いた江戸城絵図 「最強の要塞」裏付け - 読んで見フォト - 産経フォト

 


f:id:morifumikirikita319:20170209151753j:image

※囲んだ部分が慶長末年(大坂の陣の前)に完成。


f:id:morifumikirikita319:20170209151830j:image

※向きを変えた「江戸始図 」

 


f:id:morifumikirikita319:20170209151432j:image

江戸城主要部。天守の位置は寛永期の天守の位置。

 


f:id:morifumikirikita319:20170209181807j:image

江戸図屏風(部分)

 

 

🐱慶長12年(1607)に建てられた天守は五層六重で、東西42㍍、南北43㍍と日本最大級のもので、外壁は白壁、屋根は白色の鉛瓦が用いられた。
🐱元和8年(1622)、天守台、御殿を修築して元和期天守が完成した。さらに、寛永14年(1637)、天守台、御殿を修築して、翌年、寛永期天守が完成した。
🐱この寛永期天下普請で総構えが完成したのだが、明暦3年(1657)の大火で類焼し、その後天守は再建されなかった。
🐱今回発見された絵図で江戸城天守は連立式天守だったことがわかったのだそうだ。

 


f:id:morifumikirikita319:20170210081640j:image

拡大してみた。

 


f:id:morifumikirikita319:20170210081707j:image

江戸城 - Wikipediaにあった「江戸御城絵図」。


f:id:morifumikirikita319:20170210081720j:image

🐱左の青い四角が慶長期の天守。小天守と連立式になっている。右の青い四角は寛永期の天守で、現存する天守台がこれである。

 


f:id:morifumikirikita319:20170210085025j:image

Wikipedia江戸城」より、現存の天守台。

 

 

🐱各紙の記事によると、
江戸城は姫路城と熊本城の優れた部分を合わせた最強の城だった」(松江歴史館)
らしい。

 


f:id:morifumikirikita319:20170209150045j:image

姫路城


f:id:morifumikirikita319:20170209150057j:image

熊本城

 

 

🐱調査した奈良大の千田嘉博教授(城郭考古学)は、
戦いを意識した強力な要塞機能を最大限備えた城と裏付けられた
と説明している。
豊臣氏との決戦に備えて万全を期した家康の意志が伝わってくる」
のだそうだ。

 

 


f:id:morifumikirikita319:20170210110825j:image

江戸城本丸富士見櫓(幕末頃)

🔘Pinterest • The world’s catalog of ideas

 

 

🐱これをもって、家康を臆病で慎重な性格だったと見るわけにはいかない。用意周到で万事抜け目のない性格だったと見るべきだと思う。家康の非凡さはそこにあると思う。信長や秀吉とは非凡さの方向が異なるのだ。地味なので分かりにくいだけなのである。

 

 

🐱この「江戸始図」は、『極秘諸国城図』74枚の中の1枚だという。去年話題になった「真田丸絵図」もこの中の1枚である。


f:id:morifumikirikita319:20170209151024j:image

🔎真田丸:詳細な最古絵図 松江で発見 - 毎日新聞

 

 

🐱どうやらこの『極秘諸国城図』は、松江城が含まれていないということで、長らく放置されていたものらしい。世の中には、まだまだお宝が埋もれていそうだな。🐥

 

 

 

📄関連日記

🔘徳川家康は偉大な凡人か? - 森の踏切番日記

🔘真田丸「築城」 - 森の踏切番日記

 

 

夏目漱石生誕150年

2月の読書録01ーーーーーーー

 夏目漱石

 十川信介

 岩波新書(2016/11/18)

 1702-01★★★☆

────────────────────

写真で見る漱石は、いつも真面目な、多少気難しい顔をしている。

と言っても、彼の不機嫌な顔はその一面であり、友人や教え子たちとは談笑し、彼らの頼みは就職、借金など身を切っても尽くす。約束は必ず守る、義理がたい気性である。酒はほとんど呑まないが煙草は一日に四十本、お洒落で服装に気を使い、外出して気に入ったものがあればすぐに買って帰る。食事には注文をつけないが、駄菓子が好きで、妻が留守のときには自分で何か探して食べる。病気がちのくせに、無理な行動も平気でやってしまう。

 

🐱夏目漱石は、慶応3年1月5日生まれだが、西暦では、1867年2月9日生まれということになり、今年で生誕150年である。昨年の12月9日の没後100年と合わせて、書店でも夏目漱石フェアを展開しているが、この機会に最近出た評伝でも読んでみようと思い立ち本書を読んでみた。

 

🐱著者は、1936年北海道生まれ。1966年京都大学大学院博士課程修了。近代日本文学専攻。現在は、学習院大学名誉教授、日本近代文学館顧問である。

 

🐱本書は、漱石の生涯とともに作品についても丁寧に触れられており、大体は既知の内容だったが、新しい発見もあった。作品の解説については大変参考になった。最近ありがちな極論や暴論もなくて好感が持てた。

 

🐱以下、気になったことをメモしておこうと思う。

 

 


f:id:morifumikirikita319:20170207142132j:image

大正元年(1912)9月、明治天皇大喪の礼の日

彼の心の中には、つねに現状に満足できない強い欲求が潜んでいたようだ。

 

 

 

第一章:不安定な育ち

第二章:子規との交友

🐱この章では、子規との交友について、特に「文学上の対立」が取り上げられている点が興味深かった。著者によると、「自己中心的に具体的問題に即する子規に対して、漱石は客観的、論理的に批判する姿勢が特徴的」であるという。これは、そのまま二人の性格の違いを表しているように思われる。二人は書簡をやり取りして論争するのだが、全く噛み合わない。しかし、だからといって友情が損なわれるわけではない。

異質な者同士が率直に自分の考えを述べて成長していく、羨ましい友情である。

 

第三章:松山と熊本

🐱ここでは、漱石が弓術に熱中したのは、当時は弓の姿勢が肺に良いとされていたからだったということを初めて知った。

🐱また、「第一義」を求めるということが印象に残った。二十代の漱石は人生迷走中で、決して自信を持って真っ直ぐには生きていないように思われて、そこに共感する。

🐱漱石が子規に宛てた手紙で「銀杏返しにたけなはをかけ」の「たけなは」の意味を調べても分からなかったのだが、それが分かったのが収穫だった。正しくは「たけなが」なのだそうだ。そりゃ調べても分からんわ。「たけなが」は、元結の上に和紙をかけた飾りなのだそうだ。

🐱漱石が子規と虚子の仲を心配し、交際復活を願っていたというのも印象的。確か、漱石は子規に取り成しの手紙を書いたはず。

 

第四章:ロンドンの孤独

第五章:作家への道

🐱ここでは、ロンドンから帰国する船に青山脳病院院長の斉藤紀一が同船していて知り合ったことを知った。斉藤紀一は斎藤茂吉の養父である。北杜夫の『楡家の人びと』を思い出した。

🐱漱石の初期の短編では「一夜」が好きなのだが、「漱石の先進性に驚かされる」と評している。漱石は、未だに新しいのだ。

🐱『坊つちやん』について、「坊つちやん」が、父親と清の間に生まれた子供だったという可能性について論じていて面白かった。この仮説は、あり得そうな気がする。婆やの清はそれほど年を取ってはいないという説は初めて目にするわけではない。当時は四十代でも婆さんだったし、婆さんじゃなくても婆やと呼ばれることがあったという。

 

第六章:小説記者となる

🐱漱石初の新聞小説となる『虞美人草』は、よい評価を目にすることは無いのだが、吾輩は嫌いではない。この時期の漱石にしか書けない唯一無二の小説という意味において貴重だと思う。

 

第七章:『三四郎』まで

🐱『三四郎』の美禰子について「枠」という見方が興味深かった。

池での出会い以後、彼女はいつも枠取りの中から現われる。枠というのは、世間的な枠でもあり、実際に四角な枠のことでもある。

[中略]

彼女は「結婚」という枠に囲まれる直前の「自由」を楽しみたかったらしい。

🐱美禰子は嫌な女だとは思わない。彼女のような都会の女性を御するには、三四郎は経験不足に過ぎる。美禰子は、当時としては、新しい女性だったのだろうが、限界をわきまえていたと云える。どんな人間も時代という枠からは逃れることは出来ないのだ。

 

第八章:『それから』の前後

第九章:修善寺の大患

🐱ここでは、修善寺の大患前後について詳しい。修善寺に向かう鏡子の動向も書かれている。子供たちが鏡子の母親と一緒に茅ヶ崎へ海水浴に行っていたのを豪雨の中迎えに行って、母親を横浜に送り、自分は茅ヶ崎に一泊するつもりでいたところに、修善寺からの電報が回送されてきた。そこで、子供たちを茅ヶ崎に預けておいて、母親を追って横浜に向かい、遅くなって汽車がなくなり、不安な一夜を過ごし、翌日の午後修善寺に到着したという次第である。これは、夏目鏡子の『漱石の思い出』に詳しく書かれている。

 

第十章:講演の旅に出る

🐱ここでは、朝日新聞社内の内紛(池辺三山辞任問題)が波及して、漱石が池辺に辞表を郵送したときの事(その後説得されて撤回)が印象的である。提出直前に漱石は鏡子に相談しているのだが、

以前の漱石ならば妻に相談なく事後通知で済ませただろうが、大患後の彼は、妻の誠意ある看病に、自分の「我」をむき出しにする弊はなくなったようだ。

 ということだ。この問題については、森田草平の不徳の致すところだと思う。

🐱『彼岸過迄』は、好きな作品の一つで、何度も読み返しているのだが、ここでの評も興味深かった。

一旦起ったことは、表面に出なくとも生き続け、突如として現れることもあるだろう。それは、「過去」に対する漱石の考えであった。

これは、『門』や『道草』にも当てはまる。

 

第十一章:心の奥底を探る

🐱『心』の先生の自殺は、自壊とも云えるものだったのだろうか。孤独地獄に耐えられなくなった結果だろうか。それに対する回答は見出せない。先生死後の奥さんの気持ちがいつも気になる。

 

第十二章:生きている過去

第十三章:『道草』から『明暗』へ

🐱『道草』については、

漱石にとって、女性には理解できない一点があり、男同士の方が気兼ねなく話せる相手だったようだ。過去の回想は「道草」ではない。人生そのものが「道草」の連続なのである。

とある。なるほどね。修善寺の大患後でなければ、この小説は書けなかったのではないだろうか。

 

第十四章:明暗のかなた

🐱ここでは『明暗』について詳しく論じられている。『明暗』は、まだ一度しか読んでいない。再読したくなった。

 

第十五章:晩年の漱石とその周辺

🐱死の床にある漱石の写真がなぜあるのか今まで疑問だったのだが、

子供たちがどこから聞いてきたのか、死にそうな人の写真を撮ると治ると言ってきかないので、朝日の写真班に頼んで写真を撮ってもらった。

ということだそうだ。そんな迷信は初めて聞いた。それが、生前最後の写真である。

夏目鏡子の『漱石の思い出』に書いてあったのをすっかり忘れていた) 

 


f:id:morifumikirikita319:20170207192712j:image

死の床にある漱石。大正5年(1916)12月9日

 

 

 

夏目漱石 (岩波新書)

夏目漱石 (岩波新書)

 

 

 

 

 

📄関連日記

🔘両方にひげのあるなり猫の恋 - 森の踏切番日記 

🔘夏目金之助の鏡子への手紙 - 森の踏切番日記

🔘鏡子夫人のラブレター - 森の踏切番日記

🔘夏目金之助、狂せり!? - 森の踏切番日記

🔘「吾輩は猫である」誕生 - 森の踏切番日記

🔘「過去という不思議なもの」 - 森の踏切番日記

 

🔘『道草』再読(1) - 森の踏切番日記

🔘此の下に稲妻起る宵あらん - 森の踏切番日記

🔘『坑夫』と『海辺のカフカ』 - 森の踏切番日記

🔘「また手紙をあげます」漱石書簡集 - 森の踏切番日記

🔘修善寺大患日記 - 森の踏切番日記

🔘「お父様、死なないで」~漱石晩年 - 森の踏切番日記

 

🔘半鐘と並んで高き冬木哉 漱石 - 森の踏切番日記

🔘愚陀仏は主人の名なり冬籠 漱石 - 森の踏切番日記

 

🔘夏目漱石の孫娘(妹) - 森の踏切番日記

🔘漱石の孫娘(姉) - 森の踏切番日記


 

 

 

 

 

徳川家康は偉大な凡人か?

BOOKーーーーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


f:id:morifumikirikita319:20170206210401j:image

 

🐱2月5日(日曜日)の朝刊の読書面の「本を語る」のコーナーは、新聞小説として連載された『家康(一)自立篇』を刊行した安部龍太郎を取り上げていた。

 

🐱我が家では、古新聞は七ヶ月保存してから資源ゴミに出すことにしているのだが(七ヶ月分なのはスペースの都合)、資源ゴミに出す前に読み直すことにしていて、今、この『家康』を再読しているところである。

 


f:id:morifumikirikita319:20170206205226j:image

 

 

🐱この『家康(一)自立篇』は、桶狭間の戦い前夜から始まり、三方ヶ原の戦いにおける敗走で終わる。家康19歳から31歳までである。著者は、

「苦しみや弱さを克服し、階段を一歩一歩上がる、成長小説として書きたかった」

という。

 


f:id:morifumikirikita319:20170206210636j:image

 

 

🐱桶狭間の戦いのとき満17歳だった家康は、今川方の敗戦による危機を乗り越え、今川家から独立を果たすことになる。この時期の家康は、ごく平凡な戦国大名でまだまだ未熟だが、信長の下につくことで徐々に成長していく。この小説では、家康と瀬名との関係や母親との関係、家臣との関係が丁寧に描かれている。

 

🐱そして、三方ヶ原の大敗走で九死に一生を得るのだが、ここの描写は少し物足りなかった。単行本では加筆されただろうか。ちょっと気になるが、文庫本になるまで待つつもりである。余程のことがないと単行本は購入しないことにしている。

 


f:id:morifumikirikita319:20170206210021j:image

 

 

🐱また、著者は、

「家康のすごさは、非常に普通の人であること。その凡人が努力しながら壁を乗り越える。偉大な凡人の面白さはいかようにも書ける」

とも言っている。確かに、この時代の家康は凡人だったかもしれないが、ある段階で覚醒して凡人を脱したと思う。家康が凡人のまま大大名に成長したとは思わないし、凡人のまま天下を取ったとも思わない。そもそも、天下を取るような人間を凡人とは云わないだろう。

 


f:id:morifumikirikita319:20170206210037j:image

 

 

🐱去年の大河ドラマ真田丸』における徳川家康は、臆病で慎重な性格だったが、本書の家康像と通じるものがあるように思う。最近の傾向なのだろうか。

 


f:id:morifumikirikita319:20170206210047j:image

 

 

🐱また、1月1日(日曜日)の朝刊の特集「日本人の忘れもの 知恵会議」(京都新聞)に寄せられた文章で安部龍太郎は、

人間のどうしようもなさの原因は、敵意とエゴイズムを乗り越えられないところにあるということだ。

幕藩体制による地方分権も、士農工商の身分の固定化による競争の排除も、農本主義の徹底による商業の抑制も、中庸を説く儒教の導入も、敵意とエゴイズムを制御するために考え抜かれた施策だったのではないだろうか。

 として、江戸幕府を開いた徳川家康を評価しているのだが、これも同意できない。

 

 
f:id:morifumikirikita319:20170206205410j:image

 

 

🐱確かに、「厭離穢土欣求浄土」という旗印は、家康の理想であったかもしれないし、戦乱の時代を終わらせることは、当時の人々の共通の願いであっただろうと思うが、江戸時代の日本が理想的な社会だったとは思わない。それは、江戸時代を一面的にしか捉えていない考え方だと思うし、同じ論法で共産主義全体主義も評価することが可能だと思う。また、江戸時代の日本のような閉じたシステムというのは、エントロピーが増加しきってしまえば、破綻するものであろう。

 


f:id:morifumikirikita319:20170206205332j:image

 

 

🐱家康は、当初は凡人だったかもしれないし、臆病で慎重な性格だったかもしれないが、その人生において少なくとも二度大きく変質したと思う。それは、秀吉が死んだときと大坂の陣において豊臣家を滅ぼす決断をしたときである。

 

🐱権力者もまた人間であるから人間味があるのは当然のことであるが、権力者になるような人物は、権力を所持することを決意したとき、権力を維持することを決意したとき、非人間的にならざるを得ないと考える。そこを描かなくては、権力者を描いた事にはならないと考える。今後、安部龍太郎の『家康』がどのように展開していくのか、これからが楽しみである。🐥

 

 

 

別府温泉でブラタモリ

ブラタモリ』#62別府温泉

~別府はなぜ日本一の温泉に?


f:id:morifumikirikita319:20170204212816j:image

😽断層王タモリと小数点を無視する女

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

😺近江アナは、別府温泉は初めて。タモさんは、小学校の時に来たことがあるそう。

近江「温泉はお好きですか?」

タモリ「温泉、大好きですよ」


f:id:morifumikirikita319:20170205092401j:image

 


f:id:morifumikirikita319:20170205092416j:image

🐱笑顔で語るピリピリ好きの森田氏。

 

 


f:id:morifumikirikita319:20170204212837j:image

🐱まずは、足蒸しを体験。

 


f:id:morifumikirikita319:20170205093836j:image

近江「これ、足入れるんですか?」

 


f:id:morifumikirikita319:20170204212855j:image

タモリ「うん、それでこうやるんだろ?」

※足を入れて、蓋をする。

近江「あっ、そういう事か」

 


f:id:morifumikirikita319:20170204212908j:image

近江「結構熱い!」

※案内人登場

案内人「今日は特別熱くしてると思うんですけど」

😽いきなりボケをかます案内人。

タモリ「あれっ? なんか止まった」

※周りを開けて蒸気を逃がして調節。


f:id:morifumikirikita319:20170204212920j:image

😽今度は寒くなっちゃいました。

スタッフ「全部閉まりました」


f:id:morifumikirikita319:20170204212934j:image

タモリ「少し来た。来た来た」

近江「来ました来ました」

タモリ「おお。熱い!」

近江「熱い熱い! 熱いこれ!」


f:id:morifumikirikita319:20170205000310j:image

😽近江「NHKなので、生足だけでごめんなさい」

 


f:id:morifumikirikita319:20170204212945j:image

😽逆効果?

 


f:id:morifumikirikita319:20170204212954j:image

🐱続いて、飲泉場へ。ネーミングがまんま。

 


f:id:morifumikirikita319:20170204213006j:image

🐱テースティング中

タモリ「決してうまいものではないな!」

タモリ「薬と思えば…」

😽逆効果?

 


f:id:morifumikirikita319:20170204213019j:image

別府温泉は、湧出量と泉質の豊富さが日本一。

 


f:id:morifumikirikita319:20170205102601j:image

😽飲み過ぎた~

 

 

別府温泉別府八湯とも呼ばれている。

🔎別府温泉 - Wikipedia
f:id:morifumikirikita319:20170204215508j:image

 


f:id:morifumikirikita319:20170204215521j:image

 


f:id:morifumikirikita319:20170204215536j:image

草彅「始まりましたブラタモリ! 今回の舞台は大分県別府温泉です」

 


f:id:morifumikirikita319:20170204215553j:image

草彅「でもどうして別府温泉は日本一になったんでしょう?」

 


f:id:morifumikirikita319:20170204215603j:image

😽ぬこ「知るか!」

 


f:id:morifumikirikita319:20170204215613j:image

別府に温泉が湧く理由とは?

 


f:id:morifumikirikita319:20170204220601j:image

😽傾斜というより崖な人発見。

 


f:id:morifumikirikita319:20170204220624j:image

🐱由佐悠紀先生。調査した温泉の数は延べ1000ヶ所。実は偉い先生。

🔎メンバー|別府温泉地球博物館 Beppu Onsen Geo-Museum

 


f:id:morifumikirikita319:20170204224750j:image

🐱近江ちゃんが初登場の時(#36嵐山)に最初に覚えたブラタモ用語「ダンソウガイ」

 


f:id:morifumikirikita319:20170204220654j:image

タモリ「断層ファンですからね!」

 


f:id:morifumikirikita319:20170204220709j:image

温泉には、水と熱源とお湯が地上に湧き出すための通り道が必要。その中で通り道となるすき間をつくっているのが別府では断層なのだ。

 

 


f:id:morifumikirikita319:20170204220719j:image

タモリ「小説書こうかな?」

 


f:id:morifumikirikita319:20170204220727j:image

タモリ「断層を舞台に一組の男女が妖しげに燃える」

😽男「どうして、君は断層の上に?」

😽女「どうして、あなたは断層の下なの?」

 


f:id:morifumikirikita319:20170204220754j:image

タモリ「ああ! お~、きれいここ!」

近江「うわ~」

タモリ「すごいね、やっぱり別府は」

近江「すごい、湯けむりが」

タモリ「別府、見直したな」

 


f:id:morifumikirikita319:20170204220735j:image

案内人「別府では、大体が断層に沿って温泉が湧いている」

 


f:id:morifumikirikita319:20170204224820j:image

 タモリ「堀田、観海寺、別府… これも直線ということは」

 

タモリ「二つ大きな断層があるってことですか?」

先生「う~ん、どうでしょうね」

 

ということで
f:id:morifumikirikita319:20170204224832j:image

八幡地獄にやってきたタモリさんたち。

 


f:id:morifumikirikita319:20170204224847j:image

 


f:id:morifumikirikita319:20170204224859j:image

ということで、温度を測ることになったタモリさんと近江ちゃん。

 


f:id:morifumikirikita319:20170204224941j:image

 


f:id:morifumikirikita319:20170204224914j:image

 


f:id:morifumikirikita319:20170204224932j:image

940!

 


f:id:morifumikirikita319:20170204225035j:image

😽ほとんど100℃に近いというネタを見事に潰した近江ちゃんの天然ボケが炸裂。

 


f:id:morifumikirikita319:20170204225727j:image

😽先行きが、見えなくなっちゃった。

 

 


f:id:morifumikirikita319:20170204230722j:image

😽気を取り直して、断層崖へ。

 


f:id:morifumikirikita319:20170204225752j:image

先生「朝見川断層といいます」

先生「断層に沿って川が流れている」

 


f:id:morifumikirikita319:20170204225822j:image

草彅「この巨大な断層崖の高さは、なんと30m」

 


f:id:morifumikirikita319:20170204225841j:image

タモリ「相当すき間があるということですから、お湯が出やすいですね」

先生「何度もずれて大きな落差になっている」

タモリ「こっちが沈んでいるんですか?」

 


f:id:morifumikirikita319:20170205132104j:image

草彅「そうなんです! 実は別府は2つの断層に挟まれた沈んだ場所にあるんです」

 


f:id:morifumikirikita319:20170204230821j:image

 


f:id:morifumikirikita319:20170204230805j:image

近江「下がりました!」

 


f:id:morifumikirikita319:20170204230833j:image

別府は沈んだ場所にある。

 


f:id:morifumikirikita319:20170204231451j:image

九州には、プレートによって南北に引っ張られる力が働いている。

 


f:id:morifumikirikita319:20170204231500j:image

草彅「別府はちょうどその裂け目にあるんです」

 


f:id:morifumikirikita319:20170204231520j:image

😽豊臣秀頼「言われて伸びる男ぞ」

 


f:id:morifumikirikita319:20170204231531j:image

先生「100年たつと1m」

😽最終的には、九州分裂か?

 


f:id:morifumikirikita319:20170204231539j:image

地盤が引っ張られた事で出来た2つの大きな地層に、たくさんの湧き出し口が出来た。

 


f:id:morifumikirikita319:20170204231548j:image

日本一!

 

 

草彅「更にタモリさん、左側の断層崖に沿って」
f:id:morifumikirikita319:20170204233454j:image

 


f:id:morifumikirikita319:20170204233507j:image

 


f:id:morifumikirikita319:20170204233520j:image

先生「土石流です」

 


f:id:morifumikirikita319:20170204233546j:image

地層と湧出量の関係とは?

 


f:id:morifumikirikita319:20170204233558j:image

タモリは断層王になる!

 


f:id:morifumikirikita319:20170204233618j:image

😽図星?

 


f:id:morifumikirikita319:20170204233637j:image

😽苦笑い

 


f:id:morifumikirikita319:20170205135347j:image

別府は扇状地になっている。

 


f:id:morifumikirikita319:20170205135359j:image

 


f:id:morifumikirikita319:20170205135412j:image

別府では、地下水が温泉!

 


f:id:morifumikirikita319:20170205140120j:image

2つの断層を通って湧き出した大量の温泉が扇状地に広がり別府全体に流れている事で

 


f:id:morifumikirikita319:20170205135433j:image

源泉の数が増え別府温泉が湧出量日本一になった。

 


f:id:morifumikirikita319:20170205142600j:image

続いてタモリさんは別府エリアへ。

 


f:id:morifumikirikita319:20170204235131j:image

タモリ共同浴場ですね」

 


f:id:morifumikirikita319:20170204235143j:image

1000円払えば1ヶ月間いつでも入れる。

 


f:id:morifumikirikita319:20170204235152j:image

塩化物泉95.5度

 


f:id:morifumikirikita319:20170204235159j:image

 


f:id:morifumikirikita319:20170204235210j:image

近江「誰かいましたね(笑)」

 


f:id:morifumikirikita319:20170204235223j:image

 


f:id:morifumikirikita319:20170204235814j:image

草彅「なぜ別府温泉は泉質の種類が多いのか?」

 


f:id:morifumikirikita319:20170204235847j:image

草彅「温泉の泉質を比べてみましょう」

 


f:id:morifumikirikita319:20170205075430j:image

タモリ「飲むんですか?」

😽きき湯?

先生「pHを測定してもらいたい」

😽ですよね~

 


f:id:morifumikirikita319:20170205075443j:image

鉄輪エリア、pH3.5  酸性

観海寺エリア、pH9 アルカリ性

別府エリア、pH9 アルカリ性

 


f:id:morifumikirikita319:20170204235826j:image

😽pH3.5は、酸性でよいと思うがな。

📄1atm・25℃でpH=7が中性。pHは対数なので、pHが1違うと、水素イオン濃度が一桁違う。pHが小さい方が水素イオン濃度が大きくなり、pHが7より小さくなると酸性になる。

 


f:id:morifumikirikita319:20170204235835j:image

扇状地の地下には温泉の通り道がいくつもあり、複雑に広がっている。成分が薄くなる温泉や途中で分かれて流れていく温泉、

 


f:id:morifumikirikita319:20170204235856j:image

地中深く成分を保ったまま端まで流れる温泉もある。天満温泉がこのタイプの温泉。

 

それぞれ成分の異なるさまざまな鉱物を含んだ地層があり、通り道ごとに微妙な成分の違いが生まれる。


f:id:morifumikirikita319:20170205064756j:image

断層と扇状地

これが日本一の温泉地を生み出した。

 


f:id:morifumikirikita319:20170205064813j:image

 


f:id:morifumikirikita319:20170205064823j:image

 


f:id:morifumikirikita319:20170205075719j:image

そこで訪れたのは、二つの断層の交点にあたる塚原温泉。

 


f:id:morifumikirikita319:20170205080713j:image

草彅「実は、この場所、別府温泉にとって重要な場所なんです」

 


f:id:morifumikirikita319:20170205080740j:image

先生「まあ、ここは、かわいい火口ですけど」

先生「全体が爆裂火口の感じですね」

タモリ「はあ~」

近江「まだ活動中なんですか?」

先生「活動中です」

 


f:id:morifumikirikita319:20170205080751j:image

草彅「やって来たのは伽藍岳。活動中の火山です。中腹にある火口からは今も絶えず噴気が上がっています」

 


f:id:morifumikirikita319:20170205080758j:image

😽今週も、やっぱりヘルメット着用。しかも、念のためマスクも用意。

 


f:id:morifumikirikita319:20170205080827j:image

タモリ「ちょっと、よけよう!」

※迫る火山ガス

タモリ「怒ってるみたいだぞ」

※とりあえず避難

 


f:id:morifumikirikita319:20170205081638j:image

先生「でも何でこの火口は大丈夫なんでしょう」

 


f:id:morifumikirikita319:20170205081659j:image

伽藍岳の火山ガスの中には、通常の火山ガスと違い、二つの有毒な成分がほとんどないので近づいても平気だった。 

 


f:id:morifumikirikita319:20170205083016j:image

塩化水素と亜硫酸ガスは水に溶けやすいので、このことは火山ガスが水の層を通ってきたことを意味する。

 


f:id:morifumikirikita319:20170205081712j:image

この辺りの地下には、マグマの熱で温められた大量の熱水が溜まっている。マグマから出る火山ガスの有毒な成分は、この大量の熱水にほぼ吸収される。

 


f:id:morifumikirikita319:20170205081730j:image

📄熱水には周囲から圧力がかかっているため、100℃を超えても液体であることが多い。

 


f:id:morifumikirikita319:20170205082957j:image

😽それにしても、近江ちゃんのヘルメット、大きすぎなくない?

 


f:id:morifumikirikita319:20170205083041j:image

地下に広がる大量の熱水が別府温泉全ての源。

 


f:id:morifumikirikita319:20170205083055j:image

草彅「なんと別府八湯は、別府一湯だったんですねえ」

 


f:id:morifumikirikita319:20170205083111j:image

 


f:id:morifumikirikita319:20170205083123j:image

 


f:id:morifumikirikita319:20170205083134j:image

 


f:id:morifumikirikita319:20170205083148j:image

 

先生「ということで、日本一の別府温泉が、一つの泉源だったという事実、納得いきましたでしょうか?」

 

f:id:morifumikirikita319:20170205083206j:image

 

タモリ「火山断層も時には地震を起こしたり噴火したりして、人的な被害があるんですけど、プラスになる側面も持ってる」

タモリ「共に生きてきましたね、断層と火山と日本は」


f:id:morifumikirikita319:20170205084230j:image

😺今日は、とても興味深い内容だったなあ。

 
f:id:morifumikirikita319:20170205084259j:image

😺断層王の含蓄のある言葉もいただいたしね。

 

 

おまけ
f:id:morifumikirikita319:20170205084318j:image

 

f:id:morifumikirikita319:20170205084356j:image

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

#55知床

f:id:morifumikirikita319:20170205085927j:image

強酸性温泉・玉川温泉に入った時の経験談

 
f:id:morifumikirikita319:20170205085943j:image

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

f:id:morifumikirikita319:20170205090010j:image

タモリ「全然チリつかないね」 

 
f:id:morifumikirikita319:20170205090124j:image

タモリ「この程度じゃダメだな」 


f:id:morifumikirikita319:20170205090155j:image


f:id:morifumikirikita319:20170205090057j:image

 

f:id:morifumikirikita319:20170205090321j:image

タモリ「気持ちいい! 近江ちゃんも入れば?」 


f:id:morifumikirikita319:20170205090348j:image

チリつかないw

 

 

次回は
f:id:morifumikirikita319:20170205090829j:image
♨#63➡別府でブラタモリ - 森の踏切番日記 


f:id:morifumikirikita319:20170205090839j:image

🚢#64➡神戸の港でブラタモリ - 森の踏切番日記

 

f:id:morifumikirikita319:20170205090901j:image

😽次回は、殺人事件とかは無いのか?

 

 

 

📄関連日記

水戸でブラタモリ - 森の踏切番日記

さぬきうどんでブラタモリ - 森の踏切番日記

浦安でブラタモリ - 森の踏切番日記

成田山新勝寺でブラタモリ+鶴瓶 - 森の踏切番日記

目黒でブラタモリ - 森の踏切番日記

平泉でブラタモリ - 森の踏切番日記

 

 

 

 

 

月岡芳年の『新形三十六怪撰』

MY LIBRARYーーーーーーーーー

 妖怪 YOKAI

 小松和彦監修

 角川ソフィア文庫(2015/01/25)

 1505-02★★★

────────────────────

芳年 Yoshitoshi

国芳門下月岡芳年は江戸の浮世絵の伝統を生きた絵師で、「最後の浮世絵師」とも称された。凄惨な画風の血みどろ絵・無惨絵で名をはせ、「血みどろ芳年」の異名で呼ばれたが、精緻な歴史絵・華麗な美人画・端正な役者絵など、その画風は幅広い。妖怪画も数多く描き、師・国芳の武者絵の迫力を受け継ぐ壮年期の『和漢百物語』や、円熟期の作品『月百姿』に描かれた妖怪は大胆にして繊細である。晩年に描かれた『新形三十六怪撰』は、怪異を「神経」が見せる現実と妄想のあわいに表現した比類なき作品である。

 


f:id:morifumikirikita319:20170131191829j:image

『新形三十六怪撰』さぎむすめ

 

 

🐱吾輩は、ピンタレストPinterest)で妖怪の画像を集めていて、これまでに250点以上の妖怪画像を集めたのだが、先週から雑多に集まった画像を整理していて、今日までに月岡芳年の『新形三十六怪撰』の整理が完了した。各画像のタイトルを日本語と英語で入力していたら、結構時間がかかってしまった。

 

 


f:id:morifumikirikita319:20170131191909j:image

『新形三十六怪撰』四ッ谷怪談

 

 

🐱月岡芳年は、天保10年(1839)生まれ。幕末から明治前期にかけて活躍した「最後の浮世絵師」である。江戸川乱歩三島由紀夫谷崎潤一郎芥川龍之介がその作品を愛したことでも有名である。「血みどろ芳年」の無惨絵は、本当にグロくて、いかにも乱歩や三島が好みそうな作品である。明治25年(1892)6月9日没。享年53歳。

 

 


f:id:morifumikirikita319:20170131192004j:image

『新形三十六怪撰』ほたむとうろう(牡丹灯籠)

 

 

🐱『新形三十六怪撰』は、明治22年(1889)に刊行開始、芳年没後の明治25年に完結した。後半の作品のうち数点は芳年の版下絵をもとにし彼の門人たちが完成させた。芳年の妖怪画の集大成と云われている。

 

 


f:id:morifumikirikita319:20170131192107j:image

『新形三十六怪撰』大森彦七道に怪異に逢ふ図

※水面の影が鬼女であることを暗示している。

 

 

🐱芳年は、神経衰弱に悩まされた時期もあり、晩年には酒のため身体が蝕まれ再び神経も病んでいたという。『新形三十六怪撰』の「新形」は「神経」に掛けたとも云われている。

 

 


f:id:morifumikirikita319:20170131193256j:image

『新形三十六怪撰』清玄の霊桜姫を慕ふの図

※清玄の姿は襖のシミのように見える。あるいは、襖のシミが清玄の姿のように見える。

 

 

 

🐱『新形三十六怪撰』の中で、吾輩のお気に入りは、この一枚である。

 


f:id:morifumikirikita319:20170131194055j:image

『新形三十六怪撰』皿やしきお菊の霊

 

 

🐱お菊さんの儚さが哀しみを誘う傑作だと思う。こんなに美しいお菊さんは見たことがない。ついでに、『月百姿』の中でのお気に入りの一枚も紹介しよう。夢枕獏の『陰陽師』のファンなら、すぐにピンとくるであろう。

 


f:id:morifumikirikita319:20170131194532j:image

『月百姿』朱雀門の月 博雅三位

 

 

 

 🐱こちらには、芳年の他に北斎国芳、石燕、暁斎、芳幾、鴻山の代表的な作品など、有名な妖怪画がカラーで収録されている。手軽な妖怪画入門書。

 

 

📄関連図書
数えずの井戸 (角川文庫)

数えずの井戸 (角川文庫)

 

😺★★★★

 

陰陽師―飛天ノ巻 (文春文庫)

陰陽師―飛天ノ巻 (文春文庫)

 

 😺★★★★

 

 

 

📄『新形三十六怪撰』の全画像はこちらで見ることができます。

🔎新形三十六怪撰 - Wikipedia

 

 

📄Pinterestは、こんな感じ。

Yoshitoshi Demon in the Night Palace | Palace, Japanese and Japanese prints